伝説のボクサーから教わる「礼儀と強さ」 親子でボクシングに挑戦!

伝説のボクサーから教わる「礼儀と強さ」 親子でボクシングに挑戦! DO

伝説のボクサーから教わる「礼儀と強さ」 親子でボクシングに挑戦!

スポーティ

2012年ロンドン五輪で、村田諒太選手が48年ぶりとなるボクシング競技での金メダルを獲得した。世のお父さんの中には「俺も昔からサンドバッグを叩いてみたかったんだよな〜」などと考えてはみたものの、実際にボクシングジムへ入会となると、あと一歩が踏み出せない人もいるのでは。

そんなお父さんにオススメなのが、“親子で”ボクシング。JR山手線西日暮里駅徒歩3分、実際に親子会員が4組もいるというボクシングジムをたずねた。

“平成のKOキング”から教わるボクシングの心得

ジムの中をのぞくと、会長と小学生の男の子との腕相撲対決が。両手で会長の腕にぶら下がるように懸命に体重をかけるが、さすがに形勢不利。その刹那、さっと忍び寄る小さな人影が…小学校4年生の蓑和田仁(みのわだ・じん)くんだ。2対1のハンディキャップマッチの結果、小学生コンビが見事逆転勝利!

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「仲間がピンチになっていたら助けにくる。こういうところに人の輪ができてくるんですよ」

笑顔で説明してくれたのはSRSボクシングジムの会長、坂本博之さん。“平成のKOキング”と呼ばれ、現役時代は日本ライト級チャンピオン、東洋太平洋ライト級チャンピオンを獲得した伝説のボクサーだ。

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遊びが終わると坂本会長が両手にミットを装着し、自ら小学生のパンチを受ける。ときには2〜3メートルほど助走をつけてパンチしたり、頭上高く掲げたミット目がけてジャンプパンチを繰り出すことも。ふたりの表情がキラキラと輝きだす。

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「走ってパンチとかは、実際のボクシングでは使えません(笑)。あれはね、“発散”させてるんですよ」。そう語る坂本会長が、現役時代から25年以上続けている活動がある。自身の出身であり「命を救ってもらった」という、養護施設での講演会・ボクシングセッションなどの活動だ。

「施設の子たちにミットを構えてパンチを打たせると、喜んで打ってくる子もいる。目に涙を浮かべ哀しみをぶつけてくる子、怒りを発して殴ってくる子もいる。SRSジムに来る子たちも、何かしらの想いを抱えているんですよ。想いの大きい・小さいは関係ないです。その子にとっての許容量はいっぱいなんですから」

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「喜び・怒り・哀しみ・楽しみ、どれでもいいから、おまえの最高の気持ちを拳に込めて、ミットに叩きつけてこい! 私は、そんな気持ちでミットを持ってるんです」

ボクシングが体育の教科書になる

リング上でプロ選手と見間違えるような、切れのあるパンチを繰り出す男性がいた。蓑和田仁くんのお父さん、蓑和田元(みのわだ・はじめ)さん(43)だ。息子とともにボクシングを始めてから4年、現在では自ら「ザ・おやじファイト」(30歳以上のボクシング大会)に出るまでに。

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「私みたいに試合に出たい人ばかりでなく、ストレス解消でボクシングの練習にこられている会員さんも本当に多いです。子どもも同じで、公園で遊びまわっている延長ですよ(笑)」

とはいえ、ジム内はひとつのコミュニティ。練習後にはプロ選手から一般会員まで分け隔てなく、自分が利用した場所を中心に掃除を行う。子どもたちも自然に見習い、率先して行うようになる。挨拶などの礼儀を含め、ジムでの経験を通して子どもたちの普段の姿も変わったと言う。

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「それまでは積極性に欠けるところがありましたけど、やっぱり自信がついたんでしょうね。今では学校でも家でも、自ら率先してなんでもやるタイプですよ」

ボクシングは殴り合う競技、親としてはケガも心配なところだろう。対人練習ではお互いの経験や体の大きさを考慮して、上級者はディフェンスの練習に徹するなどの指導がされる。拳や手首など痛めてしまいがちなところには、レンタルのサポーターやバンテージなどを用意して、しっかりとケガを予防する。

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「周りの大人(トレーナーや一般会員さん)たちがしっかり見守ってくれています。スパーリングをする場合にも、CTスキャンを撮影してジムに提出しないといけない規則がJBC(日本ボクシングコミッション)で決まっているんです。だからとにかく気軽に、親子で飛び込んできてほしいですね」

子どもたちのスパーリングを見守りながら「おっ! いいパンチだ!」と声をかける坂元さん。プロの指導のもと、目の届くところで安全に楽しむことができる。子どもといっしょに始めるスポーツとして、ボクシングを選んでみるのはいかがだろうか。


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