U-21アジア大会で大活躍! 明大サッカー部の“日本代表候補” 室屋成&和泉竜司

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U-21アジア大会で大活躍! 明大サッカー部の“日本代表候補” 室屋成&和泉竜司

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古くは木村和司、近年では長友佑都(インテル)、山田大記(独・カールスルーエSC)、小林裕紀(新潟)、藤田優人(柏)、矢田旭(名古屋)など、数多くのプロサッカー選手を輩出してきた明治大学体育会サッカー部

今年6月の天皇杯予選では、J3で首位争いを演じるFC町田ゼルビアに快勝し、大学生ながらレベルの高いサッカー部として注目を集めています。

そんな明治大学には、現在開催中のアジア大会のU-21日本代表に、大学生で唯一選出された室屋成選手、そして2012年の高校サッカーでエースストライカーとして市立船橋を優勝に導いた和泉竜司選手が在籍しています。

左から室屋成選手、和泉竜司選手

左から室屋成選手、和泉竜司選手

高校サッカーのスターが大学進学を決めたわけ

高校の時点で既に全国区の有名選手だった2人。高校を卒業後はJリーグや海外へ、という道を辿る選手も多い中、プロへは進まず明治大学へと進学しました。

青森山田高校在学中にU-17日本代表としてメキシコW杯に出場した室屋成選手には、もちろんプロチームからの誘いもあったといいます。

「プロだとすぐ結果を求められる。より自分がスキルアップできる場所、足りない部分を見つめ直せる所だなと思って大学進学を決めました」(室屋選手)

和泉竜司選手は市立船橋のスタープレイヤー。四日市中央工との高校サッカー決勝では、ビハインドからの同点弾、決勝弾を決め、“ミラクル和泉”と話題になりました。

「J2のチームに練習参加したりもしましたけど、正直高卒でプロは通用しないなと考えていたんで、3年生の5月ぐらいには明治大学に進路を決めていました」(和泉選手)

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“大学”でサッカーをやる意味

目先の地位や名声に惑わされることなく、冷静に自分の実力と目標を天秤にかけて進路の判断をした2人。ところが入学前は大学サッカーを良く知らなかったとか。

「正直、大学サッカーの試合は全然見た事なくて、どういうサッカーするのか分からなかったんです。入ってみたらサッカーに関しては本当に真面目で、上を目指している人が多いので成長出来る場だと思います」(和泉選手)

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明治大学サッカー部の選手達は、神川明彦監督の「文武両道」の方針により、一般学生と同じように授業に行き、単位を取ります。そのため練習は、トップチームは朝8時、セカンドチームはなんと朝6時から! 練習、授業、寮の仕事と忙しい毎日を送る選手たち。一見、サッカーの上達には非効率的にも思える環境ですが、そこも成長に繋がっていると室屋選手はいいます。

「サッカーだけじゃない、っていうのは小中高と違ってよく言われますし、私生活の面でも、勉強とか普段の生活とか人間性とか、いろいろなことを求められます。でも自分で選んだんで、“絶対ここで終わらない”っていうか。無駄な時間を過ごしたくないので、大学に入ってからはサッカーのために『24時間をどう使うか』を自分で考えるようになりました」(室屋選手)

同年代組に対する気持ち

自分で決めた道とはいえ、やはり同世代の選手がJリーグで活躍する姿は焦りに繋がらないのでしょうか?

「焦りではないですけど、俺もそこで結果出したい、早く行きたいって気持ちにもなります。でも結局は周りじゃなくて自分のことだと思うんで、今するべき事をちゃんとやんなきゃなって思います」(和泉選手)

「早くプロにはなりたいですけど、やっぱりここを選んだのは自分だし、周りはあんまり気にしないようにしています。自分が成長して、追い付いて、いずれ追い越せるように、だけですね」(室屋選手)

そんな彼らの思いが形になったのは今年6月。明大の神川監督が代表監督を務め、室屋選手も招集された全日本大学選抜(ユニバーシアード日本代表)が、練習試合で若手Jリーガーで構成されるU-21日本代表に2−1で勝利したのです。練習試合とはいえ、大学生が同世代のJリーガー相手に互角以上のプレーが出来ることを証明した瞬間でした。

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すべてはロシアワールドカップのために

来年はユニバーシアード大会、再来年はリオ五輪と、この世代の選手達には大きな目標となる大会が控えます。しかし、2人はあくまで4年後のロシアワールドカップ出場を目標に掲げます。

「ユニバーシアードは出たいですけど、目標はやっぱり4年後のロシアワールドカップ。その前にリオ五輪もあるので、世界大会の経験を積んでいきたいですね」(和泉選手)

室屋選手はワールドカップの試合から、次の日本代表としての課題を感じたといいます。

「やっぱり4年後を見据えて、攻撃でも守備でも1対1で絶対負けないことだったり、個人で打開できることを磨いていかないと、ワールドカップに出られたとしても勝てないと思います。ワールドカップでもネイマールとか、ハメス・ロドリゲスとか、個人の能力で持っていける選手が活躍していたので。まだ4年あるんで、そこを突き詰めて行きたいです」(室屋選手)


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神川監督が長友の後継者と太鼓判を押し、その精神力の高さを大きく評価している室屋選手。ケガから復帰し、その得点力の高さと貪欲にボールを要求する力に磨きがかかった和泉選手。人間性と精神力をじっくり養った大卒フットボーラーは、極限の状況が続く世界との戦いでこそ力を発揮します。現在開催中のアジア大会、そして4年後のワールドカップでの飛躍を大いに期待しましょう。

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