“スポーツの神様”を祀る京都・白峯神宮に行ってみた。

“スポーツの神様”を祀る京都・白峯神宮に行ってみた。 DO

“スポーツの神様”を祀る京都・白峯神宮に行ってみた。

スポーティ

“スポーツの守護神”として崇拝される神社が、京都・今出川にあります。白峯神宮の境内に奉納されているのは、サッカー、野球、バレーボール、バスケットボール、バドミントンなど、各種スポーツのボールの数々。サッカー日本代表が使用したワールドカップ公式球もあり、それらに触ることもできます。

オリンピックなどの世界大会で使用されたボールが、手に取れる場所に奉納されている

オリンピックなどの世界大会で使用されたボールが、手に取れる場所に奉納されている

日本サッカー協会が5大会連続で奉納しているワールドカップ公式球。選手たちが蹴った跡が生々しい

日本サッカー協会が5大会連続で奉納しているワールドカップ公式球。選手たちが蹴った跡が生々しい

技術の上達や必勝を祈願するのは、部活動や習い事に励む中・高校生からプロスポーツ選手まで。親子連れも多く、ボールや絵馬、護摩木にそれぞれの想いを託していきます。春秋の修学旅行シーズンには、全国の学生たちが参拝に訪れます。

日本で唯一の“スポーツの守護神”

平安後期。白峯神宮の境内は、和歌と蹴鞠(まり)を教えていた公家、飛鳥井家のお屋敷でした。その邸内に代々、守護神として祀られてきたのが“まりの神様”である精大明神です。

その後、明治天皇が白峯神宮を創建し、同神宮に受け継がれました。境内には“まりの神様”に加えて、武道上達の神と心願成就(上昇気運)の神も祀られています。この3者が揃う神社は、全国でも白峯神宮だけ。それが、日本で唯一“スポーツの守護神”として崇められる所以です。

静寂な空気に包まれた境内。左に見えるのが鞠庭

静寂な空気に包まれた境内。左に見えるのが鞠庭

蹴鞠でスポーツの“本質”を感じる

「蹴鞠」というのは、そもそも鞠庭(専用の庭)に入ると、誰もが身分の違いを超えて楽しめるものでした。8~10人で鞠を地面に落とさないように長く蹴り続けることが目的で、はっきりとした勝敗はありません。誰かが蹴りそこなった場合も、その人が下手なのではなく、パスを出した人の責任。つまり「蹴鞠」は、相手に受け取りやすく打ち返しやすい配球をする、リフティングとアシストの上手さを競う球技なのです。

年に2回行われる蹴鞠行事。一般の方も体験できる

年に2回行われる蹴鞠行事。一般の方も体験できる

権禰宜の北村滋如(しげゆき)さんは言います。「スポーツとは本来、楽しむ心や思いやりを育んでくれるもの。そして、勝ち負けに囚われず、練習で培ってきたものを試合で十分に発揮できるかどうか。蹴鞠にはスポーツの本質が集約されています」。相手に敬意を払い、自分の力を尽くした上で、良い結果が出たなら尚良しというわけです。

あらゆるスポーツの神様が祀られる「地主社(じしゅしゃ)」

あらゆるスポーツの神様が祀られる「地主社(じしゅしゃ)」

「闘魂守」で、安全と必勝を祈願!

境内には、お守りや縁起物も授与されています。全国で唯一とされる「闘魂守」は、試合はもちろん、練習の際も身につけることで心の支えとするもの。怪我のない練習と悔いのない試合のためのお守りです。

「闘魂守」。チームカラーや競技から好みの色・形を選べる

「闘魂守」。チームカラーや競技から好みの色・形を選べる

他にも、手首やバッグなどにつけてモチベーションを高め、願いを叶えるという「叶う輪」やタオル、リストバンド、ヘアバンド、破魔矢、絵馬まで、目的に応じたアイテムが揃います。学生だけでなく、スポーツを楽しむ大人にもおすすめです。

自分自身を振り返り、ベストな状態で臨むために

せっかく厳しい練習を重ねても、気持ちで負けているせいで持てる力を発揮できないケースがあります。一流のプロでもありえることです。「ここで、自分が歩んできた道を振り返り、心身ともにベストな状態で試合に臨んでほしい」と北村さん。たゆまぬ努力、困難に打ち克つ心、技術の向上、思いやり――。勝利をめざし、たとえ負けてしまったとしても、すべてが失われるわけではありません。白峯神宮は、そんなスポーツのあるべき姿を守ってくれる御社(おやしろ)です。

縁起の「石鞠」を廻して球運を授かろう! ※手や指を挟まないように充分にご注意ください

縁起の「石鞠」を廻して球運を授かろう! ※手や指を挟まないように充分にご注意ください


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