現役のお坊さんが日本代表!リオ五輪の水上競技、カヌーとは?

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現役のお坊さんが日本代表!リオ五輪の水上競技、カヌーとは?

スポーティ

いよいよ8月から始まるリオデジャネイロオリンピック。カヌー競技の日本代表は、佐々木将汰選手、佐々木翼選手 、羽根田卓也選手、矢沢亜季選手、矢沢一輝選手の5人が選ばれています。これを見て気付いた人もいるかもしれませんが、佐々木将汰選手と佐々木翼選手、矢沢一輝選手と矢沢亜季選手は実の兄弟。矢沢兄妹の兄、矢沢一輝選手は、現役の僧侶であることからも注目を集めています。

船への乗り方と使用する櫂で見分けるカヌーの種目

カヌー競技には、大きく分けてスプリントとスラロームという2つの種目があります。スプリントは、決められた距離の水路を一斉にスタートして着順を決める種目。距離は200メートルや500メートルなどあり、一斉スタートするときにあがる水しぶきは迫力満点。最高の距離でも1000メートルで、比較的に短時間で決着がつくため手軽に観戦したい方にはオススメの競技です。

スプリント種目の中にも、カヤックとカナディアンと呼ばれる2つの競技があります。競技の見分け方は、選手が使用するパドル※の種類。カヤックは選手が進行方向に向かって座り両側にブレード(水かき)のついたパドルを左右交互に漕いで進んでいきます。
※カヌーで使用する櫂(かい)

スプリント競技のカヤックの様子。パドルの両サイドにブレードが付いている。

一方のカナディアンでは、選手が進行方向に向かって“立ち膝”になり、片側にブレードがついたパドルを漕いで進んでいきます。

スプリント競技では、船が長い間レーンから離れたり、はみ出したりしていると失格になってしまうので、必ずレーンの中央を進んでいかないといけません。

こちらはスプリント競技のカナディアン。パドルが片側のみ。

選手のテクニックが熱いスラローム!

スラロームとは、川などの流れがある場所で行われ、その上流や下流からスタートして進みながら設置されているゲートを通過する技術と、ゴールまでのかかった時間を図る競技です。

スラロームに設置されているゲートは細長い棒状の物が2本吊るされているので、その棒に触れないようにうまく通過しないといけません。決められたレーンを走るスプリントとは、見所も異なる競技。川の流れをよみながら自分の手足のように自由自在に船を動かす技術は圧巻です。

スラロームは激流の中を進んで行く、非常に激しいスポーツ。

スラロームにおける順位は、スタートからゴールするまでにかかった時間を基準に、ペナルティの秒数を加算して決まります。ペナルティは、決められたゲートを通らなかった時にプラス50秒、ゲートを通るときに船が棒に触れてしまった時にプラス2秒追加されます。

スプリントと同様、スラロームにおいても、使用する艇によってカヤックとカナディアンの2種の競技に大別されます。

オリンピックで開催されるカヌー競技の種目

リオ五輪で開催されるカヌー競技の種目は全部で16種目。スプリントから男女合わせて12種目、スラロームから男女合わせて4種目の計16種目です。

種目が少ないスラロームから詳しく説明すると、男3種目女1種目の構成になっていて、女子はカヤックのシングル(1人)のみです。男子はカヤックのシングルに加えて、カナディアンのシングルとペア(2人)があります。

リオ五輪日本代表で現役の僧侶でもある矢沢一輝選手。3大会連続の出場で、2012年ロンドン五輪では9位に入賞した。

スプリントでは、男子8種目女子4種目の構成になっています。200メートルのカヤック競技は男女共通。このほかに、女子はカヤックのシングル、ペア、フォア(4人)の3種目で、500メートルでの速さを競います。

男子はカヤックのシングル、ペア、フォアの1000メートルに加えて、シングル、ペアの200メートルも追加されています。男子の残りの3種目はカナディアン。シングルでの200メートル、1000メートルとペアでの1000メートルになります。

気になるカヌー競技の大会日程!

2016年リオデジャネイロで開催されるオリンピックのカヌー競技は、スラローム種目がデオドロ地区のホワイトウォータースタジアムで開催。デオドロオリンピック公園のXパークに配置され、スラローム専用のコースがあります。

スプリント種目は会場が異なり、コパカバーナ地区のラゴアスタジアムで開催されます。ラゴアスタジアムはリオのボート競技の聖地と言われています。

大会日程はスラロームが先で、8月7日の日曜日、12時30分から開始され、8月11日木曜日までの計5日間。現地と日本では時差が12時間あるので、日本で観戦する場合は日本時間8月8日の0時30分からの開始となります。一方スプリントは、8月15日の火曜日9時からの開始で、8月20日土曜日までの計6日間の日程で行われます。

スラロームが行われるホワイトウォータースタジアム

スプリントが行われるラゴアスタジアム

前述した通り、リオ五輪のカヌー競技では日本人選手が5人出場します。種目は5人全員がスラローム。スプリントは伝統的にヨーロッパの選手が強く、日本人の出場は残念ながらありませんでした。しかしその分、スラロームに出場する選手の応援に集中できると言えます。ぜひリオ五輪では、現役の僧侶も務める矢沢一輝選手が激流を下る姿を応援してみてはいかがでしょうか。
(Photo by David Merrett

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