祝・アーセナル監督就任20周年!数字で振り返るアーセン・ヴェンゲル

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祝・アーセナル監督就任20周年!数字で振り返るアーセン・ヴェンゲル

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15回のタイトル獲得。めざすは12年ぶりのプレミアリーグ制覇!

2016年9月30日は、アーセナルサポーターにとっては感慨深い1日でした。

アーセン・ヴェンゲル、監督就任20周年。名古屋グランパスエイトで天皇杯を制した翌年、ノースロンドンにヴェンゲル監督がやってきたときは、現在のように外国人監督が当たり前ではない時代でした。

ナンシー、モナコから日本と渡り歩いたフランス人の指揮官はイングランドでは無名で、就任を報じた「ロンドン・イブニング・スタンダード」の見出しは「Arsene Who?」。初年度を過去5年では最高の3位で終えたヴェンゲル監督は、英国系以外の選手がベルカンプしかいなかったチームにヴィエラ、プティ、アネルカ、オーフェルマウスなど高い技術を持つ有望株を獲得。1997-98シーズンには、プレミアリーグとFAカップの2冠を制し、イングランドにおける揺るぎない評価を固める第一歩を踏み出しました。

ヴェンゲル監督といえば、「栄養学に基づいた食事と禁酒の導入」「若い外国人選手の青田買い」など、今では当たり前になっていることを、先駆けて導入したフロンティアとしても有名です。この記事では、20年の長きにわたって名将が残してきた数々の偉業について、数字で振り返ってまいりましょう。

まずは「15個」。ヴェンゲル監督が、アーセナルにもたらしたタイトルの数です。プレミアリーグ優勝3回、FAカップ制覇が6回。開幕戦の1週間前に前季のリーグ優勝チームとFAカップ優勝チームで争われるコミュニティシールド勝利が6回。秋口に負傷者が多発するシーズンが多かったからか、リーグカップには1度も優勝しておりません。

最後にプレミアリーグを制したのは2003-04シーズンで、ここ数年のアーセナルサポーターは、毎年のように「今年こそプレミアリーグで勝ってほしい」と悲願達成を求めています。戦力が揃い、首位と並走している今季は、12年ぶりの戴冠を成し遂げられるでしょうか。チャンピオンズリーグとともに、ヴェンゲル監督が頂点に立てるかどうかに例年以上の注目が集まっています。

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ヴェンゲル監督の黄金時代の象徴だったデニス・ベルカンプ。3度のプレミアリーグ優勝と4度のFAカップ制覇を勝ち取っています

「無敗優勝」と「20年間5位以下なし」は偉大な業績

ヴェンゲル監督の足跡を語るうえで、この数字を外すわけにはいかないでしょう。「0」。2003-04シーズンに負けた試合の数、すなわち無敗優勝です。

ベルカンプ、アンリ、ヴィエラ、リュングベリ、ピレス、ソル・キャンベル、アシュリー・コールなど錚々たるメンバーを揃えたチームは、26勝12分と1度も負けず、2位チェルシーに11勝ち点差をつけて優勝。翌シーズンにマンチェスター・ユナイテッドに敗れて、無敗記録は「49」でストップしました。

2005-06シーズンにはチャンピオンズリーグの決勝に進出し、パリでバルセロナと対戦。前半18分にレーマンがCL決勝史上初の退場者となり、アーセナルは10人での戦いを強いられました。ソル・キャンベルのゴールで残り15分まではリードしていたアーセナルは、76分にエトオ、81分にベルッチと立て続けにゴールを許して1-2で逆転負け。ヴェンゲル監督が、最もビッグイヤー(大きな耳の形をしたチャンピオンズリーグ優勝トロフィーの呼称)に近づいたのはこのシーズンでした。

2006年にエミレーツスタジアムに移転したアーセナルは、スタジアムの多額の建設費に財政が圧迫され、ワールドクラスの選手を獲得できなくなりました。これ以降は、ヴェンゲル監督の手腕でチャンピオンズリーグ出場権を確保できるプレミアリーグ4位以内に何とか留まるシーズンが続きます。

ヴェンゲル監督の業績を象徴する次の数字は「4」です。

20年間の順位は、優勝3回、2位6回、3位5回、4位6回。リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーが次々に5位以下に転落するなかで、1度も4位を外していないのは称賛すべき記録です。

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エジル、アレクシス・サンチェス、カソルラ、コシールニー、チェフにムスタフィとジャカが加わった今季は戦力充実、優勝のチャンス

あと2年で「プレミアリーグの最多試合数監督」へ!

試合数1129、647の勝利に263の引き分け、敗戦は219、勝率57.3%。プレミアリーグ758試合は、サー・アレックス・ファーガソンの810試合に次ぐ第2位。あと2シーズン、アーセナルの指揮官を続ければ、プレミアリーグで最も多くの試合で指揮を執った監督になります。

10月19日に開催されたCLグループステージのルドゴレツ戦に勝利し、欧州の大会における100勝めという記念すべき数字も加わりました。この間、レアル・マドリードは21人もの監督を招聘しており、プレミアリーグで最も多いチェルシーが15人を解任していることを考えれば、20年という数字自体が驚異的です。ファーガソンやヴェンゲルのような監督は、もう現われないのではないでしょうか。

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「アーセンを信じてる」…昨季は退任キャンペーンもありましたが、多くのサポーターがヴェンゲル監督を支持し、エミレーツでプラカードを掲げています

昨季の終盤は、レスターに優勝をさらわれたチームにストレスを溜めたサポーターが「Time for Change(今こそ変化の時)と書かれたプラカードを掲げるキャンペーンが展開されましたが、今季悲願の優勝を遂げれば、雰囲気は一変するでしょう。

ピッチの脇に佇む泰然とした姿を、いつまでも見ていたい。そんな気持ちにさせてくれる名将です。

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