史上最高のライバル関係!フェデラーvsナダルの激闘!

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史上最高のライバル関係!フェデラーvsナダルの激闘!

スポーティ

テニスファンには胸が熱くなる出来事です。まさかこんな日が来るとは誰も予想していなかったでしょう。2017年最初のグランドスラム決勝は、ロジャー・フェデラーvsラファエル・ナダル。テニス界で一時代を築いた両者が、再びグランドスラムのタイトルをかけて対戦します。これまでグランドスラム決勝では9度(ナダルの6勝3敗)も対戦しています。今回はこれに因み、これまでに行われたグランドスラム決勝での両者の激闘について振り返ってみたいと思います。

四大大会決勝での初対戦はなんと11年前!

グランドスラムの決勝で両者が最初に対戦したのは2006年全仏オープンにまで遡ります。当時、フェデラーはすでに王者として君臨しており、前年度(2005年)の成績は81勝4敗(勝率95.3%)と圧倒的な強さを見せていました。一方のナダルも前年度の全仏オープンで19歳ながら優勝。2005年の初めは50位だった世界ランキングを2位まで上げるなど急成長を遂げていました。

直前の成績では、3大会連続でナダルの勝利。しかし、フェデラーもグランドスラム3大会連続優勝中と最強同士が対決する注目の一戦でした。

第1セットこそ早い攻めを見せたフェデラーが6-1とするものの、続く第2セットはナダルが本領発揮。コート中を縦横無尽に駆け回り、チャンスを逃さず攻め込むことでこのセットを奪取します。セットカウント1-1で迎えた第3セットは両者の攻防が続きますが、第7ゲームにナダルがブレイクしたことでこのセットもナダルに軍配。第4セットもタイブレークまで行く接戦となりますが、最後は左右深くに打ち分けたナダルがポイントを取り優勝。

ナダルはフェデラーとのグランドスラム決勝での初対決を制するとともに、クレーコートでの連勝記録を「60連勝」にまで伸ばします。

直後に行われたウィンブルドンではフェデラーがナダルを0-6, 6-7, 7-6, 3-6で退け、見事雪辱を晴らしています。フェデラーはこの勝利で驚異のウィンブルドン4連覇となりました。
ここから3年の間、全仏オープンとウィンブルドンの決勝は全てこの2人の対戦となります。

ナダルの活躍を予感させる決勝となった2007年

2007年ウィンブルドン。グランドスラム決勝で4度目の対戦となった両者が激闘を繰り広げます。前年度フェデラーはキャリア最高となる年間93勝5敗の成績を残したものの、その内の4敗がナダルに負けたものと両者の実力が拮抗しつつある時に行われた試合です。

試合は事前の予想以上に接戦となりました。フェデラーがリードを広げようとしても、すぐに食らいつき追いつくナダル。当時は今と異なりこの2人の実力が飛び抜けていたため、ホットショット連発の、まさに異次元の対決でした。

フェデラーがネットプレイやドロップショット、スライスなど多彩な攻撃を見せ、これに対しナダルはとにかく拾いまくります。ゲームを取っては取られてを繰り返し、この試合はファイナルセットまでもつれ込みました。ナダルに勢いがあり、「もしかして、芝の王者フェデラーが負けちゃうの・・?」と思いながらテレビで観戦していたのを思い出します。

試合が動いたのはフェデラーから3-2となった第6ゲーム、ナダルがサービスの時です。40-15で迎えたフェデラーのブレイクポイント。ナダルの猛攻をスライスでクロス返球すると、一気に形勢逆転。フォアハンドのダウンザラインをぎりぎりに叩き込みブレイクに成功します。雄叫びをあげるフェデラー。

ここからフェデラー優勢で試合が進み、最後はスマッシュで見事5連覇達成。試合は3時間45分にも及ぶ歴史的な死闘となりました。この大会はフェデラーの強さを再確認するとともに、ナダルがクレーコート以外でも活躍していくことを予感させる大会にもなりました。

3年連続の対決となったウィンブルドンは、テニスの歴史に残る世紀の一戦!!

最後に紹介するのはフェデラーとナダル史上最高の名勝負です。グランドスラム決勝で6度目の顔合わせとなった2008年ウィンブルドン決勝。まさに世紀の一戦と呼ぶにふさわしい激闘となりました。

この年のフェデラーは低調で、メディアから「フェデラー時代の終焉」を囁かれるほどでした(それでも四大大会中3大会で決勝まで行っています)。一方ナダルは、全仏オープン4連覇達成や芝のコートの大会で初優勝など絶好調。対照的なシーズンを送る中で迎えた一戦でした。

試合はナダルが圧倒する展開で始まります。フェデラーが唯一苦手としているバックハンド側への高い球を執拗に狙うことでミスを誘います。左利きでかつ、高く跳ねるストロークを打つナダルは、フェデラーにとって相性が悪いことが明白になった試合です。1回1回のラリーがとにかく長く、どれもスーパープレーの連発となりますが、執拗にバックハンド側を攻めたナダルが6-4、6-4で2セット連取。ウィンブルドン初優勝に王手をかけます。

ナダルの執拗なバックハンド狙いに苦戦したフェデラー。このままストレート負けかと思われましたが・・・

しかし、続く第3セット、第4セットはタイブレークの末にフェデラーが取り返します。特に第4セットのタイブレークは歴史的な名勝負となりました。ナダルリードの5-2から巻き返しを見せたものの、再びリードされ7-6でマッチポイントを握られてしまいます。これまでの展開からも多くの方の中で、フェデラーの敗北がよぎったのではないでしょうか。しかし、これで終わらないのがフェデラー。芝の王者たる所以を見せつけてくれました。スーパーショットを連発し2回のマッチポイントをしのぐと、続けざまに得点し再びタイブレークを制します。第4セットも同じく7-6フェデラー。

この勢いそのままに第5セットもフェデラーかと思いきや、ナダルは変わらずバックハンドを執拗に狙ってペースを握らせません。両者譲らず6-6までもつれ込みます。ファイナルセットにタイブレークはないため、どちらかが2ゲームを先行するまで終わりません。

その後も一進一退の攻防が続き、7-8で迎えたナダルのサービスゲーム。永遠に続くのかとさえ思われたこの長い試合はついに終わりを迎えます。カメラのフラッシュが目立つほど、辺りも暗くなり始めていました。ナダルのマッチポイント。フェデラーのレシーブを丁寧に返すナダル。フェデラーがそのボールを攻めこもうとするも、ネットにかけてしまいます。その瞬間、ナダルはその場で仰向けに倒れ込みます。ウィンブルドン史上最長となる4時間40分越えの大激戦。クレーキングが芝の王者にウィンブルドンで勝利するという記録にも記憶にも残る歴史的な瞬間でした。

これまで数々の名勝負を繰り広げてきたフェデラーとナダルも、今ではそれぞれ35歳と30歳とテニス界ではベテランの域に達しています。体力的にも不利な年齢ですが、それでも決勝まで進んだことは“奇跡”なのか、“運命”なのか。両者がグランドスラムの決勝で対戦するのは、2011年全仏オープン以来のこと。その時は、ナダルが勝利を収めていますが、今回はどちらが勝利するのでしょうか。注目の一戦は1月29日(日)日本時間17:30から開始予定です。決戦の時を今から楽しみに待ちましょう!!

(Photo by Marianne Bevis and brett marlow)

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