麻也はどうなる?ペップは補強する?プレミアリーグのCB事情

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麻也はどうなる?ペップは補強する?プレミアリーグのCB事情

スポーティ

1月18日に行われたFAカップ3回戦、引き分けによる再試合となったノリッジ・シティ戦でサウサンプトンの吉田麻也はキャプテンとしてフル出場をし、無失点でのチームの勝利に貢献しました。
ここ最近評価を高める吉田。その背景を、所属するサウサンプトン、そしてプレミアリーグ全体のCB事情を含めてレポートします。

PHOTO by Baldassi y Pezzotta

攻守ともに高評価の吉田麻也とファン・ダイク

2015-16シーズンは、21節終了時には14試合816分に出場していましたが、今季は5試合450分。数字からは、吉田麻也はレギュラーポジションから遠ざかっているようにみえますが、サウサンプトンの新指揮官クロード・ピュエルは、前任のロナルド・クーマンよりも信頼しているものと思われます。出場機会が減った最大の理由は、フランス人監督のローテーション起用。プレミアリーグでは絶対的支柱のファン・ダイクとフォンテ。ヨーロッパリーグではファン・ダイクの隣に吉田麻也を置いてフル出場させており、インテルとのホームゲームでは内外から高い評価を得ています。

EL最終節のハポエル・ ベエルシェバ戦で、追加タイムに吉田麻也が放ったヘディングシュートが50センチ右に飛んでいれば、サウサンプトンは決勝トーナメントに進出していました。プレミアリーグで下から2番めとなる19ゴールの貧攻にあえぐチームに、サポーターから「吉田麻也とファン・ダイクの2トップにすればいい」と声が挙がるほど、堅守のCBコンビはセットプレーでも脅威となっています。


FAカップ3回戦、ノリッジ・シティ戦初戦でゴールを決めた吉田

ムスタフィ、バイリー…今季はCBの当たり年!

「スカイスポーツ」のジェイミー・レドナップ氏やクラブOBのル・ティシェ氏から、「プレミアリーグでNo.1のCB」と絶賛されているファン・ダイクですが、プレミアリーグのCBは年々充実しており、とりわけ今季は当たり年です。アーセナルの最終ラインを安定させたムスタフィ、リヴァプールのクラヴァン&マティプ、マンチェスター・ユナイテッドでポグバより先にチームにフィットしたバイリー、ジョン・ストーンズの穴を完全に埋めたエヴァートンのアシュリー・ウィリアムズ。守備が不安定で開幕から7戦未勝利と出遅れたストークを救ったブルーノ・マルティンス・インディもいい補強でした。チェルシーの3バックの真ん中で守備陣を仕切るダヴィド・ルイスも忘れてはいけません。コシールニー、アルデルヴァイレルト、デヤン・ロブレンなどチームの主軸となっている顔ぶれも含め、CBの出来がチームの浮沈のカギを握っています。

さて、この冬の移籍市場では、どのチームがCB補強に動くでしょうか。年明け早々に話題になったのは、サウサンプトンのコンビでした。ヨーロッパリーグに出場できなかった主将ジョゼ・フォンテが移籍志願しているとクラブが認め、ファン・ダイクにはマンチェスター・シティ移籍の噂があります。この夏にプレミアリーグに降臨したペップ・グアルディオラは、頼みのコンパニが負傷続きで、鳴り物入りで加わったジョン・ストーンズはミスを連発。左SBのコラロフをコンバートして耐えているものの、不安定なGKと最終ラインがネックとなり、開幕6連勝の後は7勝3分5敗と停滞しています。ファン・ダイクを獲得できれば課題は解決しそうですが、フォンテがチームを離れることが決まれば、セインツはもうひとりのCBは必死で守るでしょう。ペップは夏まで待つか、他のCBに目標を切り替えるかの選択を迫られそうです。

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エヴァートン時代は若手ナンバーワンといわれたジョン・ストーンズは、マンチェスター・シティ移籍後は自信喪失気味(PHOTO by @cfcunofficial)

後半戦の吉田麻也はレギュラー奪取のチャンス!

夏にフォンテ獲得を熱望していたといわれるマンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督は、冬にはDFは獲らないと明言しており、33歳のCBの行き先は未だ見えていません。「デイリー・ミラー」はクロップ監督が狙っていると報じましたが、リヴァプールにはマティプ、クラヴァン、デヤン・ロブレンがおり、このポジションの補強には動かないのではないかと思われます。トップクラブにニーズがなければ、フォンテは海外に活躍の場を求めるのではないでしょうか。そうなると、吉田とファン・ダイクしかいないセインツは、ポルトガル代表CBの後釜探しに動くでしょう。現地メディアが名前を挙げているのは、リヴァプールで出番を失っているママドゥ・サコです。

プレミアリーグではフォンテの控えだった吉田麻也は、ライバルがサコならレギュラーポジションを奪取できる可能性が高まります。昨季はクロップ監督のサッカーを消化できず、不振のままシーズンを終えたサコは、ドーピング問題やオフシーズンのキャンプ追放などトラブル続きで試合から遠ざかっています。セインツ入団が決まったとしても、トップフォームに戻るまでに時間が必要でしょう。吉田麻也にとっては、スタメン起用が増えてきた今が、さらなるアピールのチャンスです。

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吉田の元チームメイト、リバプールのデヤン・ロブレン(PHOTO by Kamran Hussain)

3バック流行で、CBにコンバートされる選手が急増

さて、ここまで本職のCBについて紹介してきましたが、3バックを導入するチームが増えた今季は、SBやMFからのコンバート組にも注目です。チェルシーのアスピリクエタ、ストークのグレン・ジョンソン、マンチェスター・シティのコラロフがSBから中央に寄せられたCB。トッテナムが3バックで戦うときは、中盤の底でプレイするエリック・ダイアーが下がってきます。ウェストハムは、一時期MFのクヤテを後ろで起用していたのですが、今はコリンズ、ウィンストン・リード、オグボンナが並ぶようになりました。

コンバート組のなかから最も素晴らしい選手を挙げろといわれれば、堅守チェルシーの主軸を担うアスピリクエタでしょう。ダヴィド・ルイス、ケーヒルと連携した的確なラインコントロールと堅実なマークは、秋からCBをまかされた選手とは思えません。相手が下がれば敵陣に攻め上がり、21節のレスター戦では正確なクロスでマルコス・アロンソの先制点を演出しました。コンテ監督は、アスピリクエタの器用さを見抜いて、今や最強となった3-4-3へのフォーメーション変更を決断したのではないかと思います。

最後に、後半戦に期待の若手CBを紹介しましょう。大器といわれながら、負傷で1年以上の長きにわたってチームを離れていたボーンマスの23歳タイロン・ミングス。堅守ミドルズブラの最終ラインを仕切る23歳のベン・ギブソン。エヴァートンが3バックで戦う際に、右のCBで活きのいいプレイを見せる20歳のメイソン・ホルゲート。地味ながら、チームの命運を握るCBたちのプレイにも注目すれば、プレミアリーグがますます楽しくなるのではないでしょうか。

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コンテ監督のコンバートに見事に応え、チェルシーの3バックを支えるアスピリクエタ(PHOTO by Aleksandr Osipov)(PHOTO by @cfcunofficial)


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