彼らはその後、どうなる?チェルシーからレンタルされた38人を追跡!

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彼らはその後、どうなる?チェルシーからレンタルされた38人を追跡!

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トップ画像:PHOTO by thearcticblues

他クラブにレンタルされた選手は、何と38人!

ジャイアントキリング続出だったFAカップ5回戦。カンファレンス・ナショナル(5部相当)所属のリンカーンがプレミアリーグのバーンリーをつぶし、ボーンマスとワトフォードに勝って上がってきたリーグ1(3部相当)のミルウォールは、昨季プレミアリーグ王者のレスターに競り勝ちました。そしてもう1チーム、チャンピオンシップ所属のハダースフィールドは、マンチェスター・シティ相手にゴールを許さずスコアレスドローで再試合が決定。このゲーム最大の驚きは、プレミアリーグ昇格を争うハダースフィールドが、リーグ戦優先の姿勢を明確にして2人のアタッカーを先発から外したことでした。

チームトップの10ゴールを挙げているカチュンガと、チェルシーからレンタル移籍で加入したイジー・ブラウン。シーズン前半戦はロザラムに貸し出され、20試合3ゴールと冴えなかったブラウンは、年明けから新チームに合流するとレギュラーを勝ち取り、7試合3ゴールと結果を出しています。彼は、チェルシーに戻ってトップチームで活躍できるのでしょうか。17歳のときにU-21の試合に呼ばれていたチェルシーユース出身の逸材でも、青いユニフォームに身を包んでアザールやジエゴ・コスタとともにプレイできる可能性は高いとはいえません。イギリスメディア「デイリー・メール」が昨年9月に調べたところによると、チェルシーが他クラブにレンタルしていた選手は38人もいるのですから。


イジー・ブラウンはハダースフィールド入団後、すぐにレギュラーを奪取(PHOTO by S.Plaine)

クラブに復帰できるのはひと握り!?

チェルシーからレンタル移籍した38人は、ロイク・レミーとクアドラードを除けば全員25歳以下。リストを見ると、大きく3つのタイプに分かれることに気づきます。「即戦力として獲得したものの、構想から外れた選手」「ユースで頭角を現し、いずれは主力として活躍してほしい選手」「青田買いで獲得し、他クラブで経験を積ませて使えそうならクラブに呼び戻す選手」。構想外には、クリスタル・パレスに出されたロイク・レミーのほかに、シャルケ04のアブドゥル・ラーマン・ババ、フィテッセのマット・ミアズガがいます。ワトフォードで出場機会を得られなかったケネディは1月にクラブに戻り、FAカップ4回戦のブレントフォード戦で久しぶりにチェルシーの選手としてピッチに立ちました。この試合では、ボーンマスでの活躍が評価されて呼び戻されたMFナタン・アケも顔を見せています。即戦力として期待されていた選手は、チームに居場所なしとなれば、他クラブに売りに出されます。「新しいチームに慣れる時間」などと悠長なことはいっていられません。


「チェルシーのために戦う準備ができていた。プレシーズンマッチでもプレイしたのに」とアヤックスレンタルに落胆したベルトラン・トラオレ(PHOTO by Arturo Pardavila III)

FAユースカップは3連覇、UEFAユースリーグも連覇したチェルシーは、欧州最強レベル。近年のユース出身組には、楽しみな選手が揃っています。出世頭は、ボルシアMGでレギュラーポジションを獲得したデンマーク人CBアンドレアス・クリステンセン。22試合9ゴールのルイス・ベイカーと18試合で4ゴールを挙げたナタンのフィテッセコンビも、チェルシーのトップチームに復帰するかもしれません。レンヌで頭角を現したジェレミー・ボガは、スペインのグラナダで活躍中。チャンピオンシップのブリストルで31試合19ゴールと才能を見せつけているタミー・アブラハムは、ひと足先にフィテッセから戻ったドミニク・ソランケと若手ストライカーNo.1の座を競うことになるのでしょうか。リーガ・エスパニョーラのベティスで経験を積んだムソンダは、この冬呼び戻されており、プレミアリーグで出番を増やしているチャロバーやロフタス=チークとともに、レギュラーの一角に食い込む戦いを始めています。昨季チェルシーで10試合に出場しながらアヤックスに出され、落胆していたベルトラン・トラオレも、負傷離脱がありながら15試合5ゴールと奮闘。次のシーズンはこのバトルに加わるはずです。


足元のうまさと決定力が評価されているドミニク・ソランケは、次世代を担う逸材(PHOTO by CFC Unofficial (Debs))

天才バンフォードは、ついに放出

「青田買い組」で注目は、2013-14シーズンにフィテッセで11ゴールを挙げたブラジル人FWルーカス・ピアゾンと、17歳のときにチェコのシグマ・オロモウツからやってきたトマス・カラシュのフラムコンビ。ピアゾンは先日のカーディフ戦でアゴを骨折してしまいましたが、9月からの22試合5ゴールはまずまずの結果です。レギュラーとして活躍したカラシュは、もう23歳で、ロフタス=チークらと戦えるかは微妙なところ。2012年にノッティンガム・フォレストから入団し、2014-15シーズンにチャンピオンシップで17ゴールを挙げた「天才」パトリック・バンフォードが結局伸びずにミドルズブラに完全移籍したように、カラシュも次のクラブを選ぶことになるかもしれません。

2014年の夏にハイドゥク・スプリトからチェルシー入りしたマリオ・パシャリッチは、エルチェ、モナコで修業した後、今季はミランにレンタル移籍。11月からレギュラーに抜擢されており、今後が楽しみな選手です。とはいえ、これだけの数のタレントが欧州各地で修業しているチェルシーゆえ、誰が残れるかは予測不能。少なくとも、国内最強クラブのトップチーム入りが狭き門なのは間違いありません。果たして、来季は何人がプレミアリーグに登場するのでしょうか。「未来のジョン・テリー」たちの動向に注目しましょう。

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