スポーツ中の心臓突然死ゼロを目指して ライフセーバー飯沼誠司の想い

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スポーツ中の心臓突然死ゼロを目指して ライフセーバー飯沼誠司の想い

スポーティ

「(家の中で家族が倒れることなどが)自分の身に起きたとして、AEDがどこにあるか考えてみてください。」

そう問いかけるのはライフセーバーとして活躍する飯沼誠司さん。
飯沼さんは、先月東京ビッグサイトで開催された「ヘルスケア&スポーツ 街づくりEXPO」内にて、「AEDの正しい使い方を学び、命を大切にする心を考える講習会『いのちの教室』」を行いました。

AEDの普及率に比べ、使用率が低いのが日本の現状

飯沼さんによると日本にAEDが導入されてから12年が経った現在、全国に設置されているAEDの数は約70万台。これは世界でもトップクラスの所持数だそうです。しかし、まだまだその使用率は低いというのが現状。そのため、飯沼さんが代表理事を務める「アスリートセーブジャパン」では、アスリートの発信力を活かしてAEDの使い方を広める活動を精力的に行っています。

「アスリートセーブジャパン」の活動目的は主に2つ。多くの人が実際にAED等を使えるようにすること、アスリートがアスリートを守れるようにすることです。実際に、前者は小学校やスポーツイベント等でAEDの使い方を指導する『いのちの教室』という形で、後者は様々なスポーツ界のアスリートをアンバサダーとして迎え、各々のフィールドで発信してもらうという形で行われています。

実際に「アスリートセーブジャパン」では、『いのちの教室』というAEDの使い方を指導する講習会を小学校やスポーツイベント等様々な場所で開催。同講習会では、同時にたくさんの人がAEDの使い方を学ぶことが出来るように、より簡単に扱えるトレーニングツールを使用しています。

飯沼誠司さん「スポーツ中の心臓突然死をゼロに」

今回、「アスリートセーブジャパン」の想いや目標について、講演を終えた後の飯沼さんに話を聞いてみました。

—「アスリートセーブジャパン」の活動を行う際、特にどんなことを重要視しているのでしょうか?

『いのちの教室』を通じて、命のことを考えるきっかけになればいいと思っています。年間7万人が倒れる中で、AEDが使われるケースは4.5%ととても少ないのが現状です。それはAEDに無関心な人が多いからだと思っています。この活動を通じてちょっとずつでも関心を持ってもらうことが重要だと考えています。そのためにも、しっかりとした知識を持ったアスリートが教えることが重要だと考えています。

—関心を持ってもらうために、例えばどのようなことをしているのですか?

『いのちの教室』を学校で開催した際には、児童に家で保護者に伝えてもらって、その保護者に感想を書いていただくところまで行っています。そうすることで子供を通じて、その家族まで関心を持っていただけるようにしています。

—そもそも飯沼さんはどうして「アスリートセーブジャパン」を始めようと思ったのでしょうか?

僕がこれまでプールや海でライフセーバーの活動を行ってきて、ルールを守っていないのは大人だと感じていました。例えば、海に遊びに来てお酒を飲みながら騒いで溺れていたり。大人がそういう行動していては子供に対して示しがつかないなと。こうした自分たちのことだけを考えている大人が多いことに、違和感を感じていたんですよね。そういった中で、人が人を救う社会を作るためにどうすればいいのかを考えていました。その結果がこの活動に繋がっています。
こういった活動を行うことで、(人が人を救う社会が)オセロがひっくり返るように広がっていけたらと思っています。

—アスリートセーブジャパンの今後の活動について聞かせてください

まずはこれからも『いのちの教室』の講演活動を行っていきます。それから、これは中長期的目標になるのですが、アスリートセーブジャパンとして「スポーツ中の心臓突然死をゼロにする」というのを目指してやっています。各クラブや競技団体には、競技のレベルアップだったり、売り上げを上げるといったこと以前に、AEDの使い方など救命措置を知っていることがまず前提にあってほしいです。

「全部一人でやろうとする必要はない」

もし突然人が倒れる場面に遭遇した際には、周りを巻き込んで行動することが重要だと飯沼さんは言います。具体的には、誰が救急車を呼ぶのか、誰がAEDを探してくるのか、誰が心臓マッサージを行うのかなどを瞬時に判断し、周りの人に指示を出すことが必要になります。アスリートセーブジャパンでは、こうした緊急時の救命活動に必要な計画を「エマージェンシーアクションプラン」と呼んでおり、『いのちの教室』等でその指導も行っています。

また、緊急時の備えとして日頃から出来ることとして、

最寄りのAEDを確認することなどが挙げられますね。今では位置を確認できるアプリも出ていますので、そういったものを活用して欲しいです。


と飯沼さん。確かに、自分の家や、今いる場所の近くでどこにAEDがあるのかを把握している人はほとんどいないのではないでしょうか。周りで不幸が起きないことが一番ですが、心臓突然死などは突発的に誰にも起こりうるもの。備えあれば憂いなしというように、最寄りのAEDの位置を知っておいても損はないはずです。飯沼さんが言うとおり今では手軽に検索出来るので、少しでも関心を持った人は今すぐにでも調べてみてください。

最後に、飯沼さんからメッセージをいただきました。

こういった活動に興味のある方は、ぜひボランティアやいのちの教室に参加していただきたいです。なにもトップアスリートではなくてもいいので、スタッフや保護者などスポーツにかかわる人であれば誰でも歓迎しています。連絡お待ちしています!


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