バスケをもっと楽しく観る豆知識 Bリーグ プレーオフセミファイナルの展望:バスケをもっと楽しく観る豆知識6

Bリーグ プレーオフセミファイナルの展望:バスケをもっと楽しく観る豆知識6 WATCH

バスケをもっと楽しく観る豆知識 Bリーグ プレーオフセミファイナルの展望:バスケをもっと楽しく観る豆知識6

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こちらの記事で試合の展望を紹介した、バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」のプレーオフ(Bリーグでは「CHAMPIONSHIP」という)。先週末には準々決勝(クォーターファイナル)が行われ、ベスト4が出揃いました。準々決勝では波乱はなく、全ての対戦で上位チームが勝ち上がる順当な結果となりました。

今回は、プレーオフの準決勝「セミファイナル」(2戦先勝方式)の見どころをお伝えしたいと思います。引き続き難しい内容ではなく、初心者でもわかりやすく楽しめるポイントを紹介します。

川崎ブレイブサンダース(レギュラーシーズン1位)対アルバルク東京(同4位)

2つのチームには共通点が多くあります。ブレイブサンダースは元東芝、アルバルクは元トヨタと、ともに実業団リーグ時代から存在する古参チームです。また過去に数回優勝している強豪チームであり(ブレイブサンダースは昨シーズンの優勝チームでもある)、日本代表や有望な外国人選手を多く抱えるエリートチーム同士でもあります。

この対戦は、「バスケ版多摩川クラシコ(JリーグのFC東京と川崎フロンターレの対戦の呼称)」と捉えて観てみるのはいかがでしょうか? 
ブレイブサンダースは名前の通り川崎をホームタウンとし、ホームアリーナは川崎フロンターレの本拠地等々力陸上競技場と同じ敷地内にあるとどろきアリーナです。

一方アルバルクは東京と名乗っていますが、元は東京府中を中心に活動しており、FC東京の本拠地である調布市の味の素スタジアムと地理的に近い関係にあります。多摩川を挟んでチームとチーム、街と街の威信をかけた戦いと捉え、ぜひおらが街のチームを応援してみてください。

ブレイブサンダースのエースの1人、辻 直人選手。神奈川出身ではないが、青山学院大学出身。学生時代はお隣相模原で汗を流していた。ミスター川崎と呼んで差し支えないだろう

もう1つの見所は、どちらが点取り合戦を制するかという点です。レギュラーシーズンの成績を見ると、ブレイブサンダースは全体1位(84.3点)、アルバルクは全体4位(81.4点)の平均得点を誇ります。どちらも攻撃力のあるチームですが、点の取り方が少し違います。

ブレイブサンダースはアシストでもレギュラーシーズン1位の成績を残しており、チーム全体で点を取ることに長けています。前回の記事で紹介した絶対的スコアラー、ニック・ファジーカス選手にマークが集中するというのも周りが点を取りやすいポイントとなっています。準々決勝では2試合とも二桁得点者が5人と、どこからでも点を取る多彩さが垣間見えます。一方アルバルクは日本のプリンス田中 大貴選手、NBA出身のディアンテ・ギャレット選手どちらかがボールを長く保持して戦います。

元NBA選手のギャレット選手をノセてしまうとブレイブサンダースは危険だ

ファジーカス選手以外の得点が伸びてきたらブレイブサンダースのペース、田中・ギャレット両選手の得点が伸びてきたらアルバルクのペースで試合が進むかもしれません。お互いのチームがどのように得点を伸ばしているかをチェックしながら観ると、より深くこの試合を楽しめるかもしれません。

栃木ブレックス(同2位)対シーホース三河(同3位)

ブレックスは2007年にチームが発足した若いチームながら、1試合平均の観客動員数が全体の2位を記録する人気チーム。シーホースは前身リーグを含め優勝多数の超強豪です。

この対戦の見どころでも、日本バスケ界のアイコンである田臥 勇太選手が挙げられます。準々決勝で対千葉ジェッツ戦では、田臥の後継者と目される富樫 勇樹選手とのマッチアップが見どころでした。ノリにノッていた富樫選手でしたが、ベテラン田臥選手率いるブレックスに惜敗。

次に迎え撃つのが、シーホースの比江島 慎選手です。比江島選手は高校時代から注目されていた現日本代表の中心選手。身長は190cmと田臥選手よりも遥かに高いですが、大柄ながらドリブルやパスのスキルに優れ、田臥選手と同じポイントガードのポジションでもプレイする次世代プレイヤーです。レギュラーシーズンでは平均12.9点、3.4アシストを記録しており、得点が必要な勝負どころで次々とシュートを決める様を称した「比江島タイム」は一見の価値があります。日本代表を背負っている新旧の司令塔の出来が、勝負を決する鍵になりそうです。

もう1つ、以前の記事で紹介したXファクターを見どころとして探してみましょう。レギュラーシーズンから、プレイオフに入って成績をジャンプアップさせた選手を探してみると、下記2名が見つかりました。

  • ブレックス=遠藤 祐亮選手
    レギュラーシーズン:平均7.6点
    プレイオフ:平均10.5点
  • シーホース=柏木 真介選手
    レギュラーシーズン:平均2.8点、平均1.2アシスト、平均約15分出場
    プレイオフ:平均5.0点、平均4アシスト、平均約24分出場

遠藤選手はブレックスの下部組織から這い上がった苦労人で(ちなみにイケメン選手としても話題になっています)、主にディフェンスでの貢献を期待されて起用されていました。ところがプレイオフでは平均3点も成績を上げ、チームの勝利に貢献しました。シーホースには比江島選手のほか、日本人得点ランキング1位の金丸選手もいます。シーホースの攻撃陣を抑えるタスクも担うことになる遠藤選手の攻守両面での活躍が勝利にはかかせません。

ブレックスの遠藤選手。勝利に導くXファクターになれるか

シーホースの柏木選手は、現在35歳の大ベテラン。身長183cmで鋼のような身体を持つポイントガードで、日本代表としての経歴もあり、近年の日本バスケ界を引っ張ってきた選手の1人です。プレイオフに入り出場時間を大幅に増やし、経験豊富なベテランの持ち味を発揮しています。短期決戦では優秀なベテランが頼りになります。このままのパフォーマンスを発揮し続ければ、チームは大崩れする心配はなさそうです。

シーホースの柏木選手は代表での経験も豊富

決勝戦出場をかけた熱い戦いは今週金曜日から。一度観たらハマってしまうこと間違いなしです!

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