難病のサッカー少年・秋也君のために野球選手“そっくりさん”が動いた

難病のサッカー少年・秋也君のために野球選手“そっくりさん”が動いた SUPPORT

難病のサッカー少年・秋也君のために野球選手“そっくりさん”が動いた

スポーティ

埼玉県新座市在住の小学6年生、菊地秋也(きくちしゅうや)君は『拘束型心筋症』という原因不明の難病と闘っています。

秋也君はサッカーが大好き。入院先の日本大学板橋病院に、サッカー日本代表・原口元気選手(ヘルタ・ベルリン)が訪問した際には、多くのメディアに取り上げられました。

ドナー待ち、膨大な費用…。心臓移植手術の前に立ちはだかる壁

『拘束型心筋症』とは、心臓の心室が硬くなり、十分に膨らむことができなくなる難病。原因は明らかになっておらず突然死のリスクも高いと言われています。

秋也君は発病から5年以上にわたり可能な限りの治療をしてきました。しかし徐々に心臓の機能は低下しており、秋也君を救うためには、半年以内の心臓移植手術が必要とされています。

2010年、日本でも15歳未満の子供の臓器移植が可能になりましたが、秋也君には国内でドナー(臓器提供者)を待っている時間がありません。そのため、医療関係者の協力を得て、アメリカにある『アーカンソー小児病院』で秋也君の受け入れ、移植手術ができる体制を作りました。

それでも海外での移植手術は容易ではありません。渡航費・手術費・滞在治療費など、個人では負担できない膨大な費用がかかります。そこでできたのが『秋也くんを救う会』。募金活動をはじめとした秋也君を支援するための活動を行っています。

原寅徳監督が秋也君と『錦糸公園ものまねプロ野球』をつないだ


支援の輪が広がる中、6月24日・7月1日に『錦糸公園ものまねプロ野球』に所属する“そっくりさん”たちが錦糸町駅前で2時間の募金活動を行いました。

原辰徳ならぬ『原寅徳』さんや、大道典良(現ソフトバンクコーチ)ならぬ『大道ノリ良し』さんら数人のメンバーは、埼玉・川口駅前、南越谷駅前などでの募金活動に参加していましたが、“チーム”で行うのは初めて。しかも原さん、大道さん以外は、今回(6月24日)が人生初の募金活動です。

秋也君と『錦糸公園ものまねプロ野球』をつないだのは『原寅徳』監督でした。



「今年の4月、私の知っているお店で開催した『お花見会』で、たまたま『秋也くんを救う会』で活動をされている方とお会いし、初めて話を聞きました。その日はどうやってお手伝いをするかといった話はしませんでしたが、秋也君の住む新座市は、家内の出身地ということもあり、その後も気になっていたんです。

すると数日後、募金活動に参加してほしいというオファーをいただきました。
それから徐々に『ものまねプロ野球』の仲間にも話をして、先日初めて募金箱を試合の場に持って行きました。

今も取材をしてもらっているように、こうやってメディアに出る機会のある人間は、ボランティア活動に拍車をかけることができるんです。微力かもしれませんが“塵も積もれば山となる”で、大きな力になっていくと感じているので、活動を継続していこうと思います」

ひとりひとりが抱く秋也君への思い

「秋也君の心臓移植のために募金活動を行っております」「よろしくお願いします!」「ありがとうございます!」と、メンバーの中で一際大きな声を出していたのが『大道ノリ良し』さん。闘病生活を送る秋也君の逸話を教えてくれました。



「秋也君は一日に500ml以上の水分を摂取してはいけないんです。しかも、夜中にどうしても水が飲みたくなったら困ると言って、150mlはいつも残しているそうです。どれほどつらいことなのかと思い、僕も同じことを試してみましたが、半日すら耐えられませんでした。それを小学6年生の秋也君が約半年も続けているなんて。

入院しているからお母さん、お父さんと一緒に暮らすこともできない…。この状況から早く抜け出して、元気になって、家に帰れるようにお手伝いできることはやりたいと思っています」

大道さんは数年前、お母様を突然亡くされた経験があります。

「突然というのは、何もしてあげられない。何かできる状況にあるのなら、してあげたいじゃないですか。半年あると思わず1日でも早く」

“半年”が短いという考えは、この人にもありました。巨人の高橋由伸監督に似ている『高橋よしのB』さんです。



「半年なんてあっという間ですよ。だって半年前に何をしていたか覚えていますよね? あっという間に時間は過ぎていくものだから、ちゃんと生きていかなきゃいけないなと日々思っています。

募金活動は、原寅徳さんから話を聞いて「決して他人事ではない」と感じたので参加させてもらいました。

1か月前、妹に子供が生まれたんです。すごくかわいくて、子供っていいなって思います。“宝”ですよね。秋也君もこれから中学生・高校生になって、大人になっていく宝です。それを大人が守らなければいけないと思います。
秋也君が1日でも早く手術ができるように僕ができることはやっていきたいです。元気になったら楽しいことがたくさん待っているでしょうから」

森野将彦選手(中日)の“そっくりさん”『もしもマサヒコ』さんは、新座市の隣、所沢市在住。仕事で新座に行くことも多いのだとか。募金活動参加への気持ちを独特の例えで話してくれました。



「僕、ヒーローものが好きなんです。特に好きなのは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』。『ゴーゴーファイブ』は戦うだけじゃなく、人の命も救うヒーローなんです。ただ戦うだけだったら正義じゃないんですよね。

僕らも、ただものまねをやっているだけではありません。人のためにできることがあるのなら、こういう活動も続けていきたいです」


「清宮(幸太郎)君だ!」と言って募金箱にお金を入れてくれる人が多くいたことについて、“そっくりさん”の『リトル清宮』さんは、しみじみと語ってくれました。




「ありがたいですよね。本物じゃないけど、身元がわかっているから安心感があるのかもしれません(笑)。今日はみなさんの温かい気持ちに触れることができて、本当によかったです。これで秋也君が元気になって、またサッカーができるようになればいいなと思いながら(募金活動を)やっていました」

街頭の募金活動で集まった金額は、6月24日が93,397円、7月1日が80,009円。加えて募金活動後に行われた試合の対戦チームも募金をしてくださったそうです。

桑田真澄さん(元巨人)の“そっくりさん”『桑田ます似』さんは、『錦糸公園ものまねプロ野球』の代表。募金活動が終わってからも集計、そして試合の準備と大忙しです。そんな中、初めて募金活動を行った感想を聞かせてくれました。




「こんなに集まるなら、僕らがやる価値があると思いました。前に話した『自分たちの存在意義』を確かめられたというか…。金額的には今日の400倍頑張らなきゃいけないけど、あと400組の人たちが同じように募金活動をしてくれたら、すぐに達成できます。そこに僕らの募金活動に少しでも影響を受けた人がいてくれたらいいですね」
(6月24日の段階で目標金額の1億2700万まで残り約4000万)。

ます似さん、原寅徳さんをはじめ、実際に秋也君に会ったメンバーはいません。でも、ます似さんはこう言い残してグラウンドへ駆け出しました。

「寅徳さんを通じて秋也君と知り合えたのは、偶然ではなく必然なのかなと思っています。祈ることしかできないけど、成功する気がしています!」



ものまね プロ野球 秋也君