何人が活躍!?イングランド最強ユース代表選手たちの前半戦総括

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何人が活躍!?イングランド最強ユース代表選手たちの前半戦総括

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U-20ワールドカップ、U-19欧州選手権で優勝、U-21欧州選手権ではベスト4進出と2017年の夏は、イングランドのユースチームの強さが話題になりました。プレミアリーグやチャンピオンシップのクラブに所属する各世代の選手達は、その後のリーグ戦でどんな活躍を見せているのでしょうか。
メイン写真クレジット(PHOTO by Sven Mandel)

ロシアのゴールマウスはピックフォード!?

最年長のU-21代表には、プレミアリーグの強豪クラブで、レギュラーとして活躍する選手が集まっています。中でも最も多くの選手が招集されたクラブは、4人招集されたサウサンプトンFCです。

U-21の代表で主将を務めたジェームズ・ウォード=プラウズは、2012-13シーズンに17歳でプレミアリーグデビューを果たし、2017年までに154試合に出場しています。そして2016年の夏に、ノリッジ・シティFCから来たネイサン・レドモンドは、初年度から37試合7ゴールとレギュラーとして活躍をしました。今季は、21試合ノーゴールとフィニッシュを決められずにいるものの、左サイドからの切れ味のあるドリブルは未だ健在です。又CBのジャック・スティーブンスは、日本代表の吉田麻也やオランダ代表のウェズレイ・フートと共にCBのレギュラー争いに加わっています。そして最後に、SBのマット・ターゲットは、今季出遅れたものの年末のハダースフィールド戦で先発出場しており、後半戦の巻き返しが期待されます。

では、最も評価が高い選手といえば、サンダーランドからエヴァートンに3000万ポンド(約46億円)で移籍したGKジョーダン・ピックフォードが挙げられるのではないでしょうか。守備が不安定なクラブで孤独な闘いを強いられている守護神は、リーグ戦22試合をフル出場しています。イングランドフル代表のエースGKジョー・ハートは、出場機会を減らしており、その為ワールドカップロシア大会のゴールマウスに立つのがピックフォードになる可能性は十分にあります。

チェルシーからスウォンジーにレンタルされたタミー・アブラハムは、12試合までに4ゴールを決めて注目されたものの、その後目立った結果はでていません。レスターのドリブラー、デマライ・グレイと将来性を高く買われているSBチルウェルは、マフレズ、オルブライトン、フクスといった代表クラスの選手と争い、先発の機会を増やしています。後半戦のブレイクを期待したいのは、膝の手術を受けたワトフォードのナサニエル・チャロバーです。フル代表にも呼ばれたことがある元チェルシーのMFは、2月上旬に復帰予定となっています。パスセンスと的確な攻め上がりで、マルコ・シウヴァ監督のチームの中盤を活性化してくれるはずです。

U-21代表のエースストライカー、タミー・アブラハムはブリストルにレンタルされた昨季チャンピオンシップで24ゴールの荒稼ぎ(PHOTO by Solent Creatives)

優勝の立役者ルックマンとソランケはブレイクなるか!?

世界一に輝いたU-20のチームは、エヴァートンFCから4人が選ばれました。ベネズエラと戦った決勝で唯一のゴールを決めたカルヴァート=ルーウィンは、プレミアリーグ22節まで全試合出場で3ゴールとレギュラーに定着しました。スピードで勝負することが多いアタッカーは、ルーニーやシグルズソンとの連携の質が上がれば、フィニッシュに絡むプレイが増えてくるでしょう。
SBジョンジョ・ケニーも先発13試合と頭角を現している一方で、韓国の大会で、優勝の立役者となった快足ドリブラーのアデモラ・ルックマンは、出場7試合中6試合が途中出場と低調に終わっています。エヴァートンFCの20歳トリオは、シーズンに入って明暗が分かれています。

さらにもう一人、忘れてはいけないのが、エヴァートンからノッティンガム・フォレストに貸し出されたキーラン・ドゥウェルです。昨季のチャンピオンシップで、降格ラインぎりぎりの21位だったチームで8ゴールをゲットしたドゥウェルは、前半戦におけるクラブ最多得点者となります。10月28日のハル・シティ戦ではハットトリックを達成しており、アーセナルを4-2で下したFAカップ3回戦ではダメ押しのPKを決めています。ノッティンガム・フォレストを中位に浮上させる原動力となっている20歳のMFは、次のシーズンはエヴァートンに戻ってプレミアリーグでブレイクすることになるかもしれません。

不振のエヴァートンの最前線で体を張り続けたカルヴァート=ルーウィンは、得点力UPが課題(PHOTO by Ardfern)

その他のクラブに目を移すと、アーセナルの左SBに抜擢されて評価を上げているメートランド=ナイルズと、チェルシーからリヴァプールに移籍したドミニク・ソランケも注目株です。WB、SB、2列目と前も後ろもこなせるメートランド=ナイルズは、ヨーロッパリーグが再開する後半戦は、さらに重要な役割を担うことになるはずです。
U-20ワールドカップで大会MVPだったソランケは、クロップ監督に大事に使われており、なかなか決まらないプレミアリーグ初ゴールをゲットすれば、一気にブレイクする可能性を秘めています。ボーンマスで中盤に定着しつつある代表の主将ルイス・クックや、トッテナムからアストン・ヴィラにレンタルされて22試合4ゴールという数字を残しているジョシュア・オノマーも、先々はイングランド代表に常時呼ばれる選手になるかもしれません。

2016年8月20日のカーディフ戦で16歳のセセニョンが決めたゴールは、2000年代生まれのイングランド人初ゴールでした(PHOTO by Nick)

ビッグクラブのセセニョン争奪戦は過熱必至!

U-19の最注目選手は、何といってもフラムFCの左サイドバックのライアン・セセニョンです。2016-17シーズンに、16歳でトップチームデビューを果たした「ベイル2世」は、25試合5ゴールというサイドバックらしからぬ数字を残し、夏の移籍市場で話題になりました。プレミアリーグのTOP6が争奪戦を繰り広げるも、出場機会確保を重視した本人は残留を決意しました。今季は26試合終了時点で昨シーズンを上回る7ゴールを決めており、来夏もオファーが殺到することになりそうです。

カラバオカップ4回戦のノリッジ戦で2ゴールを決めたアーセナルのFWエンケティア、レンタル先のフィテッセでレギュラーの座をつかみつつあるU-19ユーロ大会最優秀選手のチェルシーMFメイソン・マウントも楽しみな存在です。

同世代の頂点に立ったU-20とU-19の選手達は、5年もすればイングランド代表のレギュラーポジションを上の世代から奪取しているかもしれません。活躍する選手が増えそうな後半戦は、今まで以上に若手に注目しながらプレミアリーグやFAカップを観戦するのもおもしろいのではないでしょうか。