スポーツ界から多様性を発信。LGBTQ+を支援するアスリートがパレードで行進

スポーツ界から多様性を発信。LGBTQ+を支援するアスリートがパレードで行進 SUPPORT

スポーツ界から多様性を発信。LGBTQ+を支援するアスリートがパレードで行進

スポーティ

NPO法人プライドハウス東京は、2025年6月7日(土)~8日(日)に東京・代々木公園で開催された日本最大級のLGBTQ+関連イベント「Tokyo Pride 2025」に出展しました。パレードではLGBTQ+を支援するアライアスリートと学生・企業がともに行進、スポーツ界から多様性を発信しました。

プライドパレードで、スポーツを軸に行進


「Tokyo Pride 2025」は過去最大の約27万人の動員数となりました。
全60梯団・約1万5千人が参加したプライドパレードで、プライドハウス東京は各地から集まったアライアスリートや学生・ユース、協賛企業とともに行進しました。

アライアスリート*としては、柔道元アテネ・北京五輪金メダリストの谷本歩実さん、元サッカー選手の下山田志帆さん、現役フェンシング(リオ・東京五輪出場)の徳南堅太さん、現役パラパワーリフティング(2022日本代表)・元パラカヌーの中嶋明子さん、そして15人制ラグビー元日本代表選出(2019年)・横河武蔵野アルテミ・スターズ所属で、プライドハウス東京スポーツ担当理事の村上愛梨ら参加。
また、協賛企業としては、スポーツ庁の事業支援やプロスポーツ団体にコンサルティングサービスを提供するEY JapanやNTT株式会社なども参加しました。

すべての命が平等な権利を持つべきという意味が込められた「Same Life, Same Rights」がイベント全体のテーマだった今年、プライハウス東京は「アライアスリートの輪を広げよう!」と記されたメッセージボードやレインボーフラッグを掲げ、参加者や沿道の人々に声をかけあいながら行進し、スポーツ界から多様性を発信しました。

*アライ(ally)とは、「同盟、味方」などを表す言葉。LGBTQ+当事者の味方としてともに行動する人たちを総称してアライといい、LGBTQ+当事者もアライになることができます。アライアスリートは、そのようなアライであることを公言し、スポーツ界から社会を動かすアクションを一緒にしていくアスリートです。(プライドハウス東京サイトより引用)

スポーツ×LGBTQ+に関する資料を設置

ブースでは、団体紹介の展示やLGBTQ+とスポーツに関する情報をまとめた資料や冊子を掲示。学生やスポーツ企業、競技団体・プロチーム関係者などスポーツに携わる様々な立場の方が訪れました。また、「あなたにできる小さな一歩って?」をテーマにしたメッセージ企画やスタンプラリーなども実施しました。

アライアスリートからのコメント


谷本歩美氏:スポーツ界で全てのアスリートがパフォーマンスを最大限発揮できる環境づくりに繋げたいと思い参加しましたが、アライアスリートがプライドイベントに参加することで、応援して応援される「応援の循環が広がる社会」に繋がると感じました。今後も、アスリートのパフォーマンススキルを活かして、競技力向上や人間力につながる活動の輪を広げていきたいと思います。



下山田志帆氏:パレードで歩いているときに「アスリートだって!」「スポーツでもアクションしてるんだね」と沿道から声が聞こえてきました。アライのアスリートが存在している事実を、生身の姿を通して伝えること自体にパワーがありますし、とても嬉しかったです。
一方で、アライのアスリートになること自体にハードルを感じているアスリートも多そうなので、今後はアライアスリートたちが、ハードルを感じることなく、カジュアルに楽しく関われる活動をもっと増やすことで、その輪を広げていきたいと思っています。



中嶋明子氏:アライアスリートとして活動する上で、LGBTQ+当事者の現状を知りたい、そして、どういう課題がありどのような支援が期待されているのか、当事者ともっと深い議論をしたいと思って参加しました。しかし、参加するだけでは意味がなく、様々な立場、考えをもつ個々人が本音で対話していくことで、お互いにありのままで幸せに生きていくための道を模索できる機会になると感じました。それはLGBTQ+当事者と非当事者の関係だけでなく、健常者と障がい者の関係も同じことだと思います。
LGBTQ+は区別し出すとキリがありません。時には区別される中でどう幸せを探すかという考えもありますが、レインボーパレードでは世の中にある様々な区別に関係なく、一体感を感じることができる貴重なイベントでした。今後も様々なコミュニティに関わりながら、「ヒト」としての自己肯定感がお互いに高め合えるように活動していきたいです。



村上愛梨氏:私自身、今回初めてパレードを歩きましたが、沿道から手を振ってくれる方たちのあたたかい笑顔を見たとき、思わず胸がいっぱいになり「アライである」という姿勢がこんなにも自然に、優しく受けとめられていることに、込み上げてくるものがありました。そしてその経験をアライアスリートの仲間たち、そして協賛企業のみなさんと一緒に経験し「ともに歩く」ことが出来たことに、すごく大きな意味と力を実感できました。これからも、もっとたくさんの人たちと「ともに」いられるように。誰もが自分らしくいられる場を広げていけるように。そんな願いを込めて、今後も活動を続けていきたいと思います。

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