ハイバー・ローバーって何?スクワットのフォームの違いと鍛えられる筋肉を紹介!
DOハイバー・ローバーって何?スクワットのフォームの違いと鍛えられる筋肉を紹介!
筋トレを行っている方の多くが、足を鍛えるためにスクワットを取り入れているのではないでしょうか。スクワットは、バーベルを担いでしゃがみこみ、そこから立ち上がるトレーニングです。
スクワットは、太ももの筋肉を鍛えられるトレーニングと考えている方が多いかもしれません。しかし、スクワットはフォームによって鍛えられる筋肉が異なってきます。スクワットのフォームは、大きく分けて「ハイバー」と「ローバー」という2つがあります。
今回は、この2つのフォームは一体どのようなものか、フォームの違いにより鍛えられる筋肉がどう違ってくるかを紹介していきます。
スクワットのハイバー・ローバーとは??
スクワットには、ハイバー・ローバーの2つのフォームがあります。まずは、これら2つのフォームの違いについて紹介します。
この2つのフォームの違いは、バーベルを担ぐ位置です。ハイバーは、高い位置でバーベルを担ぐフォーム、ローバーは、低い位置でバーベルを担ぐフォームです。
ハイバーは、首の根っこや僧帽筋あたりにバーを乗せて、その状態からかがんでいきます。それに対し、ローバーは肩の上や三角筋後部(肩の後ろ)あたりにバーを乗せ、その状態でかがんでいきます。
ハイバー・ローバーなんていう名前がついていますが、バーをかつぐ位置が違う、というだけです。しかしこの位置の違いが、トレーニングに大きく影響してきます。
それではバーの位置の違いにより、どのような違いが生じてくるのでしょうか。
ハイバー・ローバーではバーの重心の位置が異なる。
ハイバー・ローバーは、バーをかつぐ位置が異なるだけと思われますが、その違いにより、バーの重心の位置が異なってきます。バーの重心の位置が変わると、フォームにどのような影響がでるのでしょうか。
スクワットでしゃがみこむ際には、バーが体の外側に行ってしまわないように制御する必要があります。スクワットを行う際には、足で体を支えています。
支えている足とバーの重心が一直線にあれば、うまく体を支えられますが、バーがその直線から外れると、重力の影響を受け、体が前方、あるいは後方に回転してしまい、それを食い止めるために余分な力が必要となります。
それではハイバー、あるいはローバーのフォームではバーの重心はどのようになっているでしょうか。
ハイバーの場合は、立っている状態で、バーの重心がちょうど支えている足の真上に来ます。そのため、なるべく上体を起こしながらしゃがむことで姿勢を安定させ、無駄な力を使わずにしゃがみこむことができます。
一方ローバーの場合は、肩の後ろにバーをかつぐので、直立した状態だとバーの重心が支えている足の後方にあり、そのままだと後ろに倒れてしまいます。そのため、スタートの姿勢は、少し前かがみになった姿勢となります。
そこからしゃがみこむ際に、バーの重心を支えている足の真上で維持しようとすると、お尻を突き出し、前かがみにしゃがみこむような姿勢になります。
バーを持つ位置が異なると、バーの重心の位置が変わり、重心が足の真上にくるように維持するために、しゃがみこむ姿勢が変わってくるということです。
姿勢が変わると使われる筋肉も変わってくる
ここまで、ハイバー・ローバーではバーの重心の位置が異なり、ハイバーでは上体を起こしながら、ローバーでは前かがみになるようにしてしゃがみこむことで、バーの重心の位置を足の真上に保てる、ということをお話してきました。
しゃがみこむ姿勢が変わってくると、使われる筋肉も異なってきます。結論から述べると、ハイバーでは足の前側、大腿直筋や大腿四頭筋などが鍛えられ、ローバーでは足の裏側、ハムストリングスや大臀筋といった筋肉が鍛えられます。それではどうしてこのような違いが生じるのでしょうか。
ハイバーの場合は上体を起こしたまましゃがみこむので、バーの重心の位置と膝との距離が大きくなります。一方ローバーの場合はお尻を突き出して前かがみにしゃがみこむので、バーの重心と膝との距離は小さくなっています。
ダンベルを両手に持ち、肘を伸ばしたままゆっくりと横にあげると実感できますが、ダンベルが体から離れれば離れるほど、肩にかかる力が大きくなります。
これと同じで、バーの重心と膝との距離が大きければ大きいほど、膝を伸ばすための力、つまり大腿四頭筋が発揮する力は大きくなります。つまり、ハイバーでは大腿四頭筋が主に使われます。
ローバーの場合は、膝とバーの重心との距離が短い分、お尻とバーの重心との距離が大きくなります。そのため、お尻を伸ばすための大臀筋やハムストリングス、といった筋群が主に使われます。
ハイバー・ローバーと聞くとただバーを持つ位置が違うだけ、と思ってしまいますが、それにより使われる筋肉も違ってきて、トレーニング効果などにも影響が及びます。
太ももの筋肉を鍛えたいのに、今まで肩の後ろあたりでバーをかついでいたり、そもそもバーを持つ位置を気にしたことがなかった、という方は細かいことかもしれませんが、少し意識してみましょう。