九州に新リーグが発足!九州アジアプロ野球リーグ
WATCH九州に新リーグが発足!九州アジアプロ野球リーグ
今季から新たな独立リーグが発足しました。所属するのは、大分を本拠地とする大分B‐リングスと熊本を本拠地とする火の国サラマンダーズです。現在は2球団のみですが、四国アイランドリーグplusや琉球ブルーオーシャンズ、福岡ソフトバンクホークスの三軍と試合を行い、今後は球団数を増やしていく構想もあります。今回は発足1年目の同リーグを紹介します。
■公式HP>>https://bfk.or.jp/
国内5つ目の独立リーグ
今年3月27日、新たに九州アジアプロ野球リーグが開幕しました(本来の開幕予定日が雨天中止のため)。現在活動している独立リーグとしては、昨年発足した北海道ベースボールリーグに続き日本では5つ目の独立リーグになります。ちなみに、九州にはかつては四国アイランドリーグplusの福岡レッドワーブラーズ、長崎セインツの2球団が存在した時期もありました(当時のリーグ名は四国・九州アイランドリーグ)。
今シーズンは2球団のみですが、今後は、堀江貴文氏による、堀江貴文氏による新球団が参入を予定しているなど、九州各地に新球団の参入が計画されています。
現在は2球団のみでのリーグ戦となっていますが、四国アイランドリーグplusや琉球ブルーオーシャンズ、福岡ソフトバンクホークス三軍との試合も交流戦として組まれており、まずまずの試合数が組み込まれています(但し、四国への遠征はなく、琉球ブルーオーシャンズとの試合は沖縄県の他に宮崎県でも開催)。レベルの高い対戦相手にも恵まれているといえます。
火の国サラマンダーズは福岡ソフトバンクホークスなどで活躍した細川亨監督が率い、大分B‐リングスは巨人などで活躍した廣田浩章監督が率いています。
また、同リーグでは延長戦になった場合、最大12回までとして10回以降はタイブレークを採用しています(一死満塁から選択打順制)。独立リーグでタイブレークを採用するのは同リーグが国内初です。
可愛いマスコットがお出迎え、熊本
2016年の熊本地震で損傷した天守閣の復旧が今春終了したばかりの熊本城。ところどころに崩落した時のものと思われる石垣が山積みになっています。リブワーク藤崎台球場はそんな熊本城公園の一角にあり熊本県を代表する球場です。
火の国サラマンダーズは公式チアユニット「サリーズ」と「サリーズJr.」によるダンスやイベントなど試合前から盛りだくさん行っています。また、愛らしい球団マスコットの「さら丸」もチアユニットと一緒にダンスやイベントで球場を盛り上げています。
現在はまだコロナ禍ということもあり、鳴り物の使用や大声での応援こそできないものの、場内では選手応援用のBGMが随時流され「ベースボールパーク」という言葉がピッタリです。
筆者が球場にいた日もまずまずの来場者数があり賑わっている印象を受けました。交流戦も含めて火の国サラマンダーズは現時点で1試合平均601人、大分B‐リングスは362人の来場者を集めています。(7月1日現在)
INFORMATION
火の国サラマンダーズ
https://salamanders.jp/
大分B‐リングス
https://oitabrings.jp/
元カープの小窪選手も加入
小窪哲也選手
6月6日、リブワーク藤崎台球場での火の国サラマンダーズと大分B‐リングス10回戦の試合前には5月のMVPを受賞した石森大誠投手(火の国サラマンダーズ)のセレモニーが行われました。
この試合では、火の国は打線がつながり足を絡めて効果的に得点をし、また投手も源隆馬投手、武内未来投手、そして最後はセーブがつかない場面ながらクローザーの石森投手が大分打線を3人で抑え5‐1で快勝しました。
翌7日の試合でも水本大志選手のホームランなど打線が爆発し長短打合わせて11安打、これに対して大分打線は4投手の前に2安打のみ、8‐1で火の国が圧勝しました。
この前日(6日)に元広島東洋カープの小窪哲也選手が入団し、この7日からチームに合流しました。試合前、小窪選手はファンの前で「熊本のために全力で頑張りたい」と挨拶し、7回二死から代打小窪が告げられると球場内は大きな拍手で沸きました。
そして、ライト前へベテランらしい渋いヒットを放ち、大量得点のきっかけを作りました。赤を基調としたユニフォームでプレーする小窪選手を見るとカープ時代を思い出させます。NPBを目指す若い選手たちだけではなくNPB復帰を目指すベテランにも注目です。
九州の注目選手たち
石森大誠投手
現在2球団だけの公式戦は、火の国サラマンダーズが11勝4敗と大分B‐リングスを大きく引き離しています。また交流戦(四国アイランドリーグplus各球団、琉球ブルーオーシャンズ、福岡ソフトバンクホークス三軍)は火の国サラマンダーズが6勝3敗1分けと善戦しているのに対し、大分B‐リングスが2勝5敗と苦戦しており、明暗が分かれた形となっています。現在のところ、活躍が期待できる選手は火の国サラマンダーズの選手が中心になります。
投手では5月のMVPに輝いた石森投手は安定感がありますが、やはり先発陣が揃っている点も見逃せません。源隆馬投手、松江優作投手、宮澤怜士投手と防御率トップ3を火の国サラマンダーズが独占しています。
投手陣が元気なだけではなく打撃陣も好調を維持しています。髙山凌選手、河添博司選手、安井勇輝選手と打率が3割前後の野手も勢揃いしています。また元・横浜DeNAベイスターズの吉村裕基選手(コーチ兼任)も手強い存在です。
この中でも1番セカンドで出場している髙山選手は積極的に走り、10盗塁は現在トップです。火の国サラマンダーズは全体的に走ってくる選手が多い中、髙山選手の走塁技術は上手く、得点に結びつきます。守備も難なくこなし打撃も好調で走れる髙山選手はまだ24歳、これからが楽しみです。
なお、個人成績には交流戦の結果も反映されています。
※ 記録・成績は7月1日現在