ルートインBCリーグ、ドラフトを目指す選手たち

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ルートインBCリーグ、ドラフトを目指す選手たち

スポーティ

6月下旬に後期が開幕し、2か月近くになろうとしています。ルートインBCリーグに在籍する選手たちにとって気になるのは、優勝争いとともに、ドラフトで自分が指名されるか否かだといっても過言ではないでしょう。そんなリーグで、NPBを狙えそうな選手をADVANCE‐West(西地区)の選手を中心に紹介します。

復活を目指す投手


滋賀ユナイテッド 高井ジュリアン投手

今季は開幕以降負けが込み、なかなか勝ち星に恵まれなかった滋賀ユナイテッドですが、後期に入り、若干流れは変わってきました。前期はわずか5勝しかできませんでしたが、後期はあと1か月を残し既に5勝をあげました。

そんなチームも、先日高岡西部球場で行われた8月8日の富山GRNサンダーバーズ戦4回戦で、7月に信濃グランセローズから移籍してきた高井ジュリアンが初先発しました。今季は不調もあり、移籍するまでの信濃グランセローズでは4試合に登板しただけでしたが、移籍後初のこの登板では、立ち上がりから伸びるストレートに変化球を混ぜ8回を散発5安打3失点に抑えました。また、適度に打者を三振に取っていきました。今季は抑え役をこなすロレンゾ・アキメデスが、最後の9回を抑え5‐3と「快勝」といって差し支えない勝ち方で勝利を収めました。

投手陣が、打ち込まれ大量得点を許し負けるという試合展開が多かった滋賀ユナイテッドですが、このような勝ち方をできる投手が必要です。また、高井ジュリアンにとってもいい内容で勝てたのは、本格的に復帰していく上で自信になったはずです。1996年生まれの22歳、昨季は投手部門のMVPにも選出されました。まだまだNPBを狙うことはできます。

リーグを代表する投手陣


福井ミラクルエレファンツ 園田彪投手

各チームともエースに相応しい投手を擁しています。もちろん抑えの切り札もおり、勝ちパターンはあります。

福井ミラクルエレファンツは、園田彪が防御率は、3.26とまずまずですが、今季7勝を稼いでいます。濱田俊之(防御率3.53 8勝3敗)と2人で計15勝をあげています。そして抑えには、イム(6セーブ 防御率2.73)がいます。

石川ミリオンスターズは、永水豪(防御率3.36 9勝1敗)が大黒柱のような存在ですし、終盤になれば藤岡雅俊(3勝5セーブ)が抑えの切り札の役割を果たします。

富山GRNサンダーバーズでは、先発を乾真大(防御率2.11 13勝3敗)、助っ人のラミレス(防御率2.61 6勝4敗)らがこなし、そして抑えは、佐藤宏樹(防御率2.89 20試合に登板)が担います。乾は、完投も2つあり、頼もしい存在です。佐藤は、試合終盤、得点差にかかわらず、登板することが多く、現在のところセーブはついていません。

信濃グランセローズは、先生俊成(防御率2.76 3勝1敗)に山﨑悠生(防御率3.71 2勝1敗1セーブ)が、そして抑えに、斎藤英輔(防御率3.41 34試合に登板し2勝12セーブ)がいます。

ここであげた投手のうち、日本ハムや巨人などでプレーした乾真大(富山GRNサンダーバーズ)、外国人選手(福井ミラクルエレファンツのイム、富山GRNサンダーバーズのラミレス)を除く8人は、ドラフト候補の当確線上にいるといっていいでしょう。ただ、濱田俊之(福井ミラクルエレファンツ)、斎藤英輔(信濃グランセローズ)は、年齢的にドラフト対象となるか否かは微妙なところです(濱田は26歳、斎藤は27歳)。これ以外の6人に絞ると、実績と伸びしろの両面で充分候補となりえます。


石川ミリオンスターズ 永水豪投手

野手も好打者そろい

野手でも期待できる選手はいます。福井ミラクルエレファンツでは、片山雄哉(打率.320 本塁打13)、清田亮一(打率.371 本塁打8)、松本友(打率.307 本塁打4)、荒道好貴(打率.341 本塁打6)らです。片山、清田はともに捕手で登録されていますが、清田は専ら一塁の守備につきます。また、松本が先頭打者で、片山、清田、荒道でクリーンナップを担います。

石川ミリオンスターズでは、宮沢和希(打率.347 本塁打6)、神谷塁(打率.245 本塁打1 盗塁29)、入谷直登(打率.297 本塁打0)らがいますが、とりわけ神谷のような走れる選手がいるのも特徴です。

富山GRNサンダーバーズでは、海老原一佳(打率.320 本塁打8)、長尾駿(打率.277 本塁打3)、高山亮(打率.267 本塁打0)ら、当たれば怖い打者がそろっています。

信濃グランセローズは、新村涼賢(打率.354 本塁打2)、船﨑星矢(打率.287 本塁打8)の他、ポロ(打率.358 本塁打17)がいます。西地区で最も打線が当たっているチームです。ポロはドラフト対象ではありませんが、東北楽天イーグルスでプレーしていただけあり、走攻守全て秀でており、再びNPBでプレーできるのではないかと思えるほどです。

これらの野手(ポロを除く)12人は、ルートインBCリーグでも実力を付けつつあり、NPBは狙えますが、この中でも清田亮一(福井ミラクルエレファンツ)、神谷塁(石川ミリオンスターズ)、海老原一佳(富山GRNサンダーバーズ)、船﨑星矢(信濃グランセローズ)の4人が実力、将来性の両面で最もNPBに近いのではないかと思われます。

後期の優勝争い

ADVANCE‐West(西地区)は、前期の優勝を逃した富山GRNサンダーバーズが首位を行き、その後ろを前期優勝の福井ミラクルエレファンツが、更に僅差で石川ミリオンスターズ、信濃グランセローズが続きます。滋賀ユナイテッドは最下位ですが既に前期と同じ5勝をあげ、且つそのうちの2つが首位の富山GRNサンダーバーズから奪い取るなど、台風の目のような存在となっています。

ADVANCE‐East(東地区)は、群馬ダイヤモンドペガサスが首位(前期も同チームが優勝)、3.5ゲーム差で福島ホープスが、更に3.0ゲーム差で3位に栃木ゴールデンブレーブスがつけています。

優勝争いだけではなくNPBを目指す選手たちの熱い戦いがまだまだ続きます。

※記録・成績は8月12日現在