大学野球秋季リーグ情報2024
WATCH大学野球秋季リーグ情報2024
大学野球の各秋季リーグの優勝が決まり、神宮大会を残すのみとなりました。今回は関西地区の各リーグと優勝校を紹介します。また、番外編として東海地区大学野球連盟の岐阜県リーグと愛知大学野球連盟について少し触れたいと思います。
関西学生野球連盟
>>関西学生野球連盟
優勝 関西学院大 2季連続17回目
今秋季リーグでは近畿大の追撃をかわした関西学院大が逃げ切り優勝しました。関西学院大は勝ち点5、10勝2敗2分け、近畿大は勝ち点3、7勝5敗1分け、春季リーグでは最下位だった立命館大は勝ち点3、8勝6敗と勝ち越し、そして関西大、同志社大、6位に京都大という順位になっています。京都大は2勝9敗、立命館大から勝ち点を奪うなど秋季リーグでしぶとく面白い野球をしています。
関西学院大は百合泰祐投手(4年 桐朋)らが奮闘し、両井大貴選手(4年 履正社)や福谷宇楽選手(2年 社)ら好調な打線が支えている印象があります。また、近畿大の勝田成選手(3年 関大北陽)、立命館大の竹内翔汰選手(4年 創志学園)らも同リーグにおいて非常に当たっている打者がいます。
なお、星取表、各試合結果及び表彰選手は下記のとおり
>>令和6年度 関西学生野球連盟 秋季リーグ戦
10月24日に開催のNPBドラフト会議では関西大の金丸夢斗投手(4年 神港橘)が中日ドラゴンズに1位指名されました。秋季リーグでは調整しながらの登板だったためイニング数が限られましたが、これまで十分な実績があり実力もある投手です。プロでも思う存分投げてもらいたいですね。
関西六大学野球連盟
優勝 大阪商業大 6季連続23回目
今秋季リーグを制したのはまたも大阪商業大です。優勝争いは大阪経済大とで行われました。優勝決定は最後の直接対決まで持ち越され、3回戦までもつれました。しかし、終わってみれば大阪商業大は勝ち点5、10勝2敗、続いて大阪経済大の勝ち点4、9勝4敗、3位が勝率5割の龍谷大、そして4位が勝ち点2の京都産業大、5位が勝ち点1の大阪学院大、6位が勝ち点0で神戸学院大となっています。
大阪商業大の強さはなんといっても選手層の厚さでしょう。投手では星野世那投手(2年 近江)、鈴木豪太投手(3年 東海大静岡翔洋)の二枚看板を筆頭に、野手では渡部聖弥選手(4年 広陵)、春山陽登選手(2年 敦賀気比)らを中心にしっかりと結果を出しています。そして、NPBのドラフト会議では渡部選手が埼玉西武ライオンズから2位で、岡田晧一朗投手(4年 智辯学園)が福岡ソフトバンクホークスから育成9位で指名されています。
大阪経済大は今秋季リーグも大阪商業大の連覇を阻止できませんでしたが、林翔大投手(4年 乙訓)や柴﨑聖人選手(4年 岐阜第一)らの存在が大きかったといえます。
阪神大学野球連盟
>>阪神大学野球連盟
優勝 天理大 8季連続27回目
今秋季リーグも天理大が優位に首位争いを展開し、リーグ戦を制しています。10月13日の大阪産業大戦で天理大は打線が爆発、投げては長野投手が打線を抑え、10対0(8回コールド)で勝利し優勝が決定しました。
星取表及び各試合結果は下記のとおり
>>阪神大学野球連盟 2024年 秋季リーグ戦 【1部】
天理大は的場吏玖投手(2年 大阪電通大高)、長野健大投手(4年 松商学園)というエース級の投手が存在し、石飛智洋選手(4年 出雲西)を筆頭に打線も当たっており、投打が噛み合った非常にバランスの取れたチームです。ここ数年は天理大が他校を一歩引き離しているといっていいでしょう。
表彰選手は下記のとおり
>>2024秋季リーグ表彰選手
今年のNPBのドラフト会議にて、甲南大の岡本駿投手(4年 徳島城南)が広島東洋カープから3位で指名されました。岡本投手は秋季リーグでは6試合に登板し2.19の防御率を残しています。9月7日の大阪産業大戦でも先発し7イニングを投げ被安打5、無失点に抑えるなど好投しています。広島東洋カープには森浦大輔投手や石原貴規選手ら同リーグ出身の選手も在籍しています。一軍で活躍できる選手を目指してもらいたいですね。
今秋季リーグでは最下位に終わった関西国際大。10試合を行いわずか2勝に終わっています。これまでに翁田大勢選手や伊原正樹選手らプロ選手を排出した名門です。これまで9度優勝していますが2020年秋季リーグ以来優勝から遠ざかっています。今回は入替戦に挑み大阪電気通信大に2勝1敗、辛うじて1部残留。来季の奮闘が期待されます。
天理大は関西五連盟第一代表として神宮大会に出場します。
近畿学生野球連盟
>>近畿学生野球連盟
優勝 奈良学園大 2020年秋季リーグ以来45回目
今秋季リーグは奈良学園大が久々に制し、王座に返り咲きました。近年は同リーグのレベルも上がってきており、毎回優勝校及び順位が変わるのが特徴です。そんな同リーグは奈良学園大が10勝2敗、次いで2位は7勝6敗の神戸医療未来大、3位には勝率5割の阪南大、4位は2部から昇格してきた大阪工業大、5位が和歌山大、6位が大阪観光大という順位になっています。
今回優勝の奈良学園大は、松林克真選手(3年 履正社)や森大輔選手(2年 市立和歌山)といった打てる選手が主軸に座っていることに加えエースの八木唯斗投手(2年 福井工大福井)の存在が強さの要因だといえます。しっかりと接戦をモノにするといったしぶとい試合展開をした結果の優勝です。今後の同リーグの首位争いにも注目です。
なお、入替戦の結果、大阪観光大に代わって大阪公立大が1部昇格を決めています。
京滋大学野球連盟
>>京滋大学野球連盟
優勝 佛教大 3季連続62回目
秋季リーグの優勝争いは最後の最後までもつれ、佛教大が連続優勝しています。今回はびわこ成蹊スポーツ大が佛教大と首位争いを繰り広げ、3位に終わった京都先端科学大も終盤まで優勝の可能性は残るなど熾烈な争いになりました。花園大も善戦し7勝7敗の五分で4位、そして明治国際医療大が勝ち点1の4勝で5位、滋賀大がわずか1勝で入替戦に挑んだものの1部残留を決めています。
佛教大はびわこ成蹊スポーツ大や京都先端科学大との試合こそ苦戦しましたが、投手陣の層も厚く、勝負強い試合をしています。
今回躍進のびわこ成蹊スポーツ大の立役者は、新川朝耶投手(4年 履正社)、そして中井将太郎投手(4年 京都成章)という両投手の力があったといっていいでしょう。新川投手は10月14日の花園大戦にて先発、10回(10回よりタイブレイク)まで154球を投げ4対1で勝利に貢献しています。140キロ台のストレートを持ち12の三振を奪っています。
最優秀選手には佛教大の小谷慈温選手(3年 花園)、最優秀投手及びベストナインには同じく佛教大の赤木春哉投手(3年 天理)、敢闘賞には新川投手が選出されています。
佛教大は関西五連盟第二代表として神宮大会に出場します。
番外編
●東海地区大学野球連盟岐阜県リーグ
優勝 中部学院大
2位 岐阜聖徳学園大学
東海地区大学野球連盟には岐阜県、静岡県、三重県の各リーグがあり、それぞれリーグ戦を行っています(下部リーグはない)。今回は岐阜県リーグを紹介します。
岐阜県リーグは7校が加盟しており、ここ数年は中部学院大が優位にリーグ戦を進め、ここに岐阜聖徳学園大や中京学院大が絡む展開になっています。
秋季リーグは、中部学院大が11勝1敗と独走し、2位の岐阜聖徳学園大と3ゲーム差を離して優勝しています。中京学院大は6位に終わっています。
中部学院大は宮島拓斗投手(4年 興国)や高井琉翔投手(2年 武儀)らが好投、また佐藤孝昭選手(3年 市立岐阜商)を筆頭に当たっている打撃陣が多いのが特徴です。
同連盟では、各県リーグが終了後、連盟一を決める東海地区大学野球選手権大会が開催され、今回の秋季は10月25日から三重県のダイムスタジアム伊勢球場で行われました(優勝校は神宮大会出場権を賭けて東海地区王座決定戦に出場)。
三重県リーグからは優勝の中部学院大と2位の岐阜聖徳学園大学が出場。岐阜聖徳学園大学は初戦で静岡県リーグ2位の日本大国際関係学部に敗れ敗退。中部学院大は三重県リーグ優勝の皇學館大に5対3で勝利すると決勝で静岡県リーグ優勝の静岡産業大に6対1で快勝し、東海地区大学野球連盟の頂点に立っています。
●愛知大学野球連盟
>>愛知大学野球連盟
優勝 名城大 昨年秋季リーグ以来15回目
今秋季リーグは混戦となり、勝ち点3で4校が並ぶも勝率差で優勝が名城大、2位が愛知学院大、3位が中部大、4位が愛知工業大、そして5位が中京大、6位が東海学園大の順になっています。
名城大は9月28日の中京大戦にて、岩井天斗投手(4年 享栄)が140キロ台のストレートに変化球を混ぜて7回を9安打4失点に抑えるも味方打線の援護がなく、4対3で敗れています。
また、10月24かに開催のNPBドラフトにて、愛知工業大の中村優斗投手(4年 諫早農)が東京ヤクルトスワローズから1位指名されています。
なお、名城大は北陸・東海三連盟代表として神宮大会に出場します。