独立リーグ 終盤編
WATCH独立リーグ 終盤編
独立リーグの各リーグは終盤を迎え、総合優勝チームが決まりつつあります。優勝チームが参加する独立リーググランドチャンピオンシップは、9月30日から愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで3日間、開催予定です。
今回は、四国アイランドリーグplusと日本海リーグを紹介します。
首位争い、後期も徳島インディゴソックスがリード
6月後半に始まった後期戦、現在のところは徳島インディゴソックスが2位の高知ファイティングドッグスに3ゲーム差をつけ首位を走っています。3位には愛媛マンダリンパイレーツ、4位に香川オリーブガイナーズと続きます。
前期も優勝の徳島インディゴソックスは、後期も順調に勝ち星を重ねています。高知ファイティングドッグスの追撃をかわし、リーグ戦も大詰めの現在、非常に有利な展開になっています。9月7日現在、徳島インディゴソックスにマジック2が点灯しています。
かつて常勝チームだった香川オリーブガイナーズは、前期に続き最下位沈んでおり首位争いにさえ加われない点が気がかりなところです。
四国アイランドリーグplusのチャンピオンシップは、9月22日から24日まで3戦の予定で開催されます。徳島インディゴソックスと後期優勝チームの対戦が予定され、初戦と第3戦が徳島インディゴソックスのホーム、むつみスタジアムでナイター開催されます。ただ、後期も徳島インディゴソックスが制した場合、年間勝率2位のチームと対戦することになります。
>>年間総合優勝決定戦 「トリドール杯 チャンピオンシップ」開催日程について
ドラフトを前に奮闘する選手たち
NPBドラフトは10月26日に開催されますが、四国アイランドリーグplusにもドラフトに向けて必死にアピールする選手たちがいます。
まず、徳島インディゴソックスの白川恵翔投手と井上絢登選手から紹介します。
白川投手は今季4年目の22歳。今季はこれまでのところ14試合に登板し4勝2敗、防御率3.25をマーク。8月19日の香川オリーブガイナーズ戦で先発し約150キロのストレートを駆使しわずか3イニングを2安打、3奪三振でぴしゃりと抑えています。現在の奪三振数67はリーグ5位と要所で打者を三振に打ち取る力を持っています。
一方、井上選手は打率.313ながら本塁打13本は断トツのトップ(2位は同じく徳島インディゴソックスの角井亮太選手の6本)です。長打力のある選手ですが、俊足で足も活かすことのできる選手(盗塁13はリーグ4位)です。走攻守そろった井上選手は最も破壊力のある先頭打者です。
また、徳島インディゴソックスの主軸打者である柏木寿志選手、増田将馬選手の両選手は果敢に走ってくるため塁に出すと非常に手強い選手です。増田選手は現在、盗塁35とリーグトップ、柏木選手は19でリーグ2位。投手力や打撃力だけではなく機動力も使える選手が複数いることが徳島インディゴソックスのチーム力が高い理由なのかもしれません。
次に香川オリーブガイナーズから2人紹介します。
河合幸輝投手と石田啓介投手です。
河合投手は天理大から入団した今季1年目の23歳です。今季24試合に登板し、防御率は3.09ながら完封勝利一つを含む8勝は同チームで最も多い勝利数を稼ぎ出しています。今後の成長が見込める投手です。
石田投手は今季5年目の27歳です。香川オリーブガイナーズのクローザー的な役割を果たすことが多く8つのセーブを記録しています(防御率は3.46)。上のステージでの活躍を期待したい選手の一人です。
ソフトバンクホークス交流戦は3軍戦に加えて4軍戦も
今季もNPBとの定期交流戦として各球団と福岡ソフトバンクホークス三軍との試合が組まれています。
今年は非常に暑い夏になりましたが、7月23日の香川オリーブガイナーズと福岡ソフトバンクホークス三軍による8回戦は、デーゲームにもかかわらず香川県高松市のレクザムスタジアムには246人のファンが集まり、熱心なホークスファンの姿も見ることができました。
試合はホークスが加藤洸稀投手、香川オリーブガイナーズが伊藤駿吾投手の先発で始まりました。香川オリーブガイナーズはホークスの4人の投手陣の前にわずか6安打1得点にとどまり、またホークス打線には長打を含む13安打を許し、5-1で敗れています。ホークスは高橋順平投手が3番手投手として1イニングを投げ無失点で抑えています。
また、今季からソフトバンクホークスが導入した4軍との交流戦も各球団と6試合ずつ別途組まれています。但し、この交流戦は非公式戦扱いになっています。
8月5日に坊っちゃんスタジアムで開催の愛媛マンダリンパイレーツと福岡ソフトバンクホークス4軍の3回戦。愛媛マンダリンパイレーツは玉置隼翔投手はじめ6人の投手を投入。これに対しホークスは大竹風雅投手ら4人の継投で対戦。結果は4-0で愛媛マンダリンパイレーツが完封し、緊迫した試合が繰り広げられました。降雨のため途中40分程度中断しましたが、ホークスファンを含む熱心なファンが百人程度、最後まで試合を見届けました。
2チームでのリーグ戦
今季2リーグで発足した日本海リーグ。シーズン40試合ですが、これをターム1からターム3に分け、各タームで勝率を上回ったチームにポイント1を与え、ポイント2つを獲得すると優勝というシステム(独立リーググランドチャンピオンシップに出場)になっています。なお。ターム1とターム2がそれぞれ15試合、ターム3が10試合となっています。
そして、ターム1は富山GRNサンダーバーズが8勝6敗1分けでポイントを獲得、ターム2は石川ミリオンスターズが9勝5敗1分けでポイントを獲得しています。現在、ターム3は、5試合を残した段階で富山GRNサンダーバーズが5勝0敗と一方的にリードし、独立リーググランドチャンピオンシップに向けて有利な展開になっています。
選手たちの熱い戦い
富山GRNサンダーバーズの好調の要因として、先頭打者を務める松重恒輝選手が打撃好調なこと、また今釘勝選手が3割台後半の打率で1,2番コンビを組むこともあるからです。さらに、俊足の武部拓海選手(盗塁12はリーグ2位)もおり、足を絡めた攻撃ができるのも特徴です。
また、投手では今季1年目の大谷輝龍投手が8月27日の試合に中継ぎで登板し、157キロの球速を記録するなど目覚ましい見せています。現在、12試合に登板し1勝、防御率は3.18という成績を残しています。
一方、石川ミリオンスターズでは、香水晴貴投手がびわこ成蹊スポーツ大から入団の今季1年目ながらすでに11試合に登板。8月12日にも先発し6イニングを2失点に抑え好投。現段階で3勝をあげるなど実力をつけつつあります。
石川ミリオンスターズの1、2番コンビの阿部大樹選手、杉崎蒼太選手も同チームで最も当たっている打者です。打線がつながれば得点力もあり期待できるチームです。
8月13日の試合では、6-5と1点リードされた石川ミリオンスターズは9回、DHを解除するも二死満塁で投手に打順がまわりました。ここで選手兼任である後藤光尊監督が代打で打席に入るという非常に珍しいシーンがありました。結果は、後藤選手兼任監督はフルカウントから執念で押し出しの四球を選び、同点(試合は引き分け)に持ち込みました。現在、後藤監督の試合出場はこの1打席のみです。
2チームだけとはいえ毎試合白熱したレベルの高い戦いが行われており、稀に珍しい試合展開を見ることができるのも独立リーグの醍醐味だといえます。
9月20日の18時からは、石川ミリオンスターズと埼玉西武ライオンズとの交流戦が金沢市民球場で予定されており、現在、前売り入場券も発売されています。
>>埼玉西武ライオンズ(ファーム)とのNPB交流戦 前売り入場券の販売を開始!
ちょうど日本海リーグの優勝が先日、富山GRNサンダーバーズに決まりました。
※記録・成績は9月7日現在
2023年9月19日追記
徳島インディゴソックスが後期優勝し、年間勝率2位の愛媛マンダリンパイレーツと総合優勝をかけて争います。