独立リーグ 序盤編2024

独立リーグ 序盤編2024 WATCH

独立リーグ 序盤編2024

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今年も九州アジアリーグが独立リーグで最も早く開幕。その後も各地のリーグが続々と開幕していきました。今回は、九州アジアリーグと四国アイランドリーグplusの序盤戦の模様を紹介します。

九州アジアリーグ

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九州アジアリーグは3月15日、熊本市のリブワーク藤崎台球場で火の国サラマンダーズが宮崎サンシャインズを迎えて開幕しました。今季、火の国サラマンダーズは荒西祐大投手が監督代行兼任を務めます。

火の国サラマンダーズは松江優作投手、宮崎サンシャインズは有水龍投手がそれぞれ開幕投手。この試合では火の国サラマンダーズが初回にモタ選手の本塁打が出ると打線が爆発、11-0と7回コールドで宮崎サンシャインズを圧倒しました。チームは長打を含む17安打を放ち、中でもモタ選手が4打席4安打2本塁打の大活躍。投げては松江投手が変化球主体のピッチングで5回を4安打に抑えいいスタートを切りました。

翌16日に行われた同カード2回戦は点の取り合いになりました。火の国サラマンダーズが逃げ切るかと思いきや、9回にマウンドに上がった小江光樹投手が乱調、このあと山口翔投手を急遽投入し、その裏に得点した火の国サラマンダーズ8-7とサヨナラで辛勝しました。

この試合でも火の国サラマンダーズは打線好調でモタ選手は本塁打こそ出なかったものの2安打、チーム全体で13安打放つなど打線は好調でした。ただ、投手陣に不安要素が残る試合になりました。

開幕戦は671人、2回戦は743人の来場者が熱心な応援を繰り広げ、また2回戦終了後にはグランドが開放され、多くのファンが選手やマスコットのさら丸、さら美と記念写真を撮る姿が見られました。

今季の首位争いの行方は!?

リーグ発足以来これまで火の国サラマンダーズが王者として君臨してきました。ただ、今季は様相が若干異なるようです。

現在、北九州下関フェニックスが一歩抜け出しており、2位が大分B-リングス、3位が火の国サラマンダーズ、4位が宮崎サンシャインズの順位になっており、1位から3位までは僅差になっています。

現在の首位打者は火の国サラマンダーズのモタ選手の4割9分。驚異的なアベレージに加えて本塁打7本もトップです。ただ、打率上位には中田航大選手、漁野海人選手、河野颯太選手ら北九州下関フェニックスの選手がハイアベレージで並んでいます。また、盗塁数が10とトップの平間隼人選手も北九州下関フェニックスです。

投手陣では、猿渡大輝投手、辻興聖投手(ともに大分B-リングス)、松江優作投手らが結果を残しています。

今季、首位争いは上位3球団による混戦になることも予想されます。火の国サラマンダーズ以外が優勝すればリーグ初になります。今後面白い展開が予想されます。

新ルールの導入でどう変わる?

九州アジアリーグでは今季、新たなルールを2点導入しています。まず1つ目は「ピッチクロックルール」です。このルールは既にMLBでも導入されており、試合時間の短縮を目的とした導入です。

今回の2試合を筆者観戦した感想は、投手の投球テンポは早くなるものの、必ずしも試合時間が短くなるわけではないと感じました。試合展開(乱打戦や四死球が多い場合など)によっては投球間隔が短くても「時短」にはならず、上記の開幕戦は4時間ジャストでした。

ただ、全体的に短くなる傾向にあるのなら望ましいのではないでしょうか。

もう1点の変更点は、「リクエスト検証」の導入です。

既にNPBでも導入されています。九州アジアリーグの場合はYouTube配信の動画を使用して行います。地方球場には本格的な映像装置はなく、このような方法ででもリクエスト検証を導入することで審判員の負担軽減に繋がるのなら画期的なことなのかもしれません。

「佐賀インドネシアドリームズ」参戦!

今季は準加盟の佐賀インドネシアドリームズが試合を行っています。

4月は宮崎サンシャインズと2試合、大分B-リングスと1試合の計3試合を行い、現時点での勝ち星はありません。

次は6月6、7日に火の国サラマンダーズと対戦予定です。外国人を主体とした新しいチームを見守っていきたいですね。

四国アイランドリーグplus

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3月30日、徳島インディゴソックスが高知ファイティングドックスを迎えて徳島市のむつみスタジアムで、香川オリーブガイナーズは愛媛マンダリンパイレーツを迎えて香川県志度球場でそれぞれ開幕しました。

徳島インディゴソックスの開幕戦には、元阪神タイガースの糸井嘉男さんがゲストで来場するとあって早くから多くのファンが詰めかけました。始球式に糸井嘉男さんがバッター役で登場したゲームは、徳島インディゴソックスの先発が白川恵翔投手、高知ファイティングドックスの先発が加藤翔汰投手で始まりました。

2回に佐藤ムーディー快選手のソロ本塁打で先制した徳島インディゴソックスが4-0で高知ファイティングドックスを下しています。白川投手は150キロ近いストレートを投げ5回を投げ52球、6奪三振で抑え、池戸昇太投手、中込陽翔投手、山崎正義投手で完封リレーをしています。

翌31日、志度球場での香川オリーブガイナーズと愛媛マンダリンパイレーツの2回戦は、香川は中川英和投手、愛媛が廣澤優投手の先発で始まりました。

前日の1回戦は17-1と大敗し負けられない香川オリーブガイナーズは、点の取り合いの末に8-5と愛媛マンダリンパイレーツから逃げ切っています。中川投手が6回を投げたものの堀川選手と上野雄大優斗選手からそれぞれ本塁打を浴び5失点したのは痛いところです。

今回、徳島インディゴソックスの開幕戦はゲストの来場もあり1,007人。しかし翌日の同カードは286人にとどまり、集客の難しさが感じられます。今季で19年目の四国アイランドリーグplus。国内初の独立リーグとして発足し、長年続けるだけでも大変なことですが、チームの強さや選手のレベルの高さと集客が必ずしも結びつかない点が独立リーグ全体の課題なのかもしれません。

首位争いに変化あり!?

現時点では徳島インディゴソックスが今季も首位と安定したスタートを切っています。2位には勝率5割で愛媛マンダリンパイレーツが、3位には香川オリーブガイナーズがつけ、そして最下位は高知ファイティングドックスになっています。

現在は徳島インディゴソックスが常勝チーム、そして毎年NPBドラフトでも指名選手を出す存在になっていますが、かつては香川オリーブガイナーズも強い時期がありました。今季は低迷期から脱出し首位争いに加わっていくのか、これから面白い試合展開を期待したいですね。

現在、徳島の白川投手は全て先発で5試合に登板し防御率2.63、奪三振25とまずまずの成績を残しています。今季5年目の23歳。まだまだNPB入りを目指せます。
また、同じく徳島の中込投手は11試合に登板。リリーフもしくは抑えでの登板機会が多くなっていますが、防御率は1.20で奪三振は24と頼もしい存在となっています。信頼できる投手がいることが強さの秘訣といっていいかもしれません。

一方野手は、徳島インディゴソックスの岸本大希選手が打率4割1分4厘で首位打者。同じく徳島インディゴソックスの角井亮太選手は打率3割4分で6厘。本塁打3本はトップと当たっています。徳島では中川聖也選手、岸本大希選手、塩崎栄多選手らハイアベレージの選手も揃っており、投打ともに最も怖いチームになっています。

これからも伸びてくる選手はたくさんいます。注目選手を探して球場で試合を観戦するのも楽しいですね。

※記録、成績は5月7日現在

四国アイランドリーグplus 独立リーグ 野球