J新記録の快進撃! 湘南ベルマーレを盛り上げる「放送部」とは?
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Jリーグ ディビジョン2で開幕11連勝中(J1、J2合わせたJリーグ新記録を更新中)と快進撃を続ける湘南ベルマーレ。昨年惜しくもJ1からJ2へと降格となってしまい迎えた今シーズン、J1復帰のみならずその先のJ1定着に向けてクラブ一丸となって戦っています。
そんなスタジアムをさらに盛り上げるのが「ベルマーレ放送部」。今シーズンよりメインスタジアムナビゲーターを務めている三村ロンドさんと、昨シーズン「ベルマーレクイーン」として活動し、今シーズンはアシスタントナビゲーターとして放送部で活動している「かすみん」こと相澤香純さんに話を聞きました。
ーそもそもJリーグチームに「放送部」ってどういうことですか?
ロンド:僕は2003年からナビゲーターとしてベルマーレに関わっているんですが、音響や映像のスタッフさんなど演出周りを担当するチームを組織化した呼び名にしたいなと思って、、勝手に名乗り始めたのがきっかけです。当時のベルマーレは大型ビジョンも無くて、選手交代時に効果音を入れたり「音」から工夫していきました。
ーかすみんさんはどういうきっかけでベルマーレに携わるようになったんですか?
かすみん:2012年に箱根の地域をPRするイメージガールをやっていたんですが、活動の中で同じ神奈川のベルマーレを応援する機会があって、もっと選手の方にインタビューしたりとか、応援しに行ったり出来ないかと思っていました。翌年「ベルマーレクイーン」募集を見つけて、ありがたいことに1年間クイーンとして活動させていただくことが出来ました。
かすみん:今年からアシスタントナビゲーターのお話をいただいて、アナウンスで(これまでなかった)女の子の声が入ることで今までとは違った雰囲気を出して、楽しんでいただけるようになれたらと思っています。
ロンド:これまで「放送部」には男性しかいなかったので、女の子目線が入ることによって「そういうことが必要なんだな」というのが分かって来ますよね。彼女なりの目線で試合を見てもらってフィードバックできればと。
いつも「プラスα」の楽しさがあるスタジアムに
ーこれまでで人気だった企画はどんなものですか?
ロンド:「勝利への花道」という、選手バスがスタジアムに入る手前で停車し、サポーターの作った花道を選手が通ってロッカールームに向かう企画です。試合後に選手がサポーターと触れ合うクラブも結構あるのですが、これを試合前に出来ないかなと。最初は夏休み期間中の企画だったのですが、これがウケまして。雨になったら中止としていたのに、サポーターの方々が雨の中で自然に花道を作っていて「これはイケる!」と確信しました。
ロンド:J1にいた2010年にチームがなかなか勝てなくて、一致団結するきっかけを作ろうと試合開始の24時間前に埼玉(対戦相手が浦和レッズだった)を出発して平塚まで自転車で走ったこともありました。道中、サポーターに集合してもらって、みんなで「ズームインサタデー」の中継に映り込むということもやったり(笑)。
ー2012年にビジョンが完成した後は「ベル八先生」という名物企画も生まれましたね。
ロンド:これは当時、背番号「8」の「坂本」紘司(現・ベルマーレフロントスタッフ)がいて、相模川の土手もある、これは「金八先生(坂本金八)」だな!と脚本を書きました。観戦マナーや豆知識を紹介する紙芝居形式なので、小さいお子さんや初めて観戦する方にいいなと。選手も面白がってくれて、徐々に昇格に向けてみんな一つになっていこうというドラマのようになってきて「THE MOVIE」という形で完結しました。
ー開幕早々に「恋するフォーチュンクッキー ベルマーレver.」も登場した今シーズン、これからもとっておきのネタはありますか?
ロンド:「ベル八先生」の後企画、考えていますよ。今アイデアとしてあるのは、若い選手の「アイドル化プロジェクト」です。イケメン「ジャニーズ風」と、男らしい「EXILE風」のグループを作って、さらには「お笑い系」も混ぜて、最初はお互いライバル関係だったのがJ1昇格のために「俺たち一つにならないと…」となるようなストーリーを頭の中で考えています。
ーかすみんさんは「こんなことをやってみたい!」というアイディアはありますか。
かすみん:ベルマーレはホームタウンを大事にしているので選手の方が参加されているホームタウンのお祭りなどにもっと関わっていけたら良いなと思っています。あと、最近は試合を追うごとに女性サポーターの声が増えている気がするんです。「一選手のファン」という入口でも、そこからベルマーレ自体を好きになることのお手伝いも出来たらいいなと思っています。
今年は「J1定着に向けての準備の一年」
ーベルマーレ、今シーズンは絶好調ですね。
ロンド:みんな「落ち着いている」と感じます。もちろん勝つことは嬉しいけれど、選手もサポーターも来年以降(J1昇格を果たしたら)定着する為の準備の一年だという空気なんですよ。勝った当日は大喜びだけれど、すぐに次を見据えていて、全体的に浮き足立ってない感じがします。
かすみん:昨年は「このシュートが入ったら…」とか惜しい試合がすごく多くて、悔しくてクイーン仲間とよく一緒に泣いていました。「一年目」の私たちでさえもこれだけ悔しくて涙が出るということは、ずっと応援されているサポーターの方は絶対ものすごく悔しいと思うんですよ。だから今年は「この試合に勝った」だけじゃなくて、「今年絶対昇格して、来年はJ1に残ってやる!」という意識も強くなるんだと思います。
ロンド:実は今年、曹(貴裁)監督から大倉(智)GMに「選手紹介の時にコール&レスポンスをやってほしい」というリクエストがありました。ドイツに留学した時にスタジアムでこの光景を見てやりたい、と。
ロンド:初めて目の当たりにした方からも「何これ楽しそうじゃん」という反応があって、だんだんと「参加する楽しさ」がスタジアムに広がってきましたね。選手の下の名前を呼ぶことで、選手のフルネームも覚えられますし。
かすみん:「ライブでみんな一緒に手をあげる楽しさ」みたいな!
ロンド:目指すは「全員参加型スタジアム」です!
ベルマーレの新名物となりつつあるコール&レスポンスは、まずは試合開始直前、背番号6・永木亮太選手の場合、ロンドさんが「ながきー」と言った後に、サポーターが「りょうたー!」のようにコールします。そしてベルマーレの選手が得点を決めた場合にも「ただいまの得点は…」というアナウンスに続いて同じくコール&レスポンスを3回繰り返します。
ロンドさんとかすみんさんは放送室の中にとどまらず、ハーフタイムのイベントやヒーローインタビューに登場したり、試合終了後も選手とともにスタンドからの声援に応えています。さらにはアウェイの試合にも足を運ぶこともあるというお二人。スタジアムで見つけたらぜひ気軽に声を掛けてみてください!