自転車はこうやって乗る!堂城賢氏が説く自転車の新常識“やまめ乗り”を体験

自転車はこうやって乗る!堂城賢氏が説く自転車の新常識“やまめ乗り”を体験 DO

自転車はこうやって乗る!堂城賢氏が説く自転車の新常識“やまめ乗り”を体験

スポーティ

最近話題の“やまめ乗り”という言葉。自転車を「もっと速く、もっと楽に走りたい」と考えた方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

『自転車の教科書』の著者・プロMTBライダーの堂城賢(たかぎまさる)氏が伝えているのがこの“やまめ乗り”。別名“おじぎ乗り”とも言われ、「背中を丸めて強く踏み込む」という、これまでの自転車の乗り方の常識を覆す乗り方に、注目が集まっています。

全ての自転車乗りの憧れ、“楽に・速く”を体験するため、同氏が主催する”やまめの学校”を受講すべく、長野県安曇野まで行ってきました。

ベストセラー“自転車の教科書ー身体の使い方編ー”

ベストセラー“自転車の教科書ー身体の使い方編ー”

午前中はみっちり座学。今の自分の身体の状態を知るところからスタートします。

自転車に乗るときは”脱力”が基本と教える堂城氏。

余計な力が入っていると筋肉の動きが鈍くなるだけでなく余計な筋肉まで動かそうとする“誤作動”が生じると言います。

そこで、脱力診断。床に寝て片脚を上げ、足の上に堂城氏が乗り、持ち上げてみます。

思いっきり力を入れて持ち上げようとしますが…

思いっきり力を入れて持ち上げようとしますが…

腹筋に思いっきり力を入れ、全身を強張らせて堂城氏を持ち上げようとしていたこちらの受講生。無理でした…。

しかし堂城氏のあるアドバイスで、なんと軽々持ち上がったのです。狐につままれたような状態の受講生。

さっきまでの絵がウソのようにひょいっと…!

さっきまでの絵がウソのようにひょいっと…!

そのアドバイスとは、「足を伸ばす」と考え、それを単純に「実行する」だけ。

堂城氏は

「自転車も同じです。速く漕ごうとして全身に力を入れても疲れるだけです。余計な力入れず、筋肉や関節は常に柔軟にし、“ペダルの軌道に対して自然な形で足を乗せて回す”ことを“ただ実行してみること”から始めましょう。」

と語ります。

歯を食いしばって、思いっきりペダルを踏み込んでいた自転車乗りには、かなり衝撃的な内容だったようです。

午後からは外で実習。自転車と身体のバランスを考えながら走ります。

“やまめ乗り”で大切なことはハンドル、サドル、ペダルの3つの支点に対してどのように荷重がかかっているかということ。

それを確認するため、自転車の上に立った状態で自転車を揺らしてみます。ハンドルに乗りすぎている方、または前荷重になりすぎている方はハンドルがグラグラ。後ろに体重をかけすぎている方は自転車がかなり重たく感じるそうです。

自転車の上に立ち、どこに重心をおけばグラグラしないのか、身体で感じます。

自転車の上に立ち、どこに重心をおけばグラグラしないのか、身体で感じます。

自転車のちょうど中心に上手に乗れている方は自転車を揺らしても平然と身体のバランスを保っています。

その意識のまま、ゆっくりサドルに腰を下ろし走り出してみると、なんと漕ぎ出しの軽いこと!

あくまでも自然体。それが、背中を丸めない“やまめ乗り”。

今までの自転車の乗り方は、とにかく空気抵抗を受けないように小さく背中を丸め、腿の筋肉を大きく使って漕ぐことが一般的でした。

“やまめ乗り”では、背中は丸めません。お腹の力を抜いて、体をリラックスさせた状態で腰から上半身をまっすぐに倒します。そうすると背中は自然と伸びた状態になります。別名“おじぎ乗り”と呼ばれるのは、この姿勢がおじぎと同じ状態ということが所以です。

この姿勢により、頭の重さを脚に伝えることができるので、ペダルを踏み込む際に無理に力を入れる必要がないのです。

人は自然に反した状態を何時間も続けていると、当たり前ですが体に不調が現れます。この“やまめ乗り”はあくまでも自然体で自転車に乗ることを伝えているので、この状態で乗れないということは、すでにどこかに不調があったり、筋肉の柔軟性などが足りない証拠など言います。

「背中を丸めた方が楽」と思う方は、筋肉が硬い、もしくは日常生活ですでに背中が丸まっているかもしれないので要注意です。

お辞儀の姿勢ができたら、さらに自然体にしていくために、顎を軽く引くことを意識します。前を見ようとして頭を持ち上げてしまう癖のある方、それではせっかくのお辞儀の姿勢が台無しになり、首回りや肩周りが緊張した状態になってしまいます。顎を引いた状態でも、少し目線を上に向ければ前は見えます。あくまでも体はリラックスを意識して。

お腹の力を抜いて、腰から上半身を倒し、顎を引く。そして3点のバランスを意識する。

これをしっかりと頭に叩き込んで立ち漕ぎを実践してみました。

「もっと顎を引いてー」と言われて実行してみると…

かなり難易度が高かったですが、顎を引いた瞬間、ペダルが軽くなるのを感じました。姿勢が崩れているだけで身体に余計な抵抗がかかっているのだと実感しました。

今度は3本ローラーにて、“縦踏み”チェック

実は現在、やまめの学校では第2工房を建築中。
今回は特別に設置中の第2工房まで行き、ローラーを使った特別レッスンを行いました。

しかも使うのはロードバイクではなくなんとマウンテンバイク。空気圧1程度のタイヤで3本ローラーに乗ると、ボヨンボヨンしてなかなかバランスが取れません。

ここで気をつけるべきは、ペダルを踏み込む位置と方向。

多くの人は、ペダルを踏み込む位置が遅く、時計に例えると、3時のあたりから真下に向かって脚を下ろしているそうですが、それではタイヤが地面に刺さるばかりで推進力を殺しているのです。これが踏んでも踏んでもなかなか前に進まない、“縦踏み”ということ。

ペダルを縦(真下)に踏み込んでいると自転車が上下に激しく揺れてうまくバランスが取れません

ペダルを縦(真下)に踏み込んでいると自転車が上下に激しく揺れてうまくバランスが取れません


ペダルを踏み込むべき位置は1時から2時のほんの少しの間だけ。それも、真下ではなく、クランクが回る軌道に足を合わせ、斜め前に足を落とすようなイメージで行います。
それを意識するだけで、ローラー台の上でボヨンボヨンしていたマウンテンバイクは驚くほどスムーズに。

おじぎをして、頭の重みを脚に伝え、その重さでペダルが回る感覚を捉えたら、あとは、ペダルが推進力に変わる方向に回すだけなのです。

自転車は生涯スポーツ。身体は常に柔軟にし、自転車のバランスを理解して乗れば辛くない。楽に、楽しく乗れる。

今回の内容は、堂城氏が伝える“やまめ乗り”のほんの一部ですが、まず、自転車に乗る前に大切なことは、自分の身体の状態・柔軟性を知り自身にあった自転車に乗ることです。ブランドやデザインにこだわりたいのはわかりますが、せっかく格好良い自転車を買っても、自転車にのれる状態でないと、体を壊す、怪我につながってしまう可能性もあります。

そして次に大切なのは、体に無理な力を入れないように脱力すること。柔軟性を身につけた体を再び酷使してガチガチな筋肉にする必要なないのです。

最後に大事なことは、自転車の上でのからだの重心がどこにあるのか、バランスを考えること。
バランスを考えれば、ハンドルに乗りすぎて前がフラフラする、サドルに乗りすぎて、軽いギアしか回せないなどの悩みが解消できるはずです。

それができたら、徐々におじぎの姿勢になれて、ペダルを踏み込む位置も気にしてみる。というように焦らず順序を追っていきましょう。

堂城氏は語ります。

自転車は老若男女、誰でも健康的に楽しめるスポーツ。
最初からがむしゃらに漕ぐことではなく、順序をふんで、無理な力を入れず、楽に、快適に、ずっと乗り続けられるよう、生涯スポーツとして楽しみましょう。


写真6



トレーニング ロードバイク ロードレース 自転車