今年初開催! 與那嶺恵理選手と萩原麻由子選手が出走したクラシカ・ナバラ・フェミナ

今年初開催! 與那嶺恵理選手と萩原麻由子選手が出走したクラシカ・ナバラ・フェミナ WATCH

今年初開催! 與那嶺恵理選手と萩原麻由子選手が出走したクラシカ・ナバラ・フェミナ

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今年初めての開催された、女子の自転車レースのクラシカ・ナバラ・フェミナ。このレースに日本から與那嶺恵理選手と萩原麻由子選手が参戦し、女子のトップサイクリストたちと共に2日間に渡るレースを繰り広げました。

7月下旬のナバラ地方で開催された、このレースの様子をレポートします。

TOP写真:レース第1ラウンドのスタート前の與那嶺選手(写真左)と萩原選手(右)。Photo by Yukari TSUSHIMA.

スペイン・ナバラ地方でのレース


ナバラ出身のインドゥライン氏もこのレースに駆け付けました。Photo by Yukari TSUSHIMA.

7月30日と8月1日、スペインのナバラ地方でクラシカ・ナバラ・フェミナ (Clásica Navara Femina) という自転車レースが開催されました。

ナバラ地方は、スペインのバスク地方の南側に位置し、比較的山が多い地域です。この地方の人もバスク人で、バスク語が公用語となっていますので、広い意味での「バスク」地域でもあります。

この地域も自転車競技が盛んで、数多くの名サイクリストを生み出しています。ツール・ド・フランス5連覇など輝かしい記録を持つミゲル・インドゥライン(Miguel Indurain)氏もこのナバラ地方の出身です。もちろん、他のバスクの地域同様、自転車レースを良く知るファンが多い土地でもあります。

そんな自転車王国・ナバラで、今年初めて開催された女子の自転車レースがクラシカ・ナバラ・フェミナ。女子のトッププロが2日間のレースに挑みます。

今回参加した選手は、総勢100名ほど。数日後に、クラシカ・サンセバスチャンの女子のレースが開催されるため、この2日間をレース直前の調整レースとして活用している選手がほとんどでした。

タイプの違う2種類のコース


韓国ナショナルチームもこのレースに出走。Photo by Yukari TSUSHIMA.

この2日間のレースの舞台は、ナバラの登り。しかし、1日目と2日目では少々コースの特徴が異なります。1日目のコースは、パンプローナからレクンベリ(Lekumberi) までの108㎞。

スタートした後、一旦西に走りその後北上します。このコースは登りが厳しく、特にコースの最後に標高1200mの坂が選手たちを待ち受けます。

2日目のコースは、パンプローナからパンプローナからロドサ(Lodosa)までの120㎞。初日と比べると、距離は長いものの、登りは穏やかなコース。レースのスピードが上がることが予想されました。

なお、このレースは2日間にわたるものですが、ステージレースではありません。そのため2日間を通した総合順位はなく、各レースそれぞれに優勝者が決まります。

與那嶺恵理選手と萩原麻由子選手の参戦


スタート前の萩原選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.

このレースに日本人サイクリストの與那嶺恵理選手と萩原麻由子選手が参戦しました。アレ・チッポリーニ(Alé Cipollini)所属の與那嶺選手は、ジロ・デ・ローサ終了後に数日休暇を取り、リフレッシュした状態でパンプローナに到着しました。


スタート直後の與那嶺選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.

エネイカット・ペカフェル・サイクリング(Eneicat Pecafer Cycling)所属の萩原選手は、6月からスペイン・レオンに本拠地を持つこのチームに合流。

すでにスペインで数レース走り、とある1DAYのレースでは、山岳賞を獲得。体調も徐々に上向いている様子です。チームにもすでによくなじんでいる様子でした。

彼女のチームのウンベルト・ゴメス監督(Humberto Gómez)に、チームの状態について質問したところ、返ってきた答えは、“チームの雰囲気は良いよ。今までのレースの結果も、創立1年目の新しいチームとしては高く評価できるものだと思う。”というものでした。


Photo by Yukari TSUSHIMA.

両選手とも、このレースは同じ週末に開催されるクラシカ・サンセバスチャンのリハーサルとして走りました。初日のレースのスタート時間は、午後3時。この時点ですでに気温は高く、レース中はかなり暑くなることが予想されました。


Photo by Yukari TSUSHIMA

スタートから38㎞付近で、與那嶺選手がもう一人の選手と逃げ集団を形成します。リズムよく逃げた2選手ですが、メイン集団はミチェルトン・スコットなどの強豪チームがしっかりとコントロール。タイム差も、最大で2分差までしか開きません。

そしてレース後半、メイン集団が與那嶺選手の逃げ集団を吸収。最後の1200m標高の登りを制してこの日優勝したのはアシュリー・ムールマン(Ashleigh Moolman/CCC-liv)選手でした。南アフリカチャンピオンで今年のジロ・デ・ロサの第7ステージを制した彼女が、クラシカ・ナバラ・フェミナの最初の優勝者となりました。

一方、逃げた與那嶺選手は、先頭から9分差の28位。萩原選手は、レース途中でリタイアの意志表示をするも、大会側の要請によりゴールまで走り、記録的にはオーバータイム扱いとなりました。

この日スタートしたのは、94選手。しかし、ゴールしたのは43選手のみ。半分以上の選手がオーバータイムあるいは途中リタイアを選択するという、非常に厳しいレースとなりました。


Photo by Yukari TSUSHIMA

そして翌々日の8月1日。この日は、午前10時のスタートでしたが、パンプローナは朝から雷雨。しかも、選手たちの出走前サインの時に雨が最も強く降るという、最悪のコンディション。

幸いスタートして30分ほどで雨は止んだものの、今度はレース中に強烈な横風が選手たちを襲います。そして、ゴール前は予想通りの集団スプリント。

結局この日のレースはサラ・ロイ選手(Sarah Roy/ Mitchelton-Scott) が制します。集団ゴールのこの日は與那嶺選手が51位、萩原選手が90位という結果でした。

今年初めて開催されたクラシカ・ナバラ・フェミナ。女子のトップサイクリストが出走し、現地でも注目を集めたレースでした。

日本でレースを観戦できなかったのが残念ですが、今後もこのレースは継続される予定ですので、来年以降ライブストリーム放送などのサービスを期待しましょう。