サッカーの才能は遺伝する?サッカー界でセンスが光る2世選手

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サッカーの才能は遺伝する?サッカー界でセンスが光る2世選手

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いよいよ今月、ジネディーヌ・ジダン監督率いるレアル・マドリードがFIFAクラブワールドカップのため来日します。現役時代「史上最高の選手」と称されたジダン監督。昨日行われたリーグカップ戦では、息子のエンツォ・フェルナンデスがトップチームデビューし、見事初ゴールを決めました。現在、彼を含むジダンの4人息子は全員レアル・マドリードに所属しているそうです。

また、先日行われたセリエA第14節では、アトレティコ・マドリードの指揮官を務めるディエゴ・シメオネの息子ジオバンニ・シメオネが躍動。イタリア王者ユヴェントス相手に2ゴールを決める活躍を見せています。

今週はレジェンド2人の息子が活躍を見せた週となりましたが、今回はこれにちなみ親子2世が揃って活躍しているサッカー選手を見ていきたいと思います。

プレーヤーとしても監督としても偉大なヨハン・クライフと息子ジョルディ

オランダのアヤックスで活躍した往年の名選手ヨハン・クライフ。選手としては1960年代後半~70年代に活躍し、近年では監督としても名を馳せました。

トータルフットボールを謳うアヤックスでは、センターフォワードのポジションながらオールラウンドに活躍し、その運動能力の高さと華麗なプレーに魅了されたファンも多かったことでしょう。特に西ドイツのベッケンバウアーとの対戦は、毎回手に汗を握る好ゲームで、現在まで語り継がれるほどです。現在アヤックスでは、彼がつけていた背番号14が永久欠番となっています。

その後1973年に当時の最高金額でFCバルセロナへと移籍すると、リーグ戦で優勝。オランダのみならずスペインでも英雄としてもてはやされました。

そんな英雄の血を引く息子がジョルディ・クライフです。父親譲りの器用さを持った彼は、父親が監督を務めるFCバルセロナでデビューを飾りました。しかし、父親の監督辞任と共に退団。マンチェスター・ユナイテッドに移籍するも、度重なる怪我に悩まされため力を存分に発揮することができず、その後はスペインのクラブを転々とするに終わりました。現在はイスラエルのマッカビ・テルアビブのスポーツディレクターに就任しています。

共にACミラン一筋のマルディーニ親子

父のチェーザレ・マルディーニは1954年から1966年までミランのディフェンダーで活躍し、キャプテンとしてもチームの栄光に貢献した選手。引退後はイタリア代表監督、ミランなどの監督を歴任してきました。

その息子、パオロ・マルディーニはサッカー選手人生の25年をすべてミランで過ごし、史上最高のサイドバックとも評される輝かしい才能を発揮しました。ユースからはじまり40歳を過ぎるまでミランでプレーを続け、長年にわたりキャプテンとしてミランを統率。セリアAを7度制し、チャンピオンズリーグでも5度の優勝を誇る同氏は、数多くのスターが在籍した輝かしいミランの象徴ともいえる存在です。

そのDNAを受けた長男のクリスティアン・マルディーニもDFとしてイタリアで奮闘中です。祖父・父・子と3代に渡るミランの守りが期待されていましたが、今年の7月にミランのユースを退団。現在はマルタのハムルン・スパルタンズに所属しています。
一方、次男のダニエル・マルディーニは現在もミランのユースに所属していますが、フォワードの選手ということです。

1990年代~2000年代に活躍した父を超えた2世選手

親子2世で活躍しながらも、子供の方がより才能に恵まれた例もあります。その一人がフランス代表として活躍したユーリ・ジョルカエフ。モナコやパリ・サンジェルマンなどのフランスの名チームを経て、イタリア・インテルへと移籍。その後は、ドイツ、イングランド、アメリカを攻撃的な選手として渡り歩いてきました。代表でも2度ワールドカップに出場するなど活躍したジョルカエフは、実は2世選手。父のジャン・ジョルカエフもフランス代表入りし、親子2代で国を背負ってきました。

ジダンと共にフランス代表の一時代を気づきあげたユーリ・ジョルカエフ。

『小さな魔法使い』というニックネームを持つファン・セバスティアン・ヴェロンも父を超えたと言える一人です。不良少年として知られていましたが、サッカーの実力は本物で、高精度のロングパスや強烈なミドルシュートを得意としたヴェロン。アルゼンチン代表で活躍し始め、ヨーロッパに活躍の舞台を移してからは、特にイタリアでファンの目を楽しませてきました。2001年にイタリア・ラツィオからイングランド・マンチェスターUに移籍した際の移籍金は、当時のイングランド史上最高金額だと言われています。

そのヴェロンの父ファン・ラモン・ヴェロンもアルゼンチン代表で『魔法使い』の異名をもち、クラブチームを南米チャンピオンに数度導いた名選手です。

マンチェスター・ユナイテッドへの移籍後は怪我による影響もあり、活躍する姿を見せることはできませんでした。

日本人にもこんなにいる!将来が期待される現役2世選手

実は日本人選手にも2世選手がたくさんいます。日本代表に呼ばれることもある長身FWハーフナー・マイクも実は2世。オランダ出身の父親ハーフナー・ディドは、Jリーグ開幕時から名古屋グランパスエイトやジュビロ磐田などでプレー。190cm近い長身と手足の長さを生かしたゴールキーパーとして活躍してきました。ハーフナー・ディドの次男でハーフナー・マイクの弟に当るハーフナー・ニッキも、オーストリアリーグのプロ選手です。ちなみに彼が所属するSVホルンは日本代表の本田圭佑が運営に関わっていることでも知られています。

今シーズン川崎フロンターレを退団した風間八宏監督は、選手時代にサンフレッチェ広島やドイツの強豪レバークーゼンでプレー。Jリーグ開幕戦、開始わずか1分でゴールを決め、Jリーグ初得点及びJリーグ日本人選手初得点の記録を持っています。所属したサンフレッチェ広島では多彩なパスで中盤を支配し、持ち前のキャプテンシーでチームを牽引してきました。

その息子の宏希と宏矢兄弟はともにJ2所属しています。2012年父風間八宏が川崎フロンターレの監督に就任した際には、親子揃って川崎所属となりました。

この他、Jリーガーの2世選手には、日本代表で活躍した水沼貴史とその息子水沼宏太(FC東京)親子やヴィッセル神戸で監督を務めた和田昌裕とその息子和田篤紀(京都サンガ.F.C)、和田倫季(ヴィッセル神戸)親子などがいます。

親子でサッカーの才能をもって生まれた選手たち。親の偉大さがプレッシャーで活躍しきれなかった選手、あふれる才能で親を超える存在になった選手といろいろな2世選手がいます。ジダン親子のように同じチームの監督と選手としてチームを盛り立てる姿は、なんだか胸が熱くなります!

(Photo by Merlijn Hoek)

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