スキーとスノーボード、どちらが痩せる?どちらがキツイ?

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スキーとスノーボード、どちらが痩せる?どちらがキツイ?

スポーティ

スポーツやアウトドアが好きな人で、冬の楽しみと言えば、スキーかスノーボードが頭に浮かぶと思います。どちらもレジャーとしてのイメージが高いスポーツですが、れっきとしたオリンピック競技であり、1日中ゲレンデで滑った後は、インナーがびっしょりとなるまで汗をかいたことや、翌日には、ひどい筋肉痛に襲われた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

それでは、スキーとスノーボードでは、どちらがカロリーを多く消費して、体脂肪を燃やしてくれるのでしょうか。どちらがより「キツイ」エクササイズなのでしょうか。

結論を先に述べておきますと、上の質問への正確な解答は、「すべてケース・バイ・ケースである」となります。

ハーバード大学医学大学院の研究

異なるエクササイズの消費カロリーを比較した文献はいくつかありますが、そのなかでもっとも信用度が高いと思われる、かのハーバード大学医学大学院が発表したレポートを基に下の考察を続けます。

このレポートでは、スポーツから家事に到るまで様々な身体的活動を30分行った場合に消費されるカロリーを体重別(56.6キロ、70.3キロ、83.9キロ)に分けて一覧にしています。

大雑把に言えば、カロリー消費量は複数の要素によって決まってきます。第一の要素は、行うエクササイズ、あるいは身体的活動の種類です。

例えば、同じスキーでもクロスカントリー・スキーの方がゲレンデ・スキーより多くのカロリーを消費します。これもまた大雑把な言い方になりますが、心拍数が上がれば上がるほど、消費するカロリーは多くなるからです。

もう少し詳しく、このレポートの中身を検証してみましょう。

ゲレンデ・スキー(ダウンヒル)

上のレポートによると、ゲレンデ・スキーを1時間行う場合、360~532カロリーを消費することになります。これらの数字は上述した体重別に計算されたものの為、実際に消費される正確なカロリー量はその人の体格によって異なります。

いずれにせよ、このレポートでは、ゲレンデ・スキーの運動強度は、ハイキングやウォーキングとほぼ同じ強度、ゆっくりとしたジョグよりやや低い強度だとしています。

ただし、ゲレンデ・スキーを1日中行うことは、珍しくありませんが、ジョグを1日中できる人はめったにいない為、結果としては、ゲレンデ・スキーの方がトータルではカロリー消費量は多くなるでしょう。

さらには、運動の強度が高くなれば、より多くのカロリーを消費することは言うまでもありません。急こう配の上級者コースを猛スピードで滑る方が、緩やかな初心者用コースをゆっくり滑るより、より多くのカロリーを消費するでしょう。

クロスカントリー・スキー

レポートでは、クロスカントリー・スキーの方がゲレンデ・スキーより脂肪を燃やしやすく、1時間で480~710カロリーを消費するとしています。

もちろん、この数字も理論上のものです。ゲレンデ・スキーのときと同じく、実際には体重、スピード、地形など、様々な要素によって消費カロリーは異なってきます。

それでも一般的な傾向としては、斜面を滑り降りるゲレンデ・スキーに比べると、自然の地形を上り下りして滑るクロスカントリー・スキーの方が、ダイエットには向いたスポーツであると言えるでしょう。

スノーボード

ハーバード大学医学大学院のレポートには、スノーボードの項目がありませんが、米国の非営利団体「Snowsports Industries America」はスノーボードを1時間行った場合の消費カロリーを290~806としています。

スキーに比べ、消費カロリーの上下幅が大きいのは、スノーボードでは滑る以外にジャンプなどの別の要素がある為だと思われます。

また、スノーボードではリフトの乗り降りの際に雪の上を歩くことが多いのですが、その部分の消費カロリーは上の数字に含まれていません。同じように、スノーボードではボードを着脱する際には雪の上に座り、そして立ち上がります。その度にスクワットをしているようなものですから、同じ回数ゲレンデを滑るのなら、スノーボードの方がスキーより運動量が多いかもしれません。

スキーやスノーボードには筋トレ効果があるか?

スキーやスノーボードは、もっとも強度が高い運動であるとは言えませんが、それでもかなりのカロリーを消費できる有酸素運動であることは間違いありません。

さらに筋肉を鍛える効果に目を向けますと、どちらも下半身の大きな筋肉をメインに使用します。見た目以上に、腕や胸、その他の上半身の筋肉を使ってバランスを取る必要があるため、実は全身の筋肉を使用する運動でもあります。それは初心者でもエキスパートでも同様です。

更に詳しく、スキーやスノーボードで主に使われる(つまり鍛えることができる)筋肉群は以下の4つです。

<大腿四頭筋>
太股前面の筋肉です。スキーでより多く使用されます。 姿勢を保つためと、腰と膝の屈伸により方向転換やスピードの調節に使われます。滑り落ちる傾斜が大きくなればなるほど、この筋肉の働きが重要になります。

<ハムストリングス>
太股の裏側にある筋肉です。ショックを和らげ、膝を揃えるために働く前十字靭帯を保護する重要な役目を担います。

<臀筋>
いわゆるお尻の筋肉です。前かがみになってバランスを維持するのに役立ちます。 カーブを曲がるときに多く使用します。

<体幹>
身体の中央部分、腹筋や背筋のことを指します。体勢を安定させるためのスタビライザーとしての役目に加えて、骨盤と脊椎を保護します。 スノーボードでは腰を起点に身体を前後に移動しますので、体幹部分をより多く使用します。

まとめ

スキーにしろ、スノーボードにしろ、1日中ゲレンデで遊んだとしたら、室内のジムで1時間か2時間のワークアウトをするよりも、ずっと多くのカロリーを消費することになるでしょう。同時に多くの筋肉群を使用する運動でもあります。

もちろん、スキーやスノーボードの魅力はダイエットやトレーニング効果だけでは語ることはできません。屋内にこもりがちな冬場に、外に出て、きれいな景色と新鮮な空気を楽しみながら、体を動かす楽しみを私たちに与えてくれます。

皆さんが安全で楽しいスキー(スノーボード)シーズンを送ることができますように。

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