アジア枠を有効活用!Jクラブにオススメな中央アジアのサッカー選手とは

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アジア枠を有効活用!Jクラブにオススメな中央アジアのサッカー選手とは

スポーティ

多様な外国籍選手が在籍しているJリーグ。その中でもアジア枠の選手たちは戦略的に重要な役割を持っています。なぜなら、3名の外国籍選手に加えてAFC(アジアサッカー連盟)に所属する国の国籍を持った選手を出場させることができるからです。これにより日本人選手にはない屈強な体格を持つ選手を1人多く起用できるため、戦術に柔軟性を加味できます。その中でも、アジアで実力国が揃う中央アジアは魅力的であり、特にイランやウズベキスタンは欧州クラブのスカウトも注目する選手が多士済々。Jリーグでは、ファズィル・ムサエフ選手(ウズベキスタン代表)がジュビロ磐田で活躍しています。今回はJリーグに来れば活躍する可能性が高い中央アジアの選手たちを紹介していきます。
TOP画像:ウズベキスタン代表チーム
Photo by Football.ua

中央アジアのサッカー事情

中央アジアのサッカー事情は、長年冷遇されていました。通常アジアの各地域には「東アジア連盟」や「西アジア連盟」などの地域連盟が点在していますが、中央アジアは長年そういった連盟がない空白地帯。地域連盟がないとAFC実行委員会に中央アジアの人材を派遣できないため、政治的に不利な状況に立たされていました。そこで、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの計6カ国が協力して2015年に「中央アジアサッカー連盟」を設立。過去にカザフスタンのAFC離脱(現在はUEFA)など足並みが揃わない地域でしたが、現在はAFCの中でも強豪地域として存在感を示しつつあります。

では、下記にJリーグで活躍できそうな選手たちを紹介していきます。

中央アジア屈指の長身アンカー アフガニスタン

■MF シャリフ・ムハンマド 27歳

Photo by Майоров Владимир

ロシアのマハチカラで生を受けた彼は、ロシアの強豪アンジ・マハチカラでプロデビューを果たしました。現在はロシア2部のPFCスパルタク・ナリチクに所属しています。

プレースタイルは正確なポジショニングでゲームを安定させるバランサー。フィジカルコンタクトに強く、キープ力やタックルは強さがあります。アンカーやボランチを主戦場としていますが、CBでもプレーできるユーティリティ性も兼備。ただしパス能力に難があるため、ゲームメイクにはそこまで期待できません。

キルギスのクリスティアーノ・ロナウド キルギス

■WG アフリッディン・イスライロフ 22歳
彼は2008年から2016年までウクライナの名門ディナモ・キエフで育ちました。その後ウクライナ2部チェルカスキー・ドニプロでプレーしましたが、現在は無所属。

キックに定評があるウィンガーで、精度の高いプレースキックと正確なクロスで相手守備陣を脅かします。推進力のあるドリブルで敵陣を切り裂くこともできれば、味方を使った抜け出しも秀逸。守備の意識が薄い点や経験不足による判断ミスなどが目につきますが、ポテンシャルを鑑みると化けるかもしれません。

隠れた稀代のファンタジスタ トルクメニスタン

■MF ルスラン・ミンガゾフ 25歳

トルクメニスタン史上最高の天才と言われる選手であり、ラトビアの強豪スコントFCを牽引。その後舞台をチェコに移し、現在は強豪スラヴィア・プラハに所属しています。スコントFC在籍時は、元ザスパクサツ群馬の佐藤穣選手(現在カタール1部ムアザイル所属)と同僚だった時期もありました。


柔らかいボールタッチとテクニカルなドリブルは一級品であり、精度の高いプレースキックも切れ味抜群。相手の虚をついたスルーパスと広い視野を活かしたゲームメイクは見る物を虜にします。しかし、コンディションが悪い場合はゲームから消えてしまうことも…。

タジキスタンのリオネル・メッシ タジキスタン

■MF パルヴィズホン・ウマルバエフ 22歳


ロコモティフ・プロヴディフでプレーするウマルバエフ(黒いシャツの38番)

ロシアU-18代表を経験したタジキスタン代表の未来と言われる選手です。ユース時代からロシアの名門ルビン・カザンで研鑽し、現在はブルガリア1部ロコモティフ・プロヴディフに所属。代表でも13試合4得点と活躍しています。

アジリティとテクニックに長けた小柄なアタッカーであり、パスや重心の低いドリブルで違いを作ります。また視野も広いため、オフザボールの動きや味方を使った連係攻撃もお手の物。168㎝と小兵なためボディコンタクトが不得手ですが、ブルガリアに渡ってからはフィジカルが改善傾向にあります。

ベテランSBと期待のストライカー ウズベキスタン

ウズベキスタンとイランは実力が飛び抜けているので、2選手ずつ紹介していきます。まず、ウズベキスタンは東アジアのプロリーグに多くの選手を輩出しています。中国はエゴール・クリメツ(北京国安)、アンズル・イスマイロフ(長春亜泰)、オディル・アフメドフ(上海上港)などが在籍。日本でもジュビロ磐田のファズィル・ムサエフ選手が存在感を示していますので、今後ウズベキスタン人選手の移籍が増えるかもしれません。

■DF ヴィタリー・デニソフ 30歳

Photo by Рыбакова Елена

ウズベキスタン屈指の左SB。ウクライナの強豪ドニプロペトロウシクを経て、ロシアの名門ロコモティフ・モスクワに移籍しました。敵陣を切り裂く鋭いクロスと素早いサイドチェンジが長所であり、身体を張った守備で相手のチャンスを素早く潰します。短所はスタミナ切れしやすいところですが、安定感のあるパフォーマンスは◎。

■FW イゴール・セルゲーエフ 23歳

2015年に24得点を挙げてウズベキスタンリーグ得点王を獲得。中国1部の北京国安でも短期間プレーしましたが、思うような成績を残せませんでした。長身を活かしたポストプレーが上手く、懐の深いボールキープも優秀。サイドもプレーできるユーティリティも備えています。サンフレッチェ広島の獲得候補に挙がったことがありました。

W杯でも活躍したGKとアリ・ダエイ2世 イラン

2014年のW杯に出場したアジア屈指の強豪国です。元は「西アジアサッカー連盟」でしたが、「中央アジアサッカー連盟」設立に伴い移籍。同国のドップ選手たちの多くは、欧州1部リーグでプレーしています。国内リーグ(ペルシアン・ガルフ・プロリーグ)も盛況であり、ACLでも多くの結果を残してきました。イランはJリーグ提携国でもあるため、優秀な人材の流入が期待されています。その中でも、来日すれば活躍する可能性が高い選手をピックアップしていきます。

■GK アリレザ・ハギギ 28歳

キャリア黎明期から天才と評され、イラン国内屈指の名門であるペルセポリスで史上最年少の主将を務めた逸材。凄まじい反射神経と適切なポジショニングが優れており、W杯では何度もチームの窮地を救いました。ただし足下はそれほど上手くなく、時折驚くようなミスを犯すことも…。現在はスウェーデン1部のAFCユナイテッドに所属。強烈なキャプテンシーと超人的なセービングはアジア屈指であり、疑う余地なしの実力者です。

■FW メフディ・タレミ 24歳

期待の新星と評価される選手で、そのプレースタイルは同国の英雄であるアリ・ダエイを彷彿させると言われています。強靭なフィジカルを駆使したポストプレーとパワフルな突破力が長所であり、味方を使うなどのプレーの幅広さや足下の技術も非凡。欧州からも注目を集める俊英ですが、彼をJに迎い入れることができればセンセーションを巻き起こせるでしょう。

このように中央アジアには優れた選手が多く、アジア枠で起用できることを鑑みると魅力的な地域です。くわえてイランのように提携国となっている国もあるため、今後中央アジアの選手流入が増加するかもしれません。彼らがJリーグに来訪することで、我々に新しい刺激を提供してくれるでしょう。

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