総合格闘家として世界を目指す。渡辺華奈選手インタビュー
WATCH総合格闘家として世界を目指す。渡辺華奈選手インタビュー
女性版SASUKEのKUNOICHIにも出場した経験もある渡辺華奈選手。以前は柔道の選手として活躍していましたが、12月3日(日)東京・新宿FACEにて開催される女子総合格闘技『DEEP JEWELS 18』で総合格闘技デビューをすることが決定しました。
KUNOICHIで見せた運動能力、そして美貌でデビュー前から注目される渡辺選手に柔道を始めたキッカケや、転向の理由、総合格闘技の難しさなどを聞きました。
柔道一色の生活
ーーJR東日本女子柔道部で活躍した渡辺さんですが、柔道を始めたきっかけはなんですか?
家族みんな同じスポーツをやろうとのことで、小学校1年生から同じ幼稚園だった友達の紹介で護身のために始めました。父もその時一緒に柔道を始めたんですよ(笑)元々、スポーツが好きだったので、道場で体を動かすのが楽しかったです。
同時に新体操もやっていたのですが、柔道をやっているときの方が楽しかったですね。柔道は結果がわかりやすく、勝つのが楽しかったです。
小学校5年生から色々な道場に行き始め、東京都大会に出るようになりました。
ーー中学校では部活として柔道をやり始めたのでしょうか?
中学は柔道推薦だったため、本格的に部活としてやるようになりました。小学校の時は遊び感覚でやっていたため、入学当時は練習についていくのに必死でした。他の部員たちとはスタートの時点ですごく差を感じました。
部活内では一番弱く、先輩たちにボコボコにされていました。毎日泣いて部活に行きたくない時も、母に無理やり行かされていました。
ーーそこから強い選手に変わっていった経緯を教えてください。
中学2年の時に東京都で2位になって、関東大会に進みました。その時に対戦した相手が全国で3位になったりして、もしかして私いけるんじゃないか、という勘違いから少しずつポジティブな気持ちで部活に臨めるようになりました。団体戦で全国にいったりして、自信が持てたことで、気持ちが変化したことが大きいのかなと思います。
高校に入ってからは全国を目標にトレーニングを行い、高校1年の時には63kg級で関東でベスト8に入り、高校2年生では初めてインターハイに出場しました。内股という技が得意で、ずっと同じ技をかけ続けていました(笑)体力があったので、攻め負けることはなかったです。
この頃から、実業団の方たちと戦っていたのも自信になりました。
ーー大学での柔道生活はどのようなものだったのでしょうか?
大学でも変わらず柔道をずっとやっていました。高校まで柔道1本でやってきていたので、大学楽しいよと他の人から聞いた時は期待していたのですが、高校の頃と生活は何も変わらなかったです(笑)やはり、柔道で勝つことが自分の中で1番だったので。
寮が道場から近かったりと環境が高校の時よりもかなり良かったので、柔道に打ち込むことができました。自分が強くなっていく実感はあったのですが、ふと自分が前に進んでいるのか疑ってしまう時もありました。それでも負けたくない、もう一つ勝ちたいという思いで続けていました。周りのチームメイトやオリンピック選手からも日々刺激を受けていましたね。
オリンピックは目指して3大会で挑戦したのですが、代表選考で落ちてしまってやはり壁は大きいと感じました。
ーーオリンピックの選考落ちした後、モチベーションが落ちるということはありませんでしたか?
柔道のオリンピック選考は一発選考ではなくポイント制のため、今までの実績が重要になります。私は実績があまりなかったため、最終選考大会のタイミングでは優勝してもオリンピックに出るのは難しいだろうとは毎回わかっていました。それでも勝つことで自分をアピールできるので次の糧になればいいなという思いでやっていました。
だから大会で負けても、これからの4年間を改めて頑張らないといけないと思えて、気持ちが切れなかったのかもしれません。
ーー海外での試合も経験があるとのことですが、日本と違う部分はなんですか?
全体的に緩いです(笑)ウォーミングアップも日本ほど念入りにやらないですし。去年フランスで、助っ人としてクラブチームで試合をしたのですが、チームメイトは試合の前日でも練習をしていなかったんですね。彼らにとっては、余裕を持って試合を迎えるほうがメンタル的には良さそうですが、私には不安でしたね(笑)
あと、日本では試合中のガッツポーズはあまりよくないとされていたり、試合中騒いではいけなかったりするのですが、海外では勝った時は選手もお客さんも感情を爆発させます。日本人である私からすると新鮮で、楽しかったです。
フランスは柔道人気が高く、街に根ざしたクラブチームとしてやっているので、勝った時は街全体が盛り上がります。チームの大きなポスターが街中に貼ってあったりもして、そういう点も羨ましいなと思いました。
柔道から総合格闘技への転向
ーー柔道の引退、そして総合格闘技への転向とどのように気持ちが変化していったのでしょうか?
膝の手術を3回行ってから思うように結果が出なくなり、チームからコーチになってくれと、いわゆる戦力外通告を受けました。その段階で現役として続けたいという気持ちはありました。そんな未練があったので、選手の練習を見たり、練習相手になったりするうちにもやもやして、まだ戦いたいという気持ちが強くなっていきました。
ただ、柔道での自分の限界はある程度わかっていたので、ステージを変えて世界を目指してみたいとの思いで、コーチと並行して、総合格闘技の練習を始めました。
ーーなぜ総合格闘技だったのですか?
総合格闘技は、以前からとても好きで「RIZIN」や「DEEP」など試合を見に行ったりもしていたんです。「PRIDE」を大晦日に見たりもしていましたね。
実際に練習を始めると、どんどん格闘技への思いが強くなっていきました。会社に所属しながらこれ以上練習をするということが難しかったので、会社を辞めて練習に打ち込むようになりました。安定していた会社だったので、辞めることへの不安はとても大きかったのですが、柔道をやるために入った会社だったので、会社に残る必要性が感じられず辞めることを決意しました。
ーー柔道から総合格闘技へ転向する上で大変なことはなんですか?
柔道と総合格闘技は全然違うのですが、私は柔道の癖が付いていたので、なかなか癖が抜けずとても難しかったです。ガードが下がってしまったり、力任せだったりと、そういった部分を意識して直すところから始まりました。今まで柔道では、本能的に体に覚えこませてやっていたのですが、総合格闘技は技が沢山あるので頭を使わないといけないんですよね。なので、一つ一つの技をとにかく体に覚えこませました。最初は頭がパンクしそうで。これは頭を使うのか!苦手だ!なんて思ったりしました(笑)
ーー12月に試合を控えていますが、どのような心境ですか?
試合しないと見えてこない部分が沢山あると思うので、早く試合がしたいです。試合以上の経験はないので、練習ばかりしていてはダメですね。緊張しますけど(笑)
コーチと作戦を練っているところなのですが、柔道という強みを生かしつつ、そこに頼ってばかりではいけないので満遍なく練習はしています。男性とばかり練習をしているので、どれくらい強くなっているかわからないのですが、なんとか行けるとは思います。
ーー今後の格闘家としてのプランを教えてください
一戦一戦を大事にすることはもちろんですが、柔道をやっていた時はオリンピックを目指していたので、目標はそれ以下に下げたくなく、やはりUFCや世界を目指してやっていきたいです。今柔道をやっている方達へ、総合格闘技という新しい道を示していけたらいいなと思います。
ラーメンが大好きで、時間があると美味しいお店を渡り歩くという渡辺選手ですが、現在は試合に向けてラーメン断ちをしているとのこと。
デビュー戦に勝利し、勝利の祝杯(ラーメン)をあげてもらいたいです。
12月3日、「DEEP JEWELS 18」で総合格闘家として生まれ変わった渡辺華奈が登場します。
INFORMATION
渡辺華奈
所属:Fighter’s Flow
身長・体重:167cm・57kg
柔道四段、7年間全日本指定強化選手、
オリンピック最終選考会三回出場
柔道タイトル
・インターハイ2位
・全日本ジュニア優勝
・アジアジュニア優勝(国際大会)
・ロシアジュニア2位(国際大会)
・全日本選手権5位(2回)
・インカレ3位
・インカレ団体2位
・東京都実業団優勝
・東日本実業団体2連覇・
・全日本実業団3位
・全日本実業団体2位
・アジアオープン台北2位(国際大会)
・フランス大会団体優勝
・ヨーロッパ大会団体3位
INFORMATION
DEEP JEWELS 18
●日 時:2017年12月3日(日) OPEN/11:00 START/11:30
●会 場:新宿FACE
DEEP JEWELSアトム級 ●川村虹花(仮面女子) VS REICA(ISHITSUNA MMA GYM)
DEEP JEWELSアトム級 次期王者挑戦者決定戦 5分3R ●SARAMI(パンクラスイズム横浜) VS 前澤智(リバーサルジム 立川 ALPHA)
DEEP JEWELS 58kg以下 ●奈部ゆかり(パラエストラ柏) VS 中倉百合花(フリー)
DEEP JEWELSアトム級 ●桐生祐子(BRAVE) VS 北野きゅう(高田馬場道場)
DEEP JEWELSフライ級 ●渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW) VS ひかり(ピロクテテス新潟)
DEEP JEWELSアトム級 ●佐藤絵実(毛利道場) VS 青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)
DEEP JEWELS 49kg以下 ●古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY) VS ARAMI(MIBURO)
DEEPJEWELSストロー級 ●山口さゆり(和術慧舟會HEARTS) VS 真央(フリー)
DEEP JEWELSアトム級 ●宗田智美 (HIDE’S KICK) VS まど花 (フリー)
DEEPJEWELSフライ級 ●カーシャ(MIBURO) VS RYO ko SKY WALKER(BRAVE)
DEEP JEWELSストロー級 3分2R グラップリングルール ●長野美香(フリー) VS 齋藤裕子(暁道場)
DEEPJEWELSフライ級 ●カーシャ(MIBURO) VS RYO ko SKY WALKER(BRAVE)
DEEP JEWELSストロー級 3分2R グラップリングルール ●長野美香(フリー) VS 齋藤裕子(暁道場)
DEEP JEWELSアトム級 3分2R アマチュアルール ●山崎桃子(CRAZY ARMAMENT) VS 吉川桃加(禅道会)