独立リーグの今季展望と見どころ
WATCH独立リーグの今季展望と見どころ
初めて独立リーグが日本でも発足し、10年余りになりますが、年々レベルアップしてきています。今回、四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグを紹介します。
四国アイランドリーグplus
2005年に、日本で初めての独立リーグとして始まった同リーグは、今年で14年目を迎えます。参加球団には紆余曲折があったものの、リーグ発足当初からの四国の4球団でリーグ戦が繰り広げられるとともに、福岡ソフトバンクホークス(三軍)との定期交流戦に加え巨人(三軍)との交流戦も行われます。
今年は、3月31日(土)の愛媛マンダリンパイレーツ‐巨人(坊っちゃんスタジアム)、4月1日(日)の徳島インディゴソックス‐香川オリーブガイナーズ(オロナミンⅭ球場)、高知ファイティングドッグス‐福岡ソフトバンクホークス(高知球場)の各試合を皮切りに前期戦が開幕します。
前期戦は6月3日(日)に終了予定、後期戦は、7月28日(土)に開幕予定です。前期の試合と試合の間が、2か月近くありますが、梅雨と重なること、高校野球地区大会の期間中は、球場の確保が難しいといった問題があるということです。そのため、リーグ戦はあえて行わず、選手たちは地域貢献活動などに専念します。2015年と2016年の2年間は、四国アイランドリーグの選抜チームが北米へ遠征し、アメリカ合衆国の独立リーグ、カンナムリーグと交流戦をしていました。
ルートインBCリーグ
日本で二番目の独立リーグとして、2007年からリーグ戦が始まり、今年で12年目を迎えます。発足当初は、北信越BCリーグとして北信越地域の4球団でスタート、徐々に参加球団を増やし、現在、東は福島から西は滋賀まで10球団でリーグ戦を行います。今季は、昨季と同様に巨人(三軍)との交流戦が組まれました。なお、リーグはFUTURE‐East(東地区)とADVANCE‐West(西地区)の東西に分かれています。
今季リーグは、4月7日(土)に群馬ダイヤモンドペガサス‐栃木ゴールデンブレーブス(敷島球場)、新潟アルビレックスBC‐武蔵ヒートベアーズ(エコスタジアム)、富山GNRサンダーバーズ‐福島ホープス(高岡西部球場)、滋賀ユナイテッド‐石川ミリオンスターズ(甲賀スタジアム)の4試合を皮切りに前期戦が開幕します。
昨年から、新規加入したのは、滋賀ユナイテッドと栃木ゴールデンブレーブスです。栃木ゴールデンブレーブスは昨季、前期は東地区で最下位、後期は4位。滋賀ユナイテッドは前期、西地区で4位、後期は最下位と共に初年度は低迷しました。そんな栃木ゴールデンブレーブスに今季、横浜ベイスターズや巨人でプレーした村田修一選手が入団しました。NPBで活躍した選手が間近で見ることができるのも独立リーグならではのことです。又、滋賀ユナイテッドの監督には巨人OBの松本匡史が就任しました。両チームとも、今季は優勝争いをしたいところです。
ドラフト候補がそろう独立リーグ
なんといっても四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグからNPBのドラフトで毎年、指名される選手を輩出している点が大きいでしょう。昨季、四国アイランドリーグplusからはわずか2人の指名に止まりました。埼玉西武ライオンズから3位指名された伊藤翔(徳島インディゴソックス)、中日ドラゴンズから育成1位で指名された大蔵影人(徳島インディゴソックス)です。毎年のように指名選手を出していた西田真二監督率いる香川オリーブガイナーズからはありませんでした。
ルートインBCリーグからは、過去最多の6人が指名されました。福岡ソフトバンクホークスから育成6位指名の渡邉雄大(新潟アルビレックスBC)、東北楽天イーグルスから7位指名の寺岡寛治(石川ミリオンスターズ)、DeNAベイスターズから6位指名寺田光輝(石川ミリオンスターズ)、同じく9位指名の(山本祐大)、東京ヤクルトスワローズから7位指名の沼田拓巳(石川ミリオンスターズ)、千葉ロッテマリーンズから育成1位指名の和田康士朗(富山GNRサンダーバーズ)らです。
この両リーグ出身で、NPB入りし活躍する選手も珍しくありません。千葉ロッテマリーンズの角中勝也(高知ファイテングドッグス)、中日ドラゴンズの又吉克樹(香川オリーブガイナーズ)らがそうです。又、藤川球児のように、アメリカから一旦四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに在籍したのち、阪神タイガースに復帰した前例もありますので、村田修二も充分NPBに復帰できるチャンスはあります。
実力次第で、今年のドラフトでも指名される選手は出てきます。どんな選手が台頭してくるのか、期待したいところです。
国際色豊かな外国人選手
多くの外国人選手が、プレーしにやってくるのも特色の一つです。昨季は、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに元メジャーリーガーのマニー・ラミレス選手が入団し話題になりました。残念ながら今年は来日しないようですが、素晴らしいプレーやすっかり四国に馴染んだマニー選手は印象深いものがありました。
元オリックスバファローズのフランシスコ・カラバイヨが、現在もルートインBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに、コーチ兼任で在籍(昨年の本塁打王)しています。四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックス、ハ・ジェフンもNPBの契約が切れたのちも四国でプレーしています。
他にも実力を持つ選手はいます。四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツに在籍していたラフェエル・ポロは走攻守の三拍子揃った選手ですが、今季はルートインBCリーグの信濃グランセローズでプレーします。
マイナーな国出身の選手としては、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに在籍するゾーゾー・ウー(ミャンマー)、高知ファイティングドッグスのサンホ・ラシィナ(ブルキナファソ) の2人がいます。ゾーゾー・ウーは、左腕投手ですが、2013年の来日後、本格的な投手へと成長しました。サンホ・ラシィナは、東アフリカのブルキナファソ出身、プロ野球選手を目指して来日しました。当初は練習生でしたが、テストに合格し選手登録、練習の成果もあって着実に力を付けています。今後の成長が見ものです。