関西の大学野球オールスター集結 5リーグ対抗戦
WATCH関西の大学野球オールスター集結 5リーグ対抗戦
毎年6月に開催される大学野球関西オールスター5リーグ対抗戦、一昨年と昨年はコロナ禍により中止になりましたが、第29回となる今年は3年ぶりに開催されました。春季リーグで活躍した選手が一堂に会しての大会です。また、この5リーグ対抗戦優勝リーグには秋季リーグ後の神宮大会の出場決定戦(関西から2枠)でのスーパーシード権が与えられるため、真剣勝負の大変見ごたえのある大会でもあります。今回は、今年の5リーグ対抗戦の模様を紹介します。
好ゲームで大会始まる
選手宣誓する青地斗夢選手(関西学生野球連盟/同志社大)
関西の5リーグが一堂に会しての第1回大学野球関西オールスター5リーグ対抗戦が開催されたのが1994年のことです。今年で第29回目となる大会は6月24日から26日までわかさスタジアム京都(京都市)で開催されました。
関西学生野球連盟の主将で同志社大の青地斗舞選手(4年/大阪桐蔭)の選手宣誓で開幕した今大会。関西六大学野球連盟と関西学生野球連盟との一戦で幕を開けました。各リーグとも所属の各チームのユニフォームでの出場ですが、関西学生野球連盟に限っては毎年、連盟選抜チームのお揃いのユニフォームを着用しています。
関西学生野球連盟は、関西大の金丸夢斗投手(2年/神港橘)、関西六大学野球連盟は大阪経済大の才木海翔投手(4年/北海道栄)の先発で始まった試合は、同点のままタイブレイクとなった延長10回裏に関西学生野球連盟が同志社大の杉浦有祐選手(4年/大谷)の内野安打の間に勝ち越しの得点をあげ、3時間近い熱戦に決着がつきました。
関西学生野球連盟は、同志社大の高橋佑輔投手(4年/豊田西)、関西学院大の執行大成投手(3年/県立伊丹)ら5人の投手で、関西六大学野球は龍谷大の伊藤岳斗投手(3年/磐田東)、大阪商業大の伊原陵人投手(4年/智辯学園)ら6人の投手で繋ぎ、オールスターに相応しい豪華な投手リレーが見られました。また、近畿大の久保玲司投手(4年/関大北陽)が6回に代走で出場しましたが、リーグ戦では見られない選手起用でしょう。
これに対して、同日、行われた阪神大学野球連盟と近畿学生野球連盟の試合は白熱した投手戦となり、2-0で阪神大学野球連盟が試合を制しています。近畿学生野球連盟は、奈良学園大の植木佑斗投手(3年/履正社)が先発し5イニングを好投したものの打線が繋がらず、これに対して阪神大学野球連盟は8回に連打で2点を得ています。阪神大学野球連盟は神戸国際大の辰村悠輔投手(3年/加茂暁星)がラスト3イニングを締め、好投しています。
伊原陵人投手(関西六大学野球連盟 /大阪商業大)
関西学生野球連盟の打線が爆発
翌25日、関西学生野球連盟は京滋大学野球連盟と対戦。関西学生野球連盟は立命館大の秋山凌祐投手(4年/愛工大名電)が先発、京滋大学野球連盟は花園大の奥田貫太投手(3年/八幡商)の先発で試合は始まりました。この試合では関西学生野球連盟の打線が爆発、京滋大学野球連盟は4番手に京都先端科学大の庄田和規投手(3年/日南学園)、5番手に佛教大の木村光投手(4年/奈良大附属)を投入するも勢いを止めることができず、10-0(7回コールドゲーム)と関西学生野球連盟は圧勝しています。
圧倒的な強さで関西学生野球連盟が優勝
関西学生野球連盟 優勝決定
決勝の関西学生野球連盟と阪神大学野球連盟の試合は、関西学生野球連盟が関西学院大の西隼人投手(4年 福岡大大濠)、執行大成投手、京都大の水江日々生投手(3年 洛星)が完封リレーで7-0と阪神大学野球連盟を下し、2017年の第24回大会から4大会連続優勝を果たしています。神宮大会代表決定戦でのスーパーシード権は関西学生野球連盟が獲得しました。
今大会は優勝が関西学生野球連盟、準優勝が阪神大学野球連盟、3位が関西六大学野球連盟、4位が京滋大学野球連盟となっています。また、関西学生野球連盟の投手力と打線がひと際目立った大会でもありました。なお、関西学生野球連盟の優勝回数は計12回となり過去最多です。
なお、関西六大学野球連盟と京滋大学野球との3位決定戦では、関西六大学野球連盟が接戦を制し、4-3で京滋大学野球連盟を下しています。京滋大学野球連盟は佛教大の徳田光希投手(4年 大本)、京都先端科学大の庄田投手の継投で両徒手ともに好投したものの、打線にあと一本が出ず勝利に結びつきませんでした。
5人の選手が表彰
徳田光希投手(京滋大学野球連盟/佛教大)
今大会での表彰選手は下記のとおりです。
■最優秀選手
杉浦有祐選手 関西学生野球連盟 同志社大(4年/大谷)
■敢闘賞
田中孝雅投手 阪神大学野球連盟 大阪産業大(4年/大成学院大高)
■優秀選手
青地斗夢選手 関西学生野球連盟 同志社大(4年/大阪桐蔭)
才木海翔投手 関西六大学野球連盟 大阪経済大(4年/北海道栄)
徳田光希投手 京滋大学野球連盟 佛教大(4年/大本)
杉浦選手と青地選手の両選手は関西学生野球連盟の主軸打者を担い、破壊的な打線で得点に貢献しています。とりわけ杉浦選手は3試合で長打を含む9安打と文句なしの最優秀選手です。春季リーグでの青地選手はまずまずの成績、杉浦選手は4割のアベレージを残しており、5リーグ対抗戦でも実力を発揮してくれました。
敢闘賞を受賞の田中投手は近畿学生野球連盟との初戦で好投し、決勝の関西学生野球連盟との試合でもワンポイントで要所を締めるピッチングをするなど優勝こそ逃しましたがリーグを代表してまずまずの成績を残しています。
才木投手は初戦の関西学生野球連盟との試合では先発で3イニングを投げ無失点に抑え、京滋大学野球連盟との3位決定戦ではラスト1イニングを抑えるなど申し分のないピッチングを見せてくれました。
また、佛教大の徳田投手は3位決定戦で先発し6イニングを投げ好投。打線の援護がなかったのが唯一悔やまれるところです。
表彰選手以外では、関西六大学野球連盟、大阪商業大の伊原陵人投手(4年/智辯学園)、龍谷大の伊藤岳斗投手(3年/磐田東)らが短いイニングながら登板し、いいピッチング内容を残しています。普段のリーグ戦ではなかなか見ることのできない対戦が実現する関西オールスター5リーグ対抗戦、出場した選手たちの秋季リーグでの活躍にも注目です。