「愛」を背負ってリオ五輪へ ビーチバレー 浦田景子のラストチャレンジ

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「愛」を背負ってリオ五輪へ ビーチバレー 浦田景子のラストチャレンジ

スポーティ

太陽と海を背に華麗に砂浜を舞う女子ビーチバレーボール。夏季五輪の種目で一番の集客力を持つ競技でもあります。そんなビーチバレーで2016年リオ五輪出場を目指し、世界ツアーを戦う一人の日本人選手がいます。

世界への挑戦で感じた“チャンス”

浦田景子さんは中学2年生からバレーボールを始め、高校卒業後に実業団へ。Vリーグ昇格を目指しますが叶わず、地元福岡のクラブチームでプレーしていたときにビーチバレーに出会いました。

屋外で行うビーチバレーは風や砂の影響を受けるため、その日のコートコンディションによって戦略が大きく変わります。風を使い、相手の弱点を突くことが求められる「経験がモノを言う」スポーツ。バレーボールの経験を生かし県代表として日本選手権に出場した浦田さんですが、トッププロにぼろ負けをします。

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友人に誘われて遊びのつもりで始めた競技ですが、その奥深さに魅せられた浦田さん。ついにはビーチバレーのメッカ・湘南へと移住して、本格的に国内大会に参加するように。転機は2011年、「ビーチの妖精」と言われ注目されていた浅尾美和選手とチームを組むことになり、環境が一変しました。

最初は日本で勝つことだけを考えてました。でも美和と組んで良い環境で練習出来たり、ワールドツアーに参戦することが出来て、そこで初めてオリンピックが見えてきた。「戦えるな」って思ったんです。

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屋内のバレーボールでは圧倒的な不利となる欧米選手との体格差も、ビーチなら戦術やパス精度で埋められる。国内でプレーを続けるだけでは見えなかった夢が、世界との戦いで生まれました。

オリンピックは別世界だといろんなアスリートの方から聞きました。私も人生かけてビーチバレーをやってきたので、最後はオリンピックで終わりたいな、と。

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浦田さんは現在36歳。体力と技術の均整が取れる2年後のリオ五輪を、自らのラストチャレンジと決めました。

五輪の先にビーチバレーの未来を見据えて

ビーチバレーは「愛」ですね。2人チームでやるスポーツなので、相手のことをどれだけ思っているかが大事なんです。ケンカするときもあるけど、お互いを認め合って許しあうことが出来るチームが強い。パートナーを探すのも恋愛みたいなものなんですよ。

ラストチャレンジの「恋人」は永田唯選手。現在25歳、全日本の経験もある若手のホープです。浦田さん自身、永田選手と組めたことでリオ五輪への想いがより一層強まったと言います。

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今、日本のビーチバレーが少し低迷しつつあると感じています。この状況を打開するには、東京オリンピックに出場する若い子たちが育っていかないといけない。私たちが活躍することで、彼女たちの環境も、「気持ち」も、変えていきたいと思っています。

かつての浦田さんがそうであったように、次世代を担う若い選手に「世界で戦える」意識を芽生えさせること。そこには夢を見させてくれたビーチバレーへの恩返しの気持ちがあります。

ファンといっしょにリオ五輪に出る方法を

リオ五輪に出場するにはワールドツアーの「すべての大会に参戦する」というのが最低条件。しかし8大会以上のツアーを転戦するには多額の渡航費やスタッフ・コーチの人件費などが必要になり、個人の貯金だけではまかないきれない金銭的な負担が大きくのしかかります。

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一つ一つの大会で結果が求められる中、ベストコンディションで挑むためには大きな企業スポンサーを探して回る時間もない。そこで浦田さんは、クラウドファウンディングという仕組みを使うことにしました。

クラウドファウンディングとは、企業ではなく個人ひとりひとりのスポンサーをインターネット上で集めるサービス。出資してくれた支援者には額によってさまざまなリターンがあります。

浦田さんは「いろんな方の想いを背負って戦いたい、応援してくれる方といっしょに戦いたい」と、自身のレッスン権や実際にツアーで使用した道具などをリターンとして用意しました。

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負け続けていたときから応援してくれている方や、いつも地方大会まで足を運んでくれる方、本当にたくさんのファンの方に支えられて今までやってきました。だからなかなかビーチバレーやめられなくなっちゃったんですが(笑)、その想いを背負ってワールドツアーを戦い、リオ五輪に出場して皆様に恩返しがしたいと思っています。

ビーチバレーへの「愛」、そして応援してくれた人への「愛」を胸に、浦田景子はリオ五輪へのラストチャレンジを始めています。

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