配布部数4万部! 「もう一つの早明戦」にかけるスポーツ新聞部の熱き思い

配布部数4万部! 「もう一つの早明戦」にかけるスポーツ新聞部の熱き思い WATCH

配布部数4万部! 「もう一つの早明戦」にかけるスポーツ新聞部の熱き思い

スポーティ

昨年12月1日に行われた大学ラグビー早稲田vs明治の一戦。言わずと知れた伝統の「早明戦」ですが、ピッチ外でも熱い戦いが繰り広げられていたことを知っていますか?

主役は両校のスポーツ新聞部。早明戦の会場では毎年、彼らの手がけた「大学ラグビー特集号」が配布されています。その数なんと1校につき2万部超。明大スポーツ新聞部の協力のもと、“もう一つの早明戦”にかける熱い大学生たちを追いました。

④ラグビー_s

声の明治! 数の早稲田! 早朝の配布対決

「今年の明治大学ラグビー部は監督が変わり選手層も若返ったので、取材もゼロからやり直しでした。しかし春シーズンが大敗続きで苦しいチーム状況。今号は秋シーズンに向けてどう成長したのかという点を中心に特集しました」(明スポ・今野くん/以下略)

午前8時、できたばかりの「明大スポーツ」を持って国立競技場に集合した明大スポーツ新聞部(明スポ)。まずは会場の外で待つ徹夜組の観客約100名に新聞を配布。そして3ヶ所の入場門に分かれ、部員総出で配布していきます。遅れて早稲田スポーツ新聞会(早スポ)も配布を開始。観客が続々と国立競技場に向かう中、声を出して一人一人に手渡していきます。

「とにかく大声を出してグイグイ配ります。早スポは各大学の中でも特に部員数が多く、取材力・配布力・機動力を兼ね備えた強敵。明治は部員が少ないので普通に配ると負けてしまうんです」

試合開始30分前には、両校の用意した約4万部の新聞が全てなくなってしまう盛況ぶりでした。両校ともほぼ同時に配り終えたため、この対決はドロー。

②配布写真_s

記者席でバトル勃発!? 試合中は連携プレー

配布が終わると取材チームはメインスタンドの上部の記者席へ、カメラチームはピッチへ向かい準備を整えます。記者席では早スポと明スポが隣り合わせ! ここでも熱い戦いが…と思いきや「今年は早スポ明スポ合併号を共同製作したので、早稲田スポーツの記者とも知り合いなんですよ」と、和気あいあいに情報交換をしていました。試合中は試合経過のメモと同時に、カメラチームと連絡を取りながらTwitterやwebなどのリアルタイム更新もこなしていきます。

③試合取材_s

プロとの勝負! 試合後のぶら下がり対決

試合は早稲田大学が15−3で勝利。会場が歓喜に包まれる中、新聞部は戦闘態勢に入ります。試合終了後にはぶら下がりと呼ばれる選手個人への取材が待っているのです。しかし選手に会えるのは会場裏口から移動バスまでの約50メートル。この短い時間でプロ新聞記者との取材合戦に勝たなければなりません。

「明大主将の圓生さんは顔馴染みだったので、なんとか張り付いて話を聞くことが出来ました。今年1年、人間関係を築きながら選手に密着してきたんです」

体の大きさは違えど、そこは同じ大学の仲間。友達のような話しやすさも学生記者には重要な武器になるのです。日頃の積み重ねが功を奏し、この日の取材は無事終了。しかしまだまだ両校の新聞部対決は終わりません。

⑥明スポ_s

決着の舞台は「東京五大学新聞コンテスト」

試合の2週間後、5つの大学(慶応、法政、明治、立教、早稲田)がその年に制作したスポーツ新聞の完成度を競う第3回東京五大学新聞コンテストが開催されました。もちろん早明戦取材号も審査に大きく関わってきます。今年の最優秀賞(朝日新聞社賞)は…なんと明スポ! コンテスト創設以来、2年連続最優秀賞の早スポ(今回は写真賞を受賞)を抑え、初の栄冠に輝きました。さぞかし喜びに浸っていると思いきや…

「またすぐに箱根駅伝の取材があるので、これを自信に頑張ります!」

彼らが作るのは一回きりのフリーペーパーではなく、あくまでスポーツ新聞。大学スポーツのあるところならどこにでも出没し、母校の魅力を伝え続けるのが彼らの使命なのです。カレッジスポーツの応援には、そんな魂のこもった大学スポーツ新聞を手に取ってみてはいかがでしょうか?

⑤photo_s
 

ラグビー 国立競技場 大学