一度は見たい伝統のスタジアム!リバプールを愉しむ

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一度は見たい伝統のスタジアム!リバプールを愉しむ

スポーティ

ホントにアンフィールドがあるの!?静かで小さな街・リバプール

プレミアリーグのファンじゃなくても、欧州のサッカーが好きなら、「リバプールの本拠地アンフィールドに、一度は行ってみたい」という人は多いのではないでしょうか。

試合前と、タイムアップ直前に響き渡る、「You’ll Never Walk Alone」の大合唱。熱狂的なサポーターの応援。美しいピッチ。

このスタジアムは、実は1892年まではライバルのエバートンのホームスタジアムでした。エバートンがグディソン・パークに引っ越した際に、新たに設立されたのがリバプールで、以来両者は伝統のライバルとして、マージーサイドダービーを225回戦っています。

いずれ足を運んでみたいという方のために、リバプールという街のさまざまな魅力について紹介しましょう。

ロンドンのユーストン駅からナショナルトレインで約2時間30分は、新幹線で東京から大阪にいく感覚です。

ビートルズの街、あのアンフィールドの街と期待に胸を膨らませて現地に着いた人は、リバプール・ライム・ストリート駅に降り立った瞬間、違和感に襲われるのではないでしょうか。人口40万を超える都市とは思えないくらい、リバプールの中心部は静かで小ぢんまりとしているのです。

リバプール・ライム・ストリート駅は、日本のターミナル駅と比べてもコンパクト。周辺にはパブやホテルが点在しているぐらいで、日中でも静か

リバプール・ライム・ストリート駅は、日本のターミナル駅と比べてもコンパクト。周辺にはパブやホテルが点在しているぐらいで、日中でも静か

この街では、駅の近くに宿泊することをおすすめします。

ビートルズゆかりの地・マシュー・ストリート、リバプール大聖堂、アルバート・ドック、中華街などの観光スポットには駅周辺から歩いていけます。ましてやプレミアリーグが目的とあれば、アンフィールドやグディソン・パークに向かうバスが発着するターミナルに近いほうがいいでしょう。

リバプール・コーチ・ステーションは、駅から歩いてすぐ。アンフィールドには17番か26番(試合がある日は917番も)、グディソン・パークは19番のバスに揺られれば、20分もするとスタジアムの屋根が見えてきます。

アンフィールドとグディソン・パークはすぐ隣

リバプールとエバートンの本拠地は、歩いていけるぐらいの距離しか離れておらず、グディソン・パークからスタンリー・パークという公園を通り、古い住宅地を抜けたところにアンフィールドがあります。

それぞれの周辺には、売店や小さなパブしかなく、「いざ世界的なスタジアムへ」と構えていくと、スタジアム内の熱さと裏腹の穏やかな雰囲気に拍子抜けします。

グディソン・パークのフィッシュ・アンド・チップス。モルトビネガーを振りかけて食べるのが一般的で、見た目よりもあっさりしています

グディソン・パークのフィッシュ・アンド・チップス。モルトビネガーを振りかけて食べるのが一般的で、見た目よりもあっさりしています

筆者は、3年前の冬にグディソン・パークでチェルシー戦を観たのですが、スタンド脇の売店で買ったフィッシュ・アンド・チップスにはびっくりしました。3.5ポンドは、当時のレートで450円。ジャンクフードにしては結構なお値段なのですが、これでもロンドンの2/3程度で、かじってみるとまさにB級。衣はパリパリを超えてバリバリです。味は悪くないので、とにかくスタジアムとサッカーを満喫したいなら、食事は現地調達とするのもいいでしょう。


日本ではリバプールのほうが圧倒的に有名ですが、「応援するクラブは特にないけれど、プレミアリーグの雰囲気を味わいたい」という人は、よりチケットが入手しやすいエバートンの試合を観にいくのも手です。

スタジアムはややコンパクトながら、サポーターの一体感や雰囲気の素晴らしさは、リバプールに負けていません。現在のエバートンには、ベルギー代表のエースストライカーをリバプールのベンテケと争うロメウ・ルカク、プレミアリーグのアシストランキングで2位につけているデウロフェウ、イングランド代表期待の攻撃的MFロス・バークリーが在籍しており、速攻主体のサッカーはスリリングで魅力的です。

グディソン・パークは、イングランドのスタジアムらしくピッチが近く視界良好

グディソン・パークは、イングランドのスタジアムらしくピッチが近く視界良好

世界遺産の海商都市を満喫しよう

サッカーを満喫したら、歴史と伝統に彩られた街歩きを愉しみましょう。

リバプールの中華街は欧州最古といわれており、商売っ気たっぷりなロンドンのチャイニーズレストランにはない家庭的な雰囲気があります。中華街を越えると、英国国教会の聖堂としてはヨーロッパでも屈指の規模を誇るリバプール大聖堂があり、荘厳な建築と彫刻やステンドグラスの美しさが見どころです。

海のほうに足を向ければ、世界遺産に登録されているアルバート・ドックがあります。マージ―サイド海洋博物館、ビートルズ・ストーリーなどの名所があり、横浜の赤れんがを思い出させる倉庫群の周辺は、朝のんびり散歩するのも気持ちいいエリアです。

ロンドンにあるセントポール大聖堂の2倍の大きさを誇るリバプール大聖堂。9700本以上に及ぶパイプを使ったオルガンが有名

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1846年に完成したアルバート・ドッグに並ぶ倉庫は、鉄、レンガ、石で作られた世界初の完全耐火仕様

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リバプールとエバートンのグッズを並べて販売するショップを発見。他の地域に比べてファン同士が友好的なのが、マージ―サイドの特徴のひとつ

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夜、訪れたいのが、デビューする前のビートルズが演奏していた「キャバーンクラブ」があるマシュー・ストリート。

100メートルもない短い通りには、メンバーが行きつけだったパブ「ザ・グレープス」やグッズショップなど、ビートルズ関連のお店が密集しています。ライム・ストリート駅周辺にもパブが多く、カジュアルに食事を済ませたい人には便利です。

食事がおいしくないといわれがちなイギリスですが、リバプールのパブでいただいたアイリッシュ・シチューはなかなかの味

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クロップ監督就任で盛り上がるリバプール

今季のプレミアリーグではなかなかゴールが決められず、低調だったリバプールでしたが、10月にドルトムント前監督のユルゲン・クロップさんが指揮官に就任してからはアグレッシブなチームに生まれ変わり、レッズサポーターの期待が高まっています。

主将のヘンダーソン、新加入のベンテケ、今年の南米選手権でブラジル代表の10番として活躍したフィルミーノ、同じくブラジル出身のテクニシャンであるコウチーニョなどタレントも揃っており、新監督のスタイルが浸透し始めたチームは、年明けから巻き返してくるはずです。リバプールに興味がある人は、スタジアムの熱さと穏やかで過ごしやすい街並みのコントラストを、ぜひ体感してみてください。

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