プレミアリーグの高額年俸選手は、ワールドカップで価値を証明できる!?

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プレミアリーグの高額年俸選手は、ワールドカップで価値を証明できる!?

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ワールドカップで初のVAR(video assistant referee)導入によるセットプレーからの得点の増加や、クリスティアーノ・ロナウドの千両役者ぶり、強豪国の思わぬ苦戦に、日本を始めとしたジェイアントキリングと様々な話題を提供している「2018 FIFAワールドカップ ロシア」。
今回はプレミアリーグ所属の選手の年俸ランキングとともに、上位選手のグループリーグ第一戦での活躍を振り返ってみます。

TOP写真(PHOTO by Danilo Borges)

TOP10の年棒は16億円超!

アレクシス・サンチェスが週給50万ポンド(約7350万円)、メスト・エジルは35万ポンド(約5150万円)。ポール・ポグバが29万ポンドで、セルヒオ・アグエロは26万ポンド。「デイリー・ミラー」が2月に報じた、プレミアリーグの高額年俸のTOP4です。ルカクとデブライネのベルギー代表コンビが25万ポンドでこれに続き、セスク・ファブレガス、エデン・アザール、ヤヤ・トゥレは22万ポンド(約3230万円)。マンチェスター・ユナイテッドを退団したズラタン・イブラヒモヴィッチも、22万ポンドでTOP10にランクインしています。

サンチェスの年俸は、日本円にすると38億2000万円!7位の4人でも16億8000万円という高額年俸です。このなかで、ワールドカップに出場するのは、エジル、ポグバ、アグエロ、ルカク、デブライネ、アザールの6人。彼らは、世界の精鋭が集まる華やかな大会で、年俸に見合う価値を発揮できるでしょうか。


昨年亡くなった父親の写真をすね当てにプリントしてプレイするポグバ(PHOTO by Светлана Бекетова)

スルーパスと自らのゴールでチームを救ったポグバ!

それぞれの初戦は、明暗分かれる結果となりました。最初に登場したのは、オーストラリアと戦ったフランス代表のポール・ポグバ。アジア予選で日本とサウジアラビアの後塵を拝し、大陸間プレーオフにまわったオ―ストラリアは、1月に就任したファン・マル・バイク監督によって別のチームになっていました。ムバッペ、デンベレ、グリーズマンの高速3トップはスペースを与えてもらえず、前半は0-0。左のインサイドMFとして起用されたポグバは、執拗なチェックを受けて前に出られず、開始5分に蹴った直接FKしか見せ場がありませんでした。

ポグバが輝き始めたのは、オーストラリアの守備陣が前後に広がり、パスコースが空くようになった後半でした。54分、グリーズマンが最終ラインの裏に走り込むと、後方にいたポグバが長いスルーパスを通します。ペナルティエリアに入ったところでグリーズマンが足を引っかけられ、ジャッジはPK。グリーズマンは、ゴール右隅に強いボールを蹴り込み、ようやくフランスが先制します。苦しい展開が続いていたチームを救ったのは、視野が広いポグバの絶妙なパスでした。

何とかリードしたフランスは、4分後にウムティティが軽率なハンドでPKを取られ、同点に追いつかれてしまいました。オーストラリアの堅守に手を焼き、シュートが打てない状況を打開すべく、デシャン監督は残り20分でジルーとフェキルを投入します。勝ち越しゴールは81分、ポール・ポグバ。ワンツーを決めて前線に攻め上がったマンチェスター・ユナイテッドのMFは、ジルーに出した縦パスのリターンを受けてゴール前に突進すると、右隅を狙ってシュートを放ちました。DFに当たったボールは、クロスバーの下を叩いてゴールイン。ポグバの2点に絡む活躍で、フランスは難しい初戦をものにしました。


前回大会ではノーゴールのアグエロ。アイスランド戦の1発は、意外にもワールドカップ初ゴール(PHOTO by Agencia Brasil)

アグエロは上々のスタート、エジルは沈黙

ポグバと同様に、アグエロも初戦でゴールを決めましたが、アルゼンチンは小国アイスランドに1-1で引き分けてしまいました。マンチェスター・シティのエースが強烈なシュートを突き刺したのは、19分。攻め上がったロホがシュート性の速いボールをゴール前に入れると、DFを背にして巧みにトラップしたアグエロは、瞬時に反転して左足を振り抜きました。

最後のワールドカップになるかもしれない29歳のストライカーは、ペップ・グアルディオラのチームで戦っているときと変わらず、相手に脅威を与えています。すぐにアイスランドに追いつかれたアルゼンチンは、メッシのPK失敗もあって、ドロースタートとなりました。DFとの駆け引きがうまく、何でもない状況をチャンスに変えられるアグエロは、ハードマークを強みとするクロアチアとのゲームでもゴールが期待できるのではないでしょうか。

アルゼンチンよりも危機的な状況に追い込まれたのは、メキシコのカウンターに沈んだドイツです。メスト・エジルのプレイは、プレミアリーグNo.2のサラリーに見合うものではありませんでした。左右に展開するボールは、さすがドイツの司令塔と思わせるクオリティでしたが、メキシコのしつこいチェックを受けて、決定的なパスを出せず。1点のビハインドを背負った後半は、マルコ・ロイスがトップ下に入ったため、深い位置でボールを散らすのみに留まりました。

敗戦スタートとなった前回王者は、スウェーデンに勝てなければ一気にグループリーグ敗退の危機に陥ります。


プレミアリーグアシスト王のデブライネは、ワールドカップでもさっそく1アシスト(PHOTO by joshjdss)

デブライネとアザールのアシストでルカクが2発!

上位が軒並み苦戦するなか、ベルギーは格下のパナマに3-0で快勝しました。後半開始直後にメルテンスがスーパーボレーを決めた後、プレミアリーグの高給取りたちが躍動。69分にペナルティエリアの手前でボールをキープしたデブライネは、左に持ち出しながら味方の位置を確認すると、右足のアウトにかけた完璧な浮き球をルカクの頭に合わせました。

これで勢いに乗ったマンチェスター・ユナイテッドのストライカーは、75分に追加点をゲットします。中央をドリブルで切り裂いたのは、エデン・アザール。左を並走していたルカクに文句なしのラストパスをフィードすると、飛び出したGKをかわすチップキックがゴールラインを越えていきました。

高額年俸ランキングの上位は、エジルを除けばそれぞれに持ち味を発揮しました。レアル・マドリードが欲しがっているといわれるアザールや、移籍したがっていると報じられたポグバの値段は、大会後に跳ね上がるかもしれません。弱小国の健闘が続くエキサイティングなステージとなっておりますが、ビッグクラブのエースたちは素晴らしいパフォーマンスを披露しています。

エジルの巻き返しはあるのか?ハリー・ケインは得点王になれるのか?サラーはエジプトを初勝利に導けるのか?高い年棒が話題となるワールドクラスを筆頭に、プレミアリーグの精鋭たちの活躍に注目したいと思います。