DNAが決め手!?兄弟で活躍するサッカー選手

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DNAが決め手!?兄弟で活躍するサッカー選手

スポーティ

前回2世に渡り活躍するサッカー選手を紹介したのに引き続き、今回は兄弟で活躍しているサッカー選手を取り上げたいと思います。

共にビッグクラブで活躍!ボアテング兄弟

兄のケビン=プリンス・ボアテングと弟のジェローム・ボアテングは、共にドイツのベルリン生まれの異母兄弟であり、ヘルタベルリンの下部組織出身です。2005年にプロデビューを果たした1歳年上の兄ケビン=プリンス・ボアテングは、トッテナムやドルトムントなど名門クラブを転々。その後は、念願であったACミランへの移籍を勝ち取ります。

ACミランでは途中から背番号10を背負うほどの活躍を見せ、ACミランの7年ぶりのスクデット獲得にも貢献。チャンピオンズリーグバルセロナ戦で魅せた華麗なトラップからの衝撃的なゴールを今でも覚えている人は多いのではないでしょうか。

その後は、2015年に母国ドイツのシャルケ04へと移籍。2016年1月にACミランへの復帰をへて、現在はスペインのUDラス・パルマスに所属しています。

代表歴は、U-21までドイツ代表として活躍していましたが、A代表では父親の母国であるガーナを選択。2014年までガーナ代表に招集されていました。


Prince 投稿者 CatatanBola

一方、弟のジェローム・ボアテングは、2007年にハンブルガーSVへ、2010年にはマンチェスター・シティFCへと移籍。しかし、マンチェスター・シティでは出場機会に恵まれず、翌年2011年に母国の名門バイエルンミュンヘンへと出戻ることになります。バイエルンでは安定したプレーを見せ、2012/13シーズンの3冠達成に主力として貢献。現在も2021年までの契約を結んでいるように活躍を続けています。

弟のジェローム・ボアテングがドイツのA代表として出場した2010年の南アフリカW杯では、ガーナ代表として出場して兄と同じグループに。W杯史上初の兄弟対決となりました。驚くべきことに更に2014年、ブラジルW杯でも同グループとなっており、何か因縁めいた物を感じさせる兄弟です。

史上最高額の男には双子の兄が!

2016年8月、23才という若さでありながら、サッカー史上最高額の移籍金(1億500万ユーロ、約126億円)で紙面を賑わせたポール・ポグバ。そんな彼にもプロとして活躍する双子の兄がいることをご存知でしょうか。

ポールと3歳離れた兄たちの名前はフロランタン・ポグパとマティアス・ポグパです。長男であるフロランタン・ポグパは、フランスリーグのサンテティエンヌでプレーするDF。次男のマティアス・ポグパはオランダのスパルタ・ロッテルダムでFWとしてプレーしています。

ポール・ポグパは、故郷フランスでA代表になる事を選択しましたが、ギニア生まれである双子の兄たちは、ギニアのA代表を選択。ポール・ポグパは「代表で兄たちと対戦するのが夢」と語っていましたが、兄たちは代表にコンスタントに呼ばれているわけではなく、そもそもギニアとフランスが対戦する可能性も高くないという状況でした。しかし、念願の兄弟対決が来年ついに実現します。現地時間12月12日に行われたヨーロッパリーグラウンド32の組み合わせ抽選によって、長男フロランタンの所属するサンティエンヌとマンチェスター・ユナイテッドの対戦が決まったのです。注目の兄弟対決は現地時間2017年2月16日の開催が予定されています。


ELで弟と対戦することとなった長男のフロランタン・ポグパは、マンチェスター・ユナイテッドのライバルであるアーセナルのファンだと公言しているそうです。

ベルギー代表には兄弟で活躍する選手がたくさん!

ポグパ兄弟の他にも現在のプレミアリーグには兄弟で活躍している選手がいます。それがチェルシーのエース、エデン・アザールらアザール兄弟です。

1991年1月、プロサッカー選手であった両親の元、ベルギーで生を受けた長男のエデン・アザール。フランスのリールで頭角を表すと、2012年に「ヨーロッパ王者と契約する」と発表。5年契約の移籍金3200万ポンド(約39億円)で、ユース時代から接触していたチェルシーFCへの入団を決定しました。チェルシーでは、デビュー戦から3試合連続でマン・オブ・ザ・マッチに選出されるなど、これまでにエースの名に恥じない活躍を見せてきています。

そんなエースにはプロとして活躍する2人の弟たちがいます。2歳年下の次男トルガン・アザールは、兄と共に2012年チェルシーへと入団。その後レンタル先であるボルシアMGで活躍し、完全移籍を果たした現在も主力として試合に出場し続けています。

さらに2つ歳の離れた三男キリアン・アザールは、ハンガリーの1部リーグであるウーイペシュトでプレー中。ちなみに、エデン・アザールやトルガン・アザールのベルギー代表での同僚クリスティアン・ベンテケにもプロで活躍する弟がいます。その弟ジョナタン・ベンテケと三男キリアン・アザールは以前所属していたベルギーのズルテ・ワレヘムで同僚だったそうです。

この他にもベルギー代表には、兄ロメロ・ルカクと弟ジョルダン・ルカクが選出されており、彼らのいとこにあたるボリ・ボリンゴリ=ムボンボもベルギーの強豪クラブ・ブルッヘで活躍しています。


アザール4兄弟。四男のエタン・アザール(写真右)は兄エデン・アザールと12歳差。彼も将来サッカー選手として活躍するのでしょうか。

日本にもいた!兄弟で活躍するJリーガー!

最後に、日本からも兄弟で活躍したサッカー選手を紹介しておきましょう。
長年にわたって日本代表チームを牽引してきた遠藤保仁。日本代表の最多出場記録保持者であり、ガンバ大阪にとって必要不可欠なキーパーソンにも、実はプロとして活躍した兄弟がいるのです。

遠藤選手の5歳年上の兄である遠藤彰弘は、横浜F・マリノスやヴィッセル神戸でプレーしていました。1996年アトランタオリンピックにも背番号“10”を背負って日本代表として出場。ブラジル代表に勝利し世界を驚かせた“マイアミの奇跡”を起こした試合でもスタメンとして活躍しました。

三兄弟で唯一プロにならなかった長男の遠藤拓哉も、鹿児島実業高校時代に元日本代表の前園真聖と共に活躍。社会人となってからは実業団チームに在籍し、京セラ川内サッカー部でもプレーしていました。

他にもJリーグで活躍する兄弟選手としては、双子の2兄弟が有名です。長らくサンフレッチェ広島で活躍し、今シーズン限りでの引退を発表した森崎浩司とその兄である森崎和幸の森崎兄弟。そして歴代通算J1リーグ得点数2位で来期から名古屋へと活躍の場を移す佐藤寿人とその兄、佐藤勇人。佐藤勇人は2010年からジェフユナイテッド千葉に所属しMFとしてプレーしています。なお2006年には、佐藤兄弟による日本サッカー史上初となる「双子選手の国際Aマッチ同時出場」が実現しています。

これまで兄弟そろって一流と呼ばれるサッカー選手を紹介してきました。生い立ちや環境、DNAなど共通点が多いため、兄弟ともに活躍できるのかもしれません。しかし、兄弟だからこそ注目を集め比較されてしまう彼らにとって、期待通りの結果を出すのは簡単ではないと思います。周囲からのプレッシャーに負けず、一流となった彼らの努力にこそ称賛を送るべきでしょう。

(Photo by Xavier NALTCHAYAN)

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