あなたはいくつ知ってる?今話題の「ベンチャースポーツ」

あなたはいくつ知ってる?今話題の「ベンチャースポーツ」 DO

あなたはいくつ知ってる?今話題の「ベンチャースポーツ」

スポーティ

いよいよ来年に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会。今大会は、開催都市提案による追加種目として野球が復活することも話題になっていますが、2012年のロンドン大会でオリンピック種目から外れた時には大きな衝撃を受けた方も多かったかと思います。

日本では、身近な野球というスポーツが、世界的に見るとそこまで盛んではないように、世界では人気があっても、日本ではまだまだ普及途中のスポーツが実はたくさんあります。

そんな、世界の広さを教えてくれる「ベンチャースポーツ」が密かに盛り上がりつつあることを、ご存知でしょうか。

今後の発展が期待される、ベンチャー企業ならぬ「ベンチャースポーツ」

突然ですが、コーフボール、チュックボール、スピードボール、モルック、クィディッチ…といったスポーツの数々、いくつ聞いたことがありますか?(クィディッチって映画の世界のスポーツじゃないの?と思ってしまいますが、実はマグルの世界でも世界大会が開かれているんです!)



photo by Osamu KIMURA(日本ベンチャースポーツ連盟理事)クィディッチの競技風景。箒のようなものにまたがっています。

Sportie読者の方であれば、すべてご存知の方も多いかもしれません。いわゆるマイナースポーツと呼ばれることもありますが、近年、これらのスポーツを「ベンチャースポーツ」として普及させようという動きが盛り上がっています。

ベンチャースポーツは、普及を目指しているスポーツの総称として、2,3年ほど前から唱えられるようになった概念。厳密な定義はありませんが、一般社団法人日本ベンチャースポーツ連盟では「『広めたい!』と思ったらベンチャースポーツ」としています。

日本ベンチャースポーツ連盟の代表理事であり、この概念を初めに提唱したとされる篠原肇さんは、ベンチャースポーツの誕生について下記のように話しています。

「マイナースポーツ」というと、競技人口が少なく、やる価値がないスポーツという印象を持たれかねない。「ニュースポーツ」も、ただ新しいだけのスポーツに聞こえてしまう。そうではなく、今後の発展を期待させる、時代の最先端をいくイノベーターのスポーツとして「ベンチャースポーツ」と呼ぶことで、普及のハードルが下がるのでは。



photo by Osamu KIMURA(日本ベンチャースポーツ連盟理事):日本ベンチャースポーツ連盟代表理事の篠原肇さん

ベンチャーと聞くと、ベンチャー企業、ベンチャービジネスを連想しますが、これまでマイナーと呼ばれていたスポーツをベンチャースポーツとすることで、今後の可能性を示しているのです。

また、日本ベンチャースポーツ連盟は、各競技団体がバラバラに普及活動を行っても拡がりに限界があるとして、競技者のみならず、産学も巻き込んでベンチャースポーツ市場そのものを価値化させようとしています。ゆくゆくは、企業と連携した新しいベンチャースポーツの開発も目指しており、既存の枠組みにとらわれない形でスポーツの捉え方の拡大を狙っています。

ベンチャースポーツ最大の魅力は多様性

ベンチャースポーツの普及活動を実践するプロジェクトも、動き始めています。V-SPORTS PROJECTと呼ばれるプロジェクト団体は、普及を目的として、「メディア」と「競技団体支援」の機能を果たしています。

共同代表の眞柴啓輔さんは、V-SPORTS PROJECTについて、ベンチャースポーツ(Venture Sports)のVと、多様性(Variety)のVといった、2つの意味を含んでいると言います。

これまで日本で語られてきたスポーツは、部活、体育会系、年功序列といったイメージが強く、社会人でスポーツを続けている人となると、これまで体育会系の環境で勝ち残ってきた人が多い印象。でもベンチャースポーツはとても種類が多く、多様性に富んでいるため、どんな人にもフィットする受け皿がある。このベンチャースポーツを広めることで、誰でもスポーツを通じて楽しさや充実感を得ることができる世の中にしていきたい。

上記のようにベンチャースポーツへの想いを語ってくれました。


V−SPORTS PROJECT共同代表の眞柴啓輔さん

「スポーツ=体育会系」の型を破るために生まれたスポーツ集団、KATAYABURI

V-SPORTS PROJECTのメディア機能の中核を担うのが、旧来の日本の体育会系スポーツ文化の型を破るものとして誕生した、「KATAYABURI」というインフルエンサー集団。

KATAYABURIは、世の中のベンチャースポーツを実際に体験して、YouTubeを中心としたメディアでその魅力を発信する活動をしています。

ベンチャースポーツを普及させるために、まずは自分たちが実際に体験して、競技を極め、本質を知ること。それを世の中に発信していくことで、「楽しそう!」「自分もやってみたい!」という人を増やそうとしています。


KATAYABURI予告動画

実際に、KATAYABURIの活動にお邪魔してみました。この日は、翌週に控えた大会に向けて、永福町にある人工ビーチでフレスコボールの練習会に参加。フレスコボールは、以前Sportieの記事でも紹介されており、ブラジル発祥のビーチスポーツとして日本でも拡がりを見せています。


フレスコボールの練習風景。砂浜が映えます!

この練習会には、日本トップレベルのアスリートから、初めて参加した人まで、様々なレベルの人が集まっていました。都会の真ん中に突如現れた人工ビーチは、裸足で立っているだけでも心地よく、まさに都会のオアシス。

ビーチ競技といえばビーチバレーボールやビーチテニス、ビーチサッカーなどが有名ですが、世界にはビーチコーフボール、ビーチチュックボールといったスポーツまであるそうです。

ベンチャースポーツの拡大とともに、このような施設も増えていくと、都会にいながらでもより気軽に様々なスポーツ文化に触れることができるようになりそうです。

一進一退の普及活動の中で気づいた、スポーツの発展に必要なもの

V-SPORTS PROJECTのもう一つの柱である、競技団体支援の活動。これは、眞柴さん自身がコーフボールの普及活動を推し進める中で感じた課題から生まれています。

コーフボールは、オランダ発祥のスポーツで、男女混合で行うことが公式ルールとなっている珍しい競技。バスケットボールに似ていますが、ドリブルができない分パスでボールを繋ぐため、コミュニケーションが大切とされています。

世界約70カ国で行われており、お隣の台湾はなんと世界ランク2位の強豪国。日本において、今の広がりの土台となるチームが発足したのは、2004年のことと言われています。


photo by Takumi Photography:今年行われた、ビーチコーフボールのアジア大会。日本は、参加5ヶ国中4位という結果に。

眞柴さんがコーフボールと出会ったのは大学時代。当時、日本では東京にしかチームがありませんでしたが、社会人になり勤務地を転々とする中で、仲間とともに長崎、岡山、千葉、大阪…といった各地にコーフボールクラブを立ち上げていきました。

普段ほとんどスポーツをしない人や、家と会社の往復で毎日を漠然と過ごしている人に、コーフボールを通じて、楽しさや充実感を感じてもらうことができ、日本における今後の発展にも手応えを感じるように。

「2020年に47都道府県にチームを設立する」という目標も掲げられ、普及活動はますます本格化。そんな中で、競技レベル向上のため、眞柴さんは世界トップレベルのオランダへと飛び立つことを決意します。

しかし、2年間のオランダでの生活を終えて昨年日本に帰ってきた眞柴さんが直面したのは、一筋縄ではいかない普及活動の難しさでした。自ら各地にチームを立ち上げていた頃の勢いは長くは続かず、2020年に47都道府県にチームを作るという目標も、修正を余儀なくされてしまいます。


photo by V―SPORTS PROJECT スイス発祥のチュックボール

そして、周りを見渡すと、ベンチャースポーツの競技団体はどこも、本業で関わっている人がいるわけではなく、限られたリソースの中での運営を強いられていることに気づきました。

せっかく体験会を開こうとしても場所が抑えられなかったり、来られる人が少なかったりして、なかなか思うように普及が進まない実情があります。

だから、V-SPORTS PROJECTが各競技団体を横串で繋ぐプラットフォームの役割を担い、イベントの企画・運営をしたり、情報の収集・発信を行ったりして、各競技が発展しやすい環境づくりをサポートしたい、といった想いが生まれたのです。

気になったらまずは参加してみよう!

スポーツが好きな人でも、意外とやったことのないスポーツが世の中にはたくさんあるのではないでしょうか。やり慣れたスポーツをするのも良いですが、ベンチャースポーツに挑戦してみると、新しい魅力に出会えるかもしれません。

競技人口の少ないスポーツは、少し頑張れば日本代表になれるチャンスも転がっているかも。V-SPORTS PROJECTのWebサイトでは、各ベンチャースポーツのイベント情報も発信しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

また、日本ベンチャースポーツ連盟もV-SPORTS PROJECTも、一緒に普及を目指す競技団体を募集しています。競技団体の関係者も、ぜひ気軽に問い合わせてみてください。


KATAYABURI V-SPORTS PROJECT クィディッチ ベンチャースポーツ