ママランナー“nori”大阪国際女子マラソンの参加資格獲得! 【イメージできることはきっと叶えられる】

ママランナー“nori”大阪国際女子マラソンの参加資格獲得! 【イメージできることはきっと叶えられる】 DO

ママランナー“nori”大阪国際女子マラソンの参加資格獲得! 【イメージできることはきっと叶えられる】

スポーティ

筆者は現在、小学校1年生と幼稚園年中児を育てる母親です。マラソンへの挑戦は筆者にとって、体の健康・心の健康を維持するために大切なものです。しかし以前は、無理をして不健康になってしまうようなこともしていました。例えば、足首を骨折(ヒビ)したにも関わらず、駅伝の選手に選ばれたい一心で、コーチに言わずに走り続けてしまったり。別の時期には、故障による脚の痛みが常にありながらも、痛みに慣れてしまっていました。熱中症でレース中に倒れて気を失ったこともありました。挑戦できる今は、記録を求めて走っていますが、様々な経験から、記録のために無理をすることよりも、健康に繋がる選択が長く走り続けるためにも大切だと考えるようになりました。

長い間、記録にチャレンジしながら走ってきた中で、記録を出すのはもう難しいかも知れないと感じた時期もありました。仕事や家庭環境など人生の様々なステージで、トレーニングに使える時間や方法はどんどん変化し、“年齢”や“競技歴”を重ねることで、記録を出すことは難しくなっていくことが想像されます。ですが、「それに抗いたい!」という思いもあります。

10代でフルマラソンを始め、40代を迎えた今、歳を重ねても過去の自分を超えられる気がしています。走歴28年目を迎え、20代の自分にはイメージできなかった記録を今はイメージできていて、本気で達成しようと思っています。今回はそんな筆者が、大阪国際女子マラソンの参加標準記録に挑戦した記録です。

【過去の挑戦記事】
>>ママランナー“nori”のフルマラソン挑戦!【つくばマラソン】
>>ママランナー“nori”のフルマラソンへの道【トレイルランニングに挑戦!】
>>ママランナー“nori”のフルマラソン挑戦【3時間8分54秒で完走!】
>>ママランナー“nori”のフルマラソン挑戦! 【体調不良やモチベーション低下との付き合い方】

大会に向けてのトレーニング

一年間のトレーニング計画を立てることからスタートします。体調を崩すなどして計画通りにいかない月もありましたが、トレーニング状況や体調に合わせて見直しながら進めていきました(目標距離は、前月の実績から都度見直しているので、当初の計画からは変わっています)。

大会での目標は大阪国際女子マラソンの参加標準記録“3時間7分以内”だったので、確実に達成するために、いわきサンシャインマラソンに向けたトレーニングでは、3時間6分ではなく3時間切り(サブスリー)のペースを基準にしました。
下記は筆者のトレーニング計画や練習日誌から抜粋しています。

2024年4月:土台作り期
◇計画
目標走行距離:300km
内容・課題:子ども達の春休みが終わって幼稚園が始まったら、ゆっくりでも走る距離を伸ばす。
◇実績
月間走行距離:341km
振り返り:きちんと走り出せたのが6日のトレイルランニングレースからだったけれど、予定の距離は走れたので良かった。下の子も幼稚園に入ったので、新しい仕事も複数スタートして、5月は走る時間を多く作るのは難しくなりそうだけど、なんとか距離も伸ばしていきたい。

5月:走り込み期
◇計画
目標走行距離:400km
内容・課題:仕事とトレーニングのリズムを作っていく。
◇実績
月間走行距離:487km
振り返り:今月から仕事も増えて、練習のリズムも作っていく月だった。走りに使える時間が少なかった割には、予定よりも距離を踏めて良かった!トレーニングは充実できたと思う!

6月:走り込み期
◇計画
目標走行距離:450km
内容・課題:5月よりも距離を伸ばす。
◇実績
月間走行距離:530km
振り返り:予定よりも距離を踏めた!だけど、疲労感の強い日が多く、左脚の後ろ側に張りも出ているので、怪我には注意したい。

7月:走り込み期
◇計画
目標走行距離:500km
内容・課題:ペースを上げるメニューも意識的に入れていく!
◇実績
月間走行距離:424km
振り返り:500kmは走りたかったけれど、子どもの発熱で幼稚園に行けない期間があったり、その後れを取り戻そうとして熱中症気味になったりして、目標を大きく下回った。6月よりも距離が減ったにも関わらず、暑さもあってか、疲労感やだるさが慢性的にある感じなので、8月も距離にこだわり過ぎず、体調もみながら頑張っていきたい。10秒間のダッシュ3~5本も、7/31からスタートしたので、これから毎日入れていこうと思う!

8月:追い込み期(子ども達の夏休み期間なので、時間を取るのが難しいことを考慮して、追い込み期に位置付けた。)
◇計画
目標走行距離:500km
内容・課題:ペースを上げるメニューも意識的に入れていく!
◇実績
月間走行距離:293.2km
振り返り:高熱後、ダメージが残って走らない期間が長くできてしまった。500km走りたかったのが、300kmに届かず。それでも粘った方だと思う。9月、走力を取り戻していかないと!

9月:走り込み期
◇計画
目標走行距離:450km
内容・課題:8月体調を崩してしまったので、体力・走力を戻していく。スピード練習も入れていく。
◇実績
月間走行距離:412km
振り返り:ペースを上げる練習をするために、距離よりも疲労を溜めずにメリハリを付けることを大事にした。だけど、思うようにスピードが上がってきていない。

10月:追い込み期
◇計画
目標走行距離:500km
内容・課題:ポイント練習(強度を上げた練習)をどんどん入れていく!
◇実績
月間走行距離:379km
振り返り:体調不良を何度もぶり返して、何とか練習が途切れないようにと思いながら走った。微熱なら走ってしまう日もあったけれど、走りながら治すように1日おきに走ってみたりした。無理はしていないけれど、走行距離も減ってしまっていて、つくばマラソン前だけど不安が残る。

11月:調整期→大会(つくばマラソン)→リフレッシュ期
◇計画
目標走行距離:420km
内容・課題:レース1週間前までは、短い距離のスピードをたくさん入れる。
◇実績
月間走行距離:430km
振り返り:つくばマラソンに向けたトレーニングは、追い込み期に風邪が長引いて追い込めなかった分、調整を短くしてスピード練習と、距離も踏んだ。つくばマラソンでの記録は目標の大阪国際の切符3時間7分以内には届かなかったけれど、試行錯誤してチャレンジして良かったし、今の力は出し切ったと思う。次のいわきサンシャインマラソンに向けて、12月に距離を伸ばしたいけれど、子ども達は冬休みに入るので、また夜の練習がメインになりそう。昼間もなんとか走る時間を作っていきたい。

12月:追い込み期
◇計画
目標走行距離:500km
内容・課題:距離をしっかり踏みつつ、ペースを上げる頻度も多くする。体幹の補強トレーニングも入れていく。
◇実績
月間走行距離:631km
振り返り:500km目標に対して、大きく距離を伸ばせたし、ペースも全体的に上げて走れた。35km以上走った日が6回。16日にロング走52.1km+17日にビルドアップ走21.8kmと続けた後は疲労がドッと出たけれど、12月が終わってみて、そこまで疲労が蓄積している感覚もなく、精神的にも余裕を持ってこの距離をこなせたのが良かった!1月はどんどんペースを上げて追い込み期!いわきサンシャインマラソンでは良い走りをしたい!!

2025年1月:追い込み期
◇計画
目標走行距離:500km
内容・課題:レースペースを意識したメニューを多く入れる。距離以上に、ペースを重視する!
◇実績
月間走行距離:473km
振り返り:4日の発熱で5日に予定していたフルマラソン(トレーニングの一環)が走れなかったのは残念だったけれど、体調は早めに戻って、トレーニングにはそこまで影響が出なかったと思う。走行距離は伸びなかったけれど、ペースを上げることを重視したら、ペースも上がるようになったし、動きが軽くて調子が良いし、目一杯のトレーニングができた感覚を持てた日が多かった!

2月:調整期→大会(いわきサンシャインマラソン)
◇計画
目標走行距離:400~450km
内容・課題:1週目か2週目までは追い込み期!スピードを上げて、その後調整に入る。
◇実績
月間走行距離:400km
振り返り:2日に走った駅伝では、3.1kmの短い距離なのに1kmあたり4分14秒ペースでしか走れずに落ち込んだり、体調も怪しくて少し不安になったり。調整期でトレーニング量を減らしたにも関わらず、疲労感や脚の張りは追い込み期よりも気になって、体って不思議で面白いなと思いながら、焦らずに調整期を過ごした。疲労感や張りが少し改善したら、短い距離でスピードも上げた。本番には良い状態に仕上がった!!

<走行距離の重みは人によって違う>

フルマラソンを走る上で、走行距離を多く踏むことは大切だと感じています。けれど、マラソンの練習は継続が必要で、長い距離を定期的に走ろうと思うと、相当な時間を要します。多くの市民ランナーにとって、走る時間の確保は課題だと思いますが、時間を取ることが難しい中でも通勤ランなど工夫して継続している方がたくさんいます。走った距離の重みは人それぞれなので、何km走ったかということ以上に大切なのは、今ある環境の中で“どんな想いを持ち、どんな工夫・努力をしてきたか”、それによって、大会で感じられること、得られるもの、記録の価値も変わってくると思っています。

<走行距離と免疫力との関係>

フルマラソンを走った後に風邪を引いた経験がある方は多いかも知れません。一度でフルマラソンのような距離を走らなくても免疫力の低下が起こるため、走行距離を増やす時期にも注意が必要です。1990年のNiemanによる研究では、週間走行距離が97km以上になると風邪の発症リスクが高まることが示されています。筆者も、過去2年続けて、走行距離を増やしていく夏に、気を付けていても風邪を引いてしまい、秋まで治らずに不安な思いをしました。
走行距離が多い状態を続けると、免疫力も低い状態を維持してしまうということも、頭に置いて計画を立てることで防げる体調不良があるかも知れません。

<“ママ”として“ランナー”としての葛藤>

走る時間を確保し続ける中で、自分で使える時間のほとんどをトレーニングに使っているので、子どもが帰ってくる頃には疲労困憊の日も多く、体力はあるはずなのに一緒に走り回って遊んであげられていないことにハッとすることがあります。母親として良くないなと反省します。
また、子どもが風邪を引いたり体調を崩したりしてしまったときに、トレーニングで大事な時期や大会が近いと、うつさないでほしいと思ってしまい、(ひどい母親だな)これで良いのだろうかと考えさせられます。フルマラソンは寒い時期が多いので、応援に来てくれた後に風邪を引いてしまうことも多く、申し訳ない気持ちになります。自分の体調管理だけでなく、子ども達の体調管理も母親としての大きな課題です。

両立というのは、簡単ではないと思いますが、頑張ることで子ども達へ伝わるものやメリットもあると思うので、“ママ”としても“ランナー”も想いを叶えていくために、引き続き模索していきます。

いわきサンシャインマラソンで目標達成!

夏からの体調不良で、追い込むトレーニングができずに臨んだ、11月のつくばマラソンでは、目標の3時間7分以内に遠く及ばない3時間12分21秒という結果でした。走って感じたのが、“記録と戦うのはトレーニングでするもので、大会本番はトレーニングしてきた自分を信じて、感覚を大事にする方が今のベストな走りに繋がるし、楽しめる”ということでした。
そこから3ヶ月、タイムと戦うことを頭に置いてトレーニングを重ねていくと、スピードがついてきて、追い込むメニューも楽しくなっていきました。

いわきサンシャインマラソンの特徴は、アップダウンが繰り返されるコース。ハーフ過ぎには激坂が立ちはだかり、30kmの壁と言われる付近には、じわじわと上る長い坂道が続きます。海沿いは景色が最高にキレイで、思わず「わー!」と感激の声が漏れるくらいです。地元の方の温かな声援は大会の大きな魅力で、毎年感激し、苦しい時にも負けない元気をもらいます。

ここに来ると、景色に圧倒されると同時に、東日本大震災のことも想います。胸が熱くなり、涙が込み上げてくる場所です。

海が近いコースなので、強風になることも多く、大会当日も前日の予報では強風!環境のコンディションはコントロールすることができないので不安でしたが、予報は良い方向に外れて、コンディションにも恵まれました。

スタートすると、入りの1kmが4分01秒!3週間前に走った駅伝で3.1kmを4分14秒ペースだったことを考えると、上出来です。無理をして頑張っている感覚もなく、上手く疲労が抜けたんだなとホッとしました。

サブスリーを目指すランナーのためのペースメーカーもいましたが、自分の感覚を大事に自分のペースで走りました。

サブスリーペースで走っていても、持ちそうな感覚もあって、この手応えが嬉しかったです!

後半少しずつペースダウンし、サブスリーには届きませんでしたが、狙い通り確実に大阪国際女子マラソンの参加資格を獲得することができました。

(↑ゴール直前)

おまけに5位に入賞でき、2016年結婚前の大会以来、久しぶりに表彰台に戻ってくることができました。

今回はサブスリーに届きませんでしたが、1km4分や3分台のペースで走るイメージが持てたので、参加資格を得られた大阪国際女子マラソンでは、2時間45分をターゲットにしたトレーニングをして臨もうと決めました。2時間45分を目指してトレーニングすれば、確実に3時間は切れるという計画です!

その他レースを走って

いわきサンシャインマラソンからちょうど1ヶ月後に表参道ウィメンズマラソンで10kmを走りました。

いわきを走った後、早速、2時間45分のペースを意識したトレーニングをしていました。すると、スタート直後、誰も前に出てこない!という驚きの中、気持ち良く先頭を走ります。手元の時計で、入りの1kmが3分34秒前後だったと思います。

1km付近で抜かれてしまいましたが、筆者にとってはこの入りのペースが大きな収穫でした。トレーニングでも、短い距離のレースでも走れていなかったペースで走れたことが嬉しかったです。

結果は、年代別でなんとか入賞。10kmのタイムも決して良くはありませんでしたが、今までできなかったことが一つできて、来年の大阪国際女子マラソンに向けて意味のあるレースとなりました。

その後は、トレイルランニングのレースに2つ参加しました。
ファーストトレイル3時間ソロの部では、約2kmのコースを3時間で何周できるかを競います。
トレイルのキツさはロードレースとは別物ですが、無事に優勝することができました!
2年ぶりの3時間ソロへの参加でしたが、2年前は9周、今回は13周だったので大きな進歩です。

もう一つは、戸隠マウンテントレイル10kmの部です。

雨の中のレースで、トレイルランニング初心者の筆者にとっては厳しい条件でした。

田んぼの代かき前のようなコース状況の箇所もたくさん!
川のように水が流れている所もありました。

参加を決めたときには、去年よりも良いタイム・良い順位をと思っていましたが、直前の天気予報を見て、目標変更です。「とくかく怪我せずに帰ること。」
フルマラソンを目標にしている筆者にとって、ここでの怪我や体調不良はどうしても避けたかったので、棄権も考えましたが、アップしているうちに走れる気持ちが持ててスタートラインに立ちました。

転ばないように、転ばないように、そればかり考えて走りました。尻もちは一度つきましたが、怪我なく帰って来られただけで、良いトレーニングができたので「よし」です。

山頂付近では、一生懸命動いているのに体がどんどん冷えてきて、山の過酷さも体験しつつ、2人の招待選手に次いで3位に入賞することができました。

走り終えてみると、怪我なく終えられたことで走って良かったと思えています。
山をメインに走る人のすごさを改めて感じました。

大阪国際女子マラソンに向けてのトレーニング計画

これまで以上に“追い込み期”に時間をかける計画で、スケジュールを立てました。
6月まで順調にトレーニングできているので、子ども達の夏休み中を短い距離でもしっかり追い込んで、時間が取りにくい中でも気持ちを強く持って、走力を上げて秋を迎えたいです。

4月 リフレッシュ期(実績距離419km)
5月 走り込み期(実績距離524km)
6月 追い込み期(実績距離508km)
7月 追い込み期
8月 追い込み期
9月 追い込み期→調整期
10月 大会(フルマラソン)→走り込み期
11月 走り込み期
12月 追い込み期
2026年1月 調整期→目標大会(大阪国際女子マラソン)
2月 疲労抜き・調整期→大会(いわきサンシャインマラソン)

“気の持ちよう”の大切さ

トレーニング強度が上がれば怪我のリスクも高くなります。そこで、怪我をせずにしっかり追い込むためには、負荷の高いトレーニングをする前後でトレーニング強度を落として疲れを取ることがポイントとなります。
そして、スピードを上げるためには“追い込むべきトレーニングでしっかり追い込む”ことが重要です。

ですが、苦しいトレーニングというのは、自分の意思で行う市民ランナーにとって、相当自分に厳しい人でなければ難しいかも知れません。走ることが好きであっても、楽しいだけではありません。疲労感やコースによっては苦しさ、時期によっては暑さに耐えたりと、様々な壁があるはずです。
スピードを上げていくためには、苦しいと分かっているトレーニングに挑戦し、さらにそこで苦しさに立ち向かわなければなりません。
そんな中で、どれだけ追い込めるかは“気の持ちよう”で変わってきます。

筆者は、いわきサンシャインマラソン後、1kmあたり4分以内のペースがイメージできて、「3分53秒をターゲットにしよう」と思ってから、それまでは苦しくて走れなかったペースが、あまり苦しく感じずに走れるようになりました。
走力というのは確かにありますが、目標から勝手に心が作っている壁というものも存在するように感じています。

フルマラソンでも、途中の距離表示を見たときに、「まだ〇km」と思うのか、「もう〇km」と思うのかによって、走りは変わってきます!

イメージできることは“できる”

トレーニングでも大会の記録でもそうですが、「できそう」と思えることは、きっとできることだと思っています。
やむを得ない弊害などで達成できないことがあっても、決してできなかったことではありません。
だた、できなかったときに、以前イメージできていたことがイメージできなくなってしまうことがあるので、イメージできるその時に頑張ることが重要なのかも知れません。

筆者は、イメージできた今を大切に、挑戦できる限られた時間を過ごそうと思っています。

マラソンも、記録が全てではなく、目的や目標は様々です。その時その時にイメージできてワクワクする目的や目標を見付けながら、そこに向かって過ごしていければ、充実したランナー生活が送れると考えています。

まずは、9年ぶりに走る、来年1月の大阪国際女子マラソンに向けて頑張ります!