オンとオフを切り替えるmyスタイル。レスリング中村未優選手インタビュー

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オンとオフを切り替えるmyスタイル。レスリング中村未優選手インタビュー

スポーティ

5歳からレスリングを初め、国内外にて数々のタイトルを獲得してきた中村未優選手。
2017年には全日本選抜選手権3位、米国で開催されたデーブ・シュルツ記念国際大会では準優勝と、シニアカテゴリでも活躍。日本レスリング協会の2020強化指定選手としても選出されており東京オリンピックでの金メダル獲得を目指し日々練習に打ち込んでいます。

そんな中村選手に、女性アスリートならではの悩みやレスリングを始めるきっかけとなった憧れの選手、競技を行う上での心構えなどを聞きました。

自分スタイルで成長に繋げる

ーー女性選手として、男性選手と違う強みをどこに感じますか?

他の女子選手は長時間継続して練習を続けている印象があります。
一方で私は、オンとオフの切り替えを大事にしていています。オンの時は高強度のトレーニングを短い時間で行うようにプログラムを組んでいます。これ以上やったら怪我をしてしまうという時は、いい意味で手を抜くようにしています。怪我をしないことが第一なので、怪我のリスクを考慮しながら取り組んでいます。

ーーオンとオフを切り替えるスタイルが出来上がったのはいつからですか?

1年ほど前からです。大学に入ってコーチをはじめ競技環境を変えてから1年生の時は色々なことを体験した時期だったので、自分が目標を達成するためにどういった強化の仕方が必要なのを考え、やる時はしっかりとやり、休む時はしっかり休む、オンとオフを切り替えるスタイルが出来上がりました。
しっかり集中し練習の成果を出すためには、休むことも大事だと思っています。量をこなすだけでは追いつかないので、コーチと相談しながらこのスタイルで行こうと決めました。

私は同じ階級の選手と比較して体重が軽いので、筋肉量を増やさないといけないのですが、十分に休養をとらないと体ができていきません。休むことも練習だと思って大事にし、睡眠をしっかり取ったり、出かけてリフレッシュしたりしています。試合の結果には様々な要素が絡むので、現在のプログラムが、すぐに競技結果に結びつくわけではありませんが、トレーニングだけでなくライフスタイルを含めて意識を変えてから少しずつステップアップできているかなという感覚はあります。

女性アスリートとしての心構えや、大切にしていることはありますか?

男性と比べて身体や精神の調整が難しい場合もあるので、コンディショニングには気を使っています。毎日自分の状態の変化を感じとり、それに合わせて試合までに良い状態を持っていくようにしています。
試合で100%のパフォーマンスを発揮しなければならないので、アスリートとして体調管理はすごく大事にしています。

ーー練習の日は一日どのようなスケジュールですか?

今、大学は春休みで授業はありません。(※取材時)朝7時に起きて朝ごはん食べて、8時に家を出て、9時過ぎから実際にレスリングをする練習を3時間行い、お昼ご飯を食べて、移動した後フィジカルトレーニングを2時間くらい行って、その日の練習は終わりです。少し寝て、晩ご飯を食べて、また寝ると言うようなスケジュールです。

ーー食事で気をつけていることはありますか?

とにかく量を食べます。一日のタンパク質摂取量は体重×2gと言われているので、私の場合はタンパク質を100gくらい取らないといけないのですが、100gを一度に摂取するのはとても大変なので少しずつこまめに食べるようにしています。

ーー練習のない日は何をして過ごすことが多いでしょうか。

基本的にはゆっくり寝ます。たまに映画を見たり、静かな環境で本を読んだり、実家にいる時は猫と遊んだり、疲れないようにゆっくり過ごします。友達と会ったりもするのですが、朝から会うことはしないです。

憧れの選手との出会い。自分もこんな人になりたい

ーー憧れや目標としている女性アスリートはいますか?

私がオリンピックを目指すきっかけとなった選手はロンドンオリンピックに出場したレスリング48kg級の金メダリスト小原日登美さんです。私がよく練習に行かせていただく自衛隊体育学校のコーチなのでお会いする機会も多く、人間的にも優しくて芯がある素晴らしい方ですごく憧れています。

ーー憧れるきっかけはなんだったのでしょうか?

私が中学生くらいの時に、現役だった小原さんと自衛隊体育学校で3回ほど一緒に練習させてもらったことがあり、練習している姿や、私のように外から練習にきた人たちへの接し方を見て、かっこよくて優しくて自分もこういう人になりたいと思いました。

小原さんは、現在、自衛隊体育学校のコーチをされているので練習でお世話になる機会が多いです。
練習の際は技術的なことを細かく教えてくださったり、小原選手自身が1時間くらい練習に付き合ってくださいます。他の所属のコーチは、このようなことをしてくれることはないので、憧れの選手であり、コーチと1時間も練習できるのはすごくありがたいです。自身の所属だけでなく、レスリング競技の発展を第一に考えてくださっているのだと思います。

自分に正直に。気持ちを統一して戦う

ーー競技と向き合う上で大切にしていることはありますか?

自分と向き合うための一人の時間を大事にし、自分に嘘をつかないことです。自分の気持ちを押し殺して我慢するのは、一番自分の心に負担をかけることなので、自分と向き合って、自分と対話し、思考を明確にするようにしています。

ーー自分と向き合うスタイルは幼少期から行なっているものですか?

小さい時から妄想が好きでした。妄想の中ではオリンピックで勝つこともありました。その中で自分自身と対話をすることが多く、試合前も、「絶対勝てる」「絶対大丈夫」と自分に暗示をかけ続けて試合に挑みます。
もともと、不安を強く感じやすい性格でしたが、それで失敗した経験を生かし、どう解決していけるかを考え、気持ちを整えることを大事にしています。

女性アスリートとしての悩み。目指す目標

ーー女性アスリートならではの普段の生活での悩みはありますか?

右構えなので、練習相手や床と摩擦が生じる右の髪だけ擦れて短くなってしまいうまく伸びないのが悩みです(笑)。

それから月経のコントロールの仕方は、高いレベルで戦い続けるうえで重要な課題です。私は専門の先生と相談しながらコントロールできていますが、周囲には悩んでいる選手が多く、婦人科で検査をしてもらっていないケースが多いように感じます。正確な情報を得て、適切に対処すると競技を行う上ではすごくプラスになります。日常生活もそのことを考えなくて良くなるので、日常からのストレスも減るし、競技にも集中できるので気持ちが違ってくるんじゃないかと思います。

ーー今後の競技としての目標と女性アスリートとしての目標を教えてください。

競技としては、オリンピック本大会よりも熾烈な国内予選を勝ち抜いて代表権を勝ち取ることだけに集中しています。代表になれば2020東京オリンピックで金メダルを獲得できると考えています。もちろん2024年のパリオリンピックも視野にはありますが、先ずは2020年の国内予選への準備にすべての力を注いでいます。
女性アスリートとしては、女性のスポーツの発展に貢献するための活動に力を注ぎたいと考えています。女性のスポーツ環境は、海外を見ても女性がスポーツに参加しづらい現状にあります。
先ずは、アスリートとして、引退後はコーチという立場で、女性スポーツの発展に貢献していきたいです。


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