センバツの前哨戦 高校野球秋季大会【近畿編】

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センバツの前哨戦 高校野球秋季大会【近畿編】

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秋の地方大会はセンバツの予選ではありませんが、熱い戦いが各地で行われました。今回は、10月下旬から11月4日にかけて奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムで行われた秋季近畿大会を紹介します。


満員の内野スタンド

近畿大会の出場校紹介

近畿2府4県から16の代表校が参加した近畿大会の出場校を紹介します。

大阪府:阪桐蔭(大阪1位)/ 履正社(大阪2位)/ 初芝立命館(大阪3位)
京都府:京都翔英(京都1位)/東山(京都2位)
滋賀県:近江(滋賀1位)/立命館守山(滋賀2位)/ 綾羽(滋賀3位)
兵庫県:報徳学園(兵庫1位)/ 明石商(兵庫2位)
奈良県:智辯学園(奈良1位)/ 奈良大附属(奈良2位)/天理(奈良3位)【開催地】
和歌山県:智辯和歌山 (和歌山1位)/ 和歌山南陵(和歌山2位)

計16校

今大会は、大阪桐蔭や智辯学園といった甲子園常連校が名を連ねる中、滋賀の立命館守山、和歌山の和歌山南陵のように、初めて近畿大会へ出場したチームもいます。また、近年は甲子園出場から遠ざかっている京都の東山も古豪復活を目指し戦います。

強豪校がベスト4に進出


天理優勝

今大会は、例年の近畿大会以上に多くのファンが朝早くから球場に詰めかけ、試合が始まる1時間ほど前には内野スタンドは満員となり、開放された外野スタンドにも多くのファンが陣取りました。

大会パンフレットも早くに完売してしまったほどです。徹夜組が出るほどの人出は近畿大会としては異例のことです。

今大会、順当にベスト4まで勝ち上がったのは、智辯学園、大阪桐蔭、天理、履正社の4校です。智辯学園は、神戸国際大附属に接戦で勝利したあと、智辯和歌山戦では17‐13と乱打戦を制しました。

大阪桐蔭は、初戦の立命館守山戦でコールド勝ち、明石商戦では4‐3の接戦をものにしました。天理は初戦の報徳学園戦で大勝、奈良大附属戦でもコールド勝ちでのベスト4進出です。履正社も綾羽、京都翔英にそれぞれコールド勝ちを収めています。この4校は、甲子園で通用するだけの力を兼ね備えていることを証明したといえるでしょう。

準決勝で対戦したのが智辯学園と大阪桐蔭、天理と履正社です。智辯学園と大阪桐蔭の一戦は、互いに点を取り合うシーソーゲーム。中盤で5‐3と智辯学園がリードしますが、同点で迎えた9回裏に伊東光亮選手(2年)のサヨナラ打で勝利を掴みました。土壇場でのしぶとさを見せてくれました。

これに対して、天理もしぶとい試合展開を見せました。履正社との準決勝、4‐3で迎えた9回裏に一気に2点を奪い逆転勝利に持ち込みました。エースの庭野夢叶投手(2年)が、4失点に留めたのも勝因の一つです。

決勝は大阪桐蔭と天理に


天理 校歌斉唱

近畿地方に木枯らし一番が吹いた11月4日、秋晴れという天候にも恵まれこの日も開門と同時に内野スタンドは満員、立ち見のファンが出るほどの賑わいになりました。

決勝のカードは、大阪桐蔭と天理という甲子園常連の両校。決勝戦に相応しいものになりました。

阪桐蔭の先発はエースの藤江星河投手(2年)。対する天理は、背番号19を付ける達孝太投手(1年)。投手戦もしくは僅差による接戦が予想されましたが、初回から本塁打が飛び出すなど、終わってみれば、天理が3本塁打を含む16安打12得点。

投げでは、達投手‐庭野投手の投手リレーで、大阪桐蔭打線を8安打4失点に抑え近畿大会優勝を飾り、神宮大会への進出を決めました。

尚、天理は東北大会で優勝した宮城の仙台育英と対戦することが決まっています。


天理 達投手

決勝で先発した達投手は、右投げの長身から投げ下ろすタイプの投手です。変化球主体のピッチングで、大阪桐蔭の打者は初回に西野力矢選手(2年)が、レフトスンドに本塁打を放った他は打ち損じが多く、得点につながりませんでした。達投手は、今後成長が期待できる投手です。

優勝を果たせず準優勝に終わった大阪桐蔭は、来春のセンバツ、夏の甲子園を目指して更に強いチーム作りをしてくることでしょう。こちらにも期待したいところです。

気になる選考はどうなる!?


閉会式で優勝旗授与

センバツの選考にあたり、近畿地区に与えられる一般枠は6校となっています。この6校中4校は、ベスト4の智辯学園(奈良)、大阪桐蔭(大阪)、天理(奈良)、履正社(大阪)で当確だと考えてもいいでしょう。

残る2校ですが、2回戦で大阪桐蔭に4‐3の接戦で敗れた明石商(兵庫)、同じく2回戦で智辯学園に乱打戦の末に敗れた智辯和歌山が当落線上にいるといっていいでしょう。

2回戦で敗れたところには、天理にコールド負けの奈良大附属(奈良)、履正社にコールド負けの京都翔英がありますが、コールド負けという点で不利になるかもしれません。

選考次第では、京都、滋賀両府県からセンバツ出場校がない可能性もありますが、ただ、センバツは単に勝敗だけではなく地域性も考慮され選考されるため、どういった判断で選考されるかも楽しみなところです。

さらに神宮大会に出場の天理が優勝した場合、神宮特別枠が近畿地区に与えられることになります。

センバツを見据えるという意味でも、神宮大会の成り行きからはまだまだ目が離せません。

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