神宮大会2024

神宮大会2024 WATCH

神宮大会2024

スポーティ

今年で55回目の開催となる神宮大会は、11月20日から6日間、神宮球場で開催されました。高校の部は各地方大会の優勝校が、大学の部は各連盟秋季リーグ優勝校のうち代表決定戦を勝ち抜いたチームが集まって秋の頂点を目指して戦います。今季は高校の部、大学の部ともに非常にレベルの高い試合が繰り広げられました。

>>第五十五回 明治神宮野球大会

高校の部

>>第五十五回 明治神宮野球大会 高校の部

優勝 横浜(関東地区代表・神奈川県)

秋の各秋季地方大会を制した10校が神宮大会の王座を賭けて戦いました。

決勝は横浜が4対3広島商業を破り神宮大会を制しました。横浜は27年前の1997年、28回大会に出場し、この時も優勝しています。

横浜は広島商業の先発、沖村颯大投手(2年)から序盤に4点を奪います。横浜の先発、織田翔希投手(1年)は終盤に失策も絡み3点を失いますが、最後はエースナンバーをつける奥村頼人投手(2年)が締めくくり逃げ切りました。

準決勝の2試合も白熱した試合が続きました。

横浜と東洋大姫路の試合は1対1のまま延長(タイブレイク)に入り、11回表に横浜が2点を得て勝利を手にしています。横浜は延長に入ってから二塁ベース後方にレフトが守備につくという「奇策」も見せました。タイブレイク時の対策なのでしょう。また、この試合も奥村投手、織田投手の2人で投げ切っています。

準決勝のもう1試合、敦賀気比と広島商業も好ゲームでした。試合の前半で広島商業が長短打などで5点を得て、このまま一方的な展開になるのかと思われました。しかし、失策もあり8回と9回で一気に敦賀気比が追う中、延長(タイブレイク)に入ります。点の取り合いの挙句、11回に11体9で決着がつきました。

なお、来春のセンバツでは横浜の優勝により関東地区に神宮枠が与えられます。

一歩抜きんでた投手ら

今回は見事な好投をした投手らを紹介します。

ここでは横浜の奥村頼人投手と織田翔希投手の2人です。奥村投手は背番号1、滋賀県出身の左腕2年生。一方、織田投手は背番号10の右投げ、185㎝の身長で投げおろします。今大会、横浜はこの2人に身で勝ち上がり優勝を掴んでいます。奥村投手はエースとして堂々としたピッチングですが、それ以上に織田投手の存在も非常に頼もしく思えました。織田投手はまだ1年生と思えないほど制球も良く、初戦の明徳義塾戦では織田投手が1人で投げ切ります。準決勝でも中継ぎで登板、そして決勝では先発を任され9回途中まで投げています。三振を奪えるという点も織田投手の魅力の一つでしょう。今後の成長も期待できそうですね。

神宮大会が終わり来春のセンバツまで約4か月あります。この間のトレーニングや練習で各選手やチームのレベルも上がっていくことでしょう。センバツの出場校が決まるのはまだまだ先ですが、今回、神宮大会に出場した選手らがどのように変わって甲子園に出場するのかも見届けたいですね。

大学の部

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優勝 青山学院大(東都大学野球連盟代表)

大学の部は各連盟秋季リーグ優勝校のうち、更に代表決定戦を勝ち抜いた11のチームにより秋の頂点を目指して優勝が争われました。なお、東京六大学野球連盟と東都大学野球連盟はそれぞれ単独で代表校を送り出します。

今大会では、接戦をモノにししてきた青山学院大(東都大学野球連盟)が決勝では創価大(関東五連盟代表・東京新大学野球連盟)を7対3で下し優勝を果たしました。青山学院大は、決勝では初回に中田達也選手(3年 星陵)の満塁本塁打がライトスタンドへ飛び出すなど4回までに7対0と大きくリードします。創価大は終盤に2点を返しますが及びませんでした。

この大会では青山学院大の強さが目立ちましたが、環太平洋大(中国・四国三連盟代表・中国地区大学野球連盟)の躍進と早稲田大(東京六大学野球連盟)の敗退という波乱もありました。

環太平洋大は1回戦で名城大(北陸・東海三連盟代表・愛知大学野球連盟)を破ると2回戦で早稲田大と対戦しました。

環太平洋大の先発はNPBドラフトで東北楽天イーグルスから2位指名された徳山一翔投手(4年 鳴門渦潮)です。一方の早稲田大は伊藤樹投手(3年 仙台育英)の先発です。両投手とも好投し9回まで両チームともに得点は入らず、延長タイブレイクになります。10回表には早稲田大が犠牲フライで1点先取するとその裏、環太平洋大は死球で満塁となったところで猿渡颯選手(4年 創成館)のヒットで同点、その直後、藤田大輔選手(3年 熊本北)に対して投げた伊藤投手の投球が暴投となり、サヨナラとなる2人目の走者が生還、あっけない幕切れになりました。

歓喜に沸く環太平洋大の選手や応援席に対して、早稲田大の選手らの呆然とした姿が対象的でした。しかし、環太平洋大は昨年、同じく東京六大学野球の慶応義塾大に敗れており、「今年こそ東京六大学に勝ってやる」という強い執念が伝わってきた試合でした。また、レベルも上がってきていることを証明した試合だったといえます。

環太平洋大は、準決勝で創価大と対戦します。この試合は乱打戦になりました。12対8で創価大が逃げ切り勝利しています。環太平洋大の竹内裕哉選手(3年 広陵)のソロ本塁打が飛び出しています。

大学の部も好投手ぞろい

今回、最もレベルが高いと感じたのは、投手では環太平洋大の徳山投手です。早稲田大打線を相手に10回まで投げ切り、許したのはタイブレイクでの1点のみ。被安打5は連打を許さず10もの三振も奪っています。試合を通して最後までペースが衰えることなく素晴らしいピッチングだったといえます。プロの世界での活躍が期待される投手です。

青山学院大は、中西聖輝投手(3年 智辯和歌山)が決勝で創価大を8回まで5安打、11奪三振で抑えています。140キロ台のストレートに加えて変化球のキレもよく、うまくコントロールしながら投げているのが分かります。中西投手は初戦の福岡大戦でも8回途中まで投げ、得点を許していません。

また、同じく青山学院大の鈴木泰成投手(2年 東海大菅生)は決勝の創価大でラスト1イニングを投げ切っています。神宮球場のスピードガンで147キロの球速を度々計測するなど打者を打ち取っていきます。筆者としてはいい意味でもう少しじっくりと見てみたい投手でした。福岡大、天理大との試合でも最後に登板し、試合を締めくくるナイスピッチングをしています。

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