高校野球情報 京都・滋賀・奈良大会編

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高校野球情報 京都・滋賀・奈良大会編

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第106回全国高校野球選手権の各地区大会は熱戦が繰り広げられ、甲子園の出場校も決まりました。全国大会は8月7日に開幕し、17日間にわたって甲子園球場で行われます。今回は京都、滋賀、奈良の各地区大会を紹介します。

>>日本高野連

京都大会

優勝 京都国際 2年ぶり3回目
>>京都府高野連

京都国際と京都外大西の間で行われた決勝戦。序盤から京都国際の打線は京都外大西のエース、田中遥音投手(3年)から大量得点を奪い、終わってみれば14対3という大差で京都外大西を破って甲子園への切符を手にしました。投げてはエースで左腕の中崎流生投手(3年)が相手打線を8安打3失点に抑えました。京都国際は3人の投手から15安打も放っていますが、この試合では9つもの送りバンドも行い京都外大西の守備をかき回しました。また、守っては三塁手の清水詩太選手(3年)や遊撃手の藤本陽毅選手(3年)らの好守も見られ、京都外大西の攻撃を阻んでいます。

京都国際は、準決勝の龍谷大平安戦でも果敢に攻め、11対1(8回コールド)で勝っています。この試合で投げた背番号11の左腕、西村一毅投手(3年)は緩急をつけたピッチングで龍谷大平安打線をわずか2安打に抑えるなど、選手層の厚さが感じられます。

ベスト4に残った京都外大西、龍谷大平安、そして鳥羽の4校はともにレベルが高いチームでしたが、京都国際の積極的な攻撃や投手力の前には及びませんでした。

京都国際は今春のセンバツに出場するも初戦で敗退。しかし、春季大会では京都外大西を破って近畿大会に進出、且つ優勝しています。今年は甲子園で1つでも多く勝ち上がってもらいたいチームです。

珍しい記録!?

京都大会の3回戦でノーヒットながら勝利を手にするという「珍記録」が生まれました。

乙訓対京都共栄での出来事です。乙訓は山村寛投手(3年)が先発。京都共栄は2番打者の徳田奎吾選手(3年)が3安打、5番の斉藤芳輝選手(2年)が1安打の計4安打を放つも走者を進められず無得点に終わります。

これに対し乙訓は京都共栄の井手一斗投手(3年)の前に安打を放つことが全くできず、四球が3つのみ。4回に三塁手から一塁手への送球が悪送球となりファウルグランドを転々とする間に走者は一気に三塁へ。その後、内野ゴロの間に生還し得点。この1点が決勝点となり、乙訓が無安打ながら1対0で勝利しています。

無安打に抑えた京都共栄の井手投手は8回を123球、7奪三振、与四球3。これに対して乙訓の山村投手は9回を115球、被安打4、与四球1、9奪三振でともに完投しています。

滋賀大会

優勝 滋賀学園 15年ぶり2回目
>>滋賀県高野連
>>組み合せ及び結果

7月27日、マイネットスタジアム皇子山で滋賀学園と綾羽の両校により決勝が行われました。滋賀学園は春季滋賀大会で優勝しています。

滋賀学園は10番を付ける右の脇本耀士投手(3年)、綾羽は18番を付ける右の小森結斗投手(3年)が先発です。

脇本投手は140キロ超のストレートに変化球も織り交ぜて綾羽打線を打ち取っていくのに対して、小森投手は初回にミスもあり2点を奪われます。その後、滋賀学園は追加点もあり、5対0と綾羽を完封し優勝を勝ち取っています。脇本投手は被安打3、与四死球4の申し分ないピッチングでした。滋賀学園には滋賀へ優勝旗を持ち帰ってもらいたいですね。

夏最多優勝の近江が敗退

昨年まで滋賀大会5連覇、そして夏の大会では滋賀代表として甲子園へ最多出場の近江が準決勝で綾羽の前に敗退するという波乱がありました。センバツに出場し、春の滋賀大会では準優勝するなど期待される中、この試合では2番手にエースナンバーをつける河越大輝投手(3年)を投入するも9対2(7回コールド)と大差がつき、まさかの敗退となりました。

綾羽は春夏通して甲子園出場経験こそないものの、滋賀県下で近年実力をつけてきている私立校です。今大会では甲子園初出場にならなかった綾羽には、秋の新チーム発足以降甲子園への切符を手にしてもらいたいところです。

雷雨に泣かされる地区大会

大会期間中は局地的に雷を伴って大雨が降ることも多く、各地区大会の試合も中断や中止を余儀なくされることがあります。

滋賀大会では7月15日、マイネットスタジアム皇子山での2回戦、近江兄弟社対綾羽の試合は4回裏途中に雷雨で中断。雨が止むと整備が行われ、1時間余りの中断で無事再開されました。しかし、約20分試合が行われたところで再び激しい降雨のため試合は打ち切られ、継続試合になっています。

7月20日の午後には、県北部の広い範囲で非常に激しい雷雲が発生、HPLベースボールパーク(彦根市)の3回戦の瀬田工対伊香が8回裏の途中まで進んでいたものの雷と豪雨で中断、約2時間後に再開したものの再び土砂降りの雨で継続試合になっています。

上記の試合を含めて滋賀大会では計3試合が継続試合になりました。各地区大会は酷暑だけではなく雨の多い季節にも重なります。試合を再開させるために大会役員、球場職員や控えの野球部員らが総出で懸命にグランド整備を行う姿を間近で見るたびに大会運営の大変さをうかがい知ることができます。

奈良大会

優勝 智辯学園 2年連続22回目
>>奈良県高野連
>>組み合せ

決勝はともに順当に勝ち上がった智辯学園と奈良大附属の間で行われました。この試合では智辯学園が奈良大附属の追撃をかわして5対4で逃げ切り、2年連続の優勝を勝ち取っています。奈良大附属は今回もあと一歩及ばず涙を呑んでいます。智辯学園はエースの田近楓雅投手(3年)が投げ切っています。

奈良大附属は過去に5回決勝に進出し「6度目の正直」が期待されましたが、今回も準優勝に終わっています。

準々決勝で好カード 智辯学園と天理が激突!

奈良県を代表する甲子園常連校と言えば智辯学園と天理の2校です。このライバル関係にある両校が準々決勝で激突しました。

気温が体温並みの36度台を記録したこの7月23の奈良県地方。さとやくスタジアムのある橿原市も朝から晴れ間が広がり場内は強い日差しに照り付けられましたが、内野席は満員で入りきれないファンが外野の芝生席で試合を見守りました。

天理が麻田悠介投手(3年)、智辯学園は田近投手の先発で始まりました。ともにエースナンバーをつける左腕です。

2回に天理が1点を先制するも3回に智辯学園が2点を奪い逆転。ともに連打こそありませんが智辯学園は天理のミスもあって追加点も奪い、5対2で智辯学園が天理を突き放して準決勝へ駒を進めています。

天理打線は智辯学園の田近投手を打ち崩すことができず、わずか5安打に終わっています。打者を強引にねじ伏せるわけでもなく、うまく封じ込めた感のピッチングで完投しています。また、智辯学園の各選手は、攻撃の際だけでなく守備の際にも随所でガッツポーズが見られ、「絶対に勝ってやる!」という強い気迫が伝わってきました。

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