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2024-25年の全米アメフトシーズンを締めくくるNFL Super Bowl LIX がいよいよ2025年2月9日（日本時間10日）にルイジアナ州ニューオーリンズで開催されます。

18週間に渡ったレギュラーシーズンと3週間のプレーオフを勝ち抜いたAFCチャンピオンのカンザスシティ・チーフスとNFCチャンピオンのフィラデルフィア・イーグルスが全米アメフト王者の座をかけて激突します。

TOP画像：”Super seats at Super Bowl 50” by jurvetson is licensed under CC BY 2.0.

NFLスーパーボウルの歴史

よもやとは思いますが、LIXを「リックス」と読まないように。ローマ数字で59のことです。スーパーボウルはアメリカ最大の人気を誇るスポーツイベント、というよりは国民的行事と呼んでも差し支えないと思うのですが、開催されるのは今年で59回目。その歴史は意外に浅いのです。

第1回目のスーパーボウルがロサンゼルスで開催されたのは1967年1月15日。約半世紀前のことに過ぎません。100年以上の歴史をもつ箱根駅伝（1920年開始）や甲子園の高校野球全国大会（1915年開始）はむろんのこと、1950年に開始した日本シリーズと比べてさえも、スーパーボウルははるかに若いのです。だからこそか、活力に溢れた新興イベントの一面もあるような気がします。

NFL全32チームのうち、実に11チームはスーパーボウルを制したことが未だに1度もありません。最多優勝回数はピッツバーグ・スティーラーズとニューイングランド・ペイトリオッツの6回です。

ペイトリオッツの6回はすべてQBのトム・ブレイディによってチームが率いられたときのもの。そしてブレイディはタンパベイ・バッカニアーズに移籍した2020年に自身7度目のスーパーボウル制覇を成し遂げました。この選手がNFLのみならずアメリカの歴史における史上最高のスポーツ選手とも称される所以です。

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2022年シーズンを最後に引退したブレイディは現在テレビ局『FOX』の解説者を務めています。今年のスーパーボウルを米国内で放映するのはFOX。これも楽しみのひとつです。

そのブレイディも出演した、2023年公開の映画『80 for Brady』はとても楽しい作品です。80代の女性４人組が一生に一度の思い出にと、2017年スーパーボウル観戦のためにボストン郊外からヒューストンへと旅をする、「実話からインスピレーションを受けた」ストーリー。これを見るとアメリカ人にとってのスーパーボウルとはどんなものかがよく分かります。

予告編：80 FOR BRADY | Official Trailer (2023 Movie)

ニューオーリンズとシーザーズ・スーパードーム

“Louisiana Superdome – Unbranded – 26 July 2021” by Infrogmation of New Orleans is licensed under CC BY-SA 4.0.

スーパーボウルの開催地は中立地で、その場所は毎年変わりますが、それほどたくさんの選択肢があるわけではありません。真冬の時期ですので、基本的にはカリフォルニア州や南部諸州などの暖かい地域が選ばれるからです。例外的にニュージャージー州（2014年）、ミネアポリス州（2018年）などの寒冷地が選ばれたこともありますが、そのときは会場がドーム施設でした。

ニューオーリンズは今年で11回目のスーパーボウル開催となり、ひとつの都市としてはフロリダ州マイアミと最多開催回数トップに並びます。

温暖な地域であることに加えて、会場のシーザーズ・スーパードームは屋内ドーム施設です。つまり、天候の心配はありません。

ルイジアナ・スーパードーム（1975-2011）、メルセデス・ベンツ・スーパードーム（2011-2021）と名前が変遷していますが、ボクシングファンなら初代の名称を記憶に留めているかもしれません。あのモハメッド・アリがレオン・スピンクスを破って3度目の世界王座獲得に成功した「バトル・オブ・ニューオーリンズ」（1978年）の舞台なのです。

前回スーバードームでスーパーボウルが開催されたのは2013年。スコアは34対31の接戦でしたし、108ヤードの最長タッチダウン記録が飛び出した好試合でしたが、停電で30分間以上試合が中断するという前代未聞のアクシデントもありました。今年は大丈夫でしょうか。

2年前の劇的なスーパーボウルは再現するか

チーフスとイーグルスは2年前のス―パーボウル57でも対戦しています。そのときは、3Q終了時まで終始リードされていたチーフスが4Qでイーグルスに追いつき、試合終了時刻ギリギリでチーフスが劇的なフィールドゴールによる逆転勝利（38-35）を収めました。

因縁の対決となったスーパーボウルLIX。チーフスが史上初のスーパーボウル3連覇を成し遂げるか、あるいはイーグルスが2年前の雪辱を晴らすか。いやが上にも、期待は高まります。この両チームは別カンファレンスに属していますので、過去に直接対決した試合はさほど多くありません。その戦績はチーフスの6勝5敗で、ほぼ互角と言えるでしょう。

チーフスの看板はQBのパトリック・マホームズとTEのトラビス・ケルシー。2人とも今すぐ引退しても殿堂入りは間違いない名選手ですが、今シーズンは少し個人成績を落としていることが気がかりです。チーム全体も昨年までの圧倒的な強さは影を潜め、多くの接戦をしぶとく制してきました。

“Patrick Mahomes (51608431671)” by All-Pro Reels is licensed under CC BY-SA 2.0.

一方のイーグルスは、QBのジェイレン・ハーツはむろんのこと、RBのセイクワン・バークリーの存在が光ります。今シーズン前にNYジャイアンツから移籍加入したバークリーはレギュラーシーズンでもプレーオフでもMVP級の活躍を見せています。

“Washington Commanders at Philadelphia Eagles (52510560186)” by All-Pro Reels is licensed under CC BY-SA 2.0.

ブックメーカー『Draft King』のオッズを見ると、1月27日の対戦が決まった段階ではチーフス（-125）、イーグルス（+105）と、チーフスがやや有利となっています。私も大舞台での緊迫した場面で信じられないような勝負強さを発揮してきたマホームズがチーフスを3連覇に導くと予想します。ただし、自慢ではありませんが、私には博才というものがまるでなく、大抵の予想は外れることをお伝えしておきます。

いよいよ間近に迫ったNFLスーパーボウルLIX。試合開始時間と視聴方法はNFL公式サイト日本語版（https://nfljapan.com/ ）で確認できます。

バナー写真：”NFL Week 3: Washington Commanders vs. Philadelphia Eagles” by All-Pro Reels is licensed under CC BY-SA 2.0.