59ヵ国の選手が集うプレミアリーグ。意外な国の注目選手をチェック!
WATCH59ヵ国の選手が集うプレミアリーグ。意外な国の注目選手をチェック!
豊富な資金力を背景に、外国人選手は300人以上!
世界一お金持ちといわれているプレミアリーグ。背景にあるのはスタジアムの盛況ぶりとテレビ放映権料の高騰で、「スカイスポーツ」「BTスポーツ」からリーグに支払われる放映権料は、2016年からの3年間で95億ユーロ(約1.3兆円)に跳ね上がります。
昨シーズンは、降格したハル・シティやバーンリー、QPRでも年間100億円以上を受け取っており、各クラブに分配される金額は、さらに上昇。プレミアリーグでは、下位のクラブでも世界じゅうから優秀な選手を集めてくることができるのです。
さて、プレミアリーグには、現在何ヵ国から選手が集まってきているのでしょうか。
当地の大衆紙「デイリー・メール」によると、9月6日時点でプレミアリーグに所属する選手は528人。このうちイングランド国籍の選手は176人しかおらず、北アイルランド、ウェールズ、スコットランドを含むイギリス全体として数えても、221人と半分に届きません。
300人強の外国人選手の国籍を数えると、ワールドカップの出場国数よりも多い59ヵ国。これだけ多彩な選手がいるリーグは、他にはありません。
国籍が全員バラバラだった、開幕戦のワトフォード
象徴的だったのは、今シーズンからプレミアリーグに昇格したワトフォードです。オフシーズンに大量に新戦力を補強した彼らの開幕ゲーム、エヴァートン戦におけるスターティングメンバーを見てみましょう。
GK/ゴメス(ブラジル)
DF/アラン・ニョム(カメルーン) 、クレイグ・キャスカート(北アイルランド)
セバスティアン・プレドル(オーストリア) 、ホセ・ホレヴァス(ギリシャ)
MF/エティエンヌ・カプェ(フランス) 、ヴァロン・ベーラミ(スイス)
イケチ・アニャ(スコットランド) 、ホセ・フラド(スペイン)
ミゲル・ラユン(メキシコ)
FW/トロイ・ディーニー(イングランド)
何と、11人全員が違う国籍です。
2005年2月に、アーセナルがスタメンとベンチ入りメンバーをすべて外国人選手で埋め尽くしたとき、ヴェンゲル監督は「気づかなかった。パスポートを見て選んでいるわけじゃないからね」とコメントしておりましたが、11人別々となると、パスポートをチェックしないと難しいのではないかと感心してしまいます。
ワトフォードは、第2節のWBA戦ではギリシャ人のホレヴァスをナイジェリア国籍のイグアロに代えて試合に臨み、2戦連続で11人別々を達成しました。
イタリア人のディアマンティ、ハンガリー人のティシェル、コロンビア人のイバルボ、ベルギー人のオウラーレ、オランダ人のベルファイス、エクアドル人のパレデス…。失礼しました。ワトフォードのプレイヤーズリストをよくよく見てみると、サッカーの万国博覧会状態ですので、11人別々になる可能性のほうが高いかもしれません。このクラブだけで、国籍数は既に22を数えます。
ちなみに、プレミアリーグに選手を送り込んでいる人数が多いのはどこでしょう。
1位はニューカッスルに8人、アーセナルに6人が所属しているフランスの37人。2位に入った33人のスペインは、カソルラ、ダヴィド・シルヴァ、マタ、ヘスス・ナバスといった大物が活躍しています。
次に多いのがアイルランドと北アイルランドの24人。さらにオランダ21人、アルゼンチン18人と続きます。
逆に、2014年にワールドカップに出場したのに、プレミアリーグに選手がいない国もあります。イランとホンジュラスはともかく、ロシアとメキシコのゼロは意外です。メキシコ人ストライカー・チチャリートのレヴァークーゼン移籍と、ワトフォードの開幕戦に出場していたミゲル・ラユンのポルトへのレンタルは、国籍コレクション観点でいえば非常に痛い人材流出でした。
国籍・クラブがバラバラの「マイナー国出身最強イレブン」を作ってみました!
最後に、チームを作ってみました。国籍も所属クラブもすべて異なる「マイナー国出身選手だけを集めた最強イレブン」です。マイナーの条件は、プレミアリーグに4人以下しかいない国。やってみると、結構キャラクターが立ったおもしろいチームが出来上がりました。
GK/アスミル・ベゴヴィッチ(チェルシー/ボスニア・ヘルツェゴビナ=2人)
DF/クコ・マルティナ(サウサンプトン/オランダ領キュラソー=1人)
ウィンストン・リード(ウェストハム/ニュージーランド=1人)
マルティン・シュクルテル(リヴァプ―ル/スロバキア=1人)
ブレンダン・ガロウェイ(エヴァートン/ジンバブエ=1人)
MF/ナビル・ベンタレブ(トッテナム/アルジェリア=4人)
キ・ソンヨン(スウォンジー/韓国=3人)
ヤラ・ボラシエ(クリスタル・パレス/コンゴ=4人)
トマシュ・ロシツキ(アーセナル/チェコ=3人)
FW/サロモン・ロンドン(WBA/ベネズエラ=1人)
ルディ・ゲステデ(アストン・ヴィラ/ベナン=2人)
プレミアリーグをよく観る方なら、このチームが強いと感じていただけるのではないでしょうか。
スウォンジーのアイェウ(ガーナ)、シグルズソン(アイスランド)、アーセナルのジョエル・キャンベル(コスタリカ)、レスターの岡崎慎司、マフレズ(アルジェリア)、モーガン(ジャマイカ)、サウサンプトンのワニャマ(ケニア)、ストークのアルナウトヴィッチ(オーストリア)を「マイナー国優先&重なりなし」というコンセプトのなかで泣く泣く諦めましたが、チャンピオンズリーグ出場権は無理としても、8位ぐらいには食い込めそうな顔ぶれです。
ゲステデの強烈なヘディング、ロシツキのピンポイントクロス、ボラシエの驚異的なドリブル、ベゴヴィッチの素晴らしい反応は迫力充分ですので、ご覧いただく機会があればぜひ注目してください。そして監督は、この方です。
マヌエル・ペジェグリーニ(マンチェスター・シティ/チリ)
強豪国の一流選手を揃えているマンチェスター・シティは、選手の国籍数9ヵ国とプレミアリーグでいちばん少ないのですが、色とりどりのプレミアリーグのなかでもチリ国籍はペジェグリーニ監督とアーセナルのアレクシス・サンチェスだけですので、このチームの指揮官としては適任です。監督含めて12人、国籍・クラブバラバラチームはこれにてコンプリートです。