達成したのはたった1人!モータースポーツ最高の栄誉「トリプルクラウン」
WATCH達成したのはたった1人!モータースポーツ最高の栄誉「トリプルクラウン」
様々なスポーツで「三冠」と呼ばれる、選手にとって名誉ものがあります。モータースポーツにも最高の名誉である三冠「トリプルクラウン」と呼ばれるものがあります。
世界三大レースと呼ばれる、どれをとっても優勝することが困難なレースを全て制覇する最高のステータスのことです。そんなトリプルクラウンの難しさや達成した伝説のドライバー、そして新たな伝説に名を連ねようとするドライバー達を紹介します。
TOP写真 Photo by Martin Lee
世界三大レースとは?
4輪のモータースポーツにおいて誰もが憧れるレースが世界三大レースです。世界三大レースとは、F1(フォーミュラ1)の「モナコGP」、WEC(世界耐久選手権)のル・マン24時間耐久レース、インディーカーシリーズの「インディ500」という、各カテゴリーで最も歴史と伝統のあるレースのことです。
モナコGP
モータースポーツの頂点に位置するF1の中で、「モナコGP」は特別なレースです。軽々しくリゾート地と呼ぶことがはばかられるモナコの街中を駆け抜けるモナコGP。モナコで勝つという事は、他のサーキットでの3勝に値すると言われています。世界中から選ばれし20人で争われるF1。F1レーサーになるだけでも大変な事ですが、F1でチャンピオンに輝いた名ドライバーですらモナコで勝てない人がいたほど、モナコで勝つ事は難しいのです。
>>モナコGP紹介記事はこちら
インディ500
1世紀以上の歴史があるアメリカのインディアナポリス・モータースピードウェイで行われる「インディ500」は、北米を中心に絶大な人気を誇るインディーカーシリーズの一戦として行われます。スピードはF1を上回る380k/hで、500マイル、約800km(東京〜広島間)を3時間あまりで走りきる最速のレースです。世界中から30万人以上もの観客が集まる一大スポーツイベントで、このレースに勝ったドライバーはアスリートから英雄になるのです。
>>インディ500紹介記事はこちら
ル・マン24時間耐久レース
モータースポーツ発祥の地、フランスで行われるル・マン24時間耐久レースは、文字通り24時間走り続ける耐久レースです。もともとは市販車がレースに参加し、性能テストの場として耐久レースが行われていましたが、今や最先端の技術が詰まったレーシングカーがまるでスプリントレースのようなスピードで24時間を走り抜きます。ドライバー、チーム、観客、オフィシャル、全ての人にとって過酷な耐久レースですが、24時間走りきった感動は言葉に出来ないものなのです。
>>ル・マン24時間耐久レース紹介記事はこちら
唯一トリプルクラウンを達成した伝説のドライバー
モータースポーツの歴史は長く、各カテゴリーで多くの名ドライバーが誕生しました。しかしこの世界三大レースを全て制し、トリプルクラウンを達成したドライバーは歴史上たったの1人、それがイギリス人ドライバーのグラハム・ヒルです。
F1で活躍し、モナコGPでは5勝を記録、1993年にアイルトン・セナがモナコ6勝を達成するまでモナコ最多勝記録を保持していました。1963年に初めてモナコを制し、1966年にインディ500を、1972年にはル・マンを制しました。1975年に自ら操縦する飛行機が木に衝突し墜落。46歳で亡くなりました。
グラハム・ヒル以外、トリプルクラウンを達成したドライバーはただのひとりもいませんが、現在モータースポーツ最高の栄誉、トリプルクラウンを王手をかけるドライバーが2人いるのです。
史上2人目のトリプルクラウンを目指す2人のドライバー
ファン・パブロ・モントーヤ
コロンビア出身のモントーヤは、CARTシリーズで活躍し、2000年に初めて参戦したインディ500で優勝を飾りました。2001年からF1に参戦し、毎年チャンピオン争うに絡む活躍を見せます。F1では2003年にモナコGPを制覇し、世界三大レースの内2つを攻略しました。F1時代から強烈なスピードの持ち主で、今もその速さは健在。残るル・マン24時間には今年から参戦しています。
来年も参戦することが予想されますので、ル・マンでトリプルクラウン達成の瞬間が見れるかもしれません。
フェルナンド・アロンソ
2001年に弱冠19歳でF1にデビューし、未だ現役最強と呼ばれるフェルナンド・アロンソは、F1で2度の世界チャンピオンに輝きました。2006、2007年にモナコGPを連覇し、今年はF1と並行してTOYOTA GAZOO RacingからWECに参戦。初参戦にも関わらず、ル・マン24時間レースを制しました。
インディ500には、2017年にモナコGPを欠場しインディ500に参戦。予選からまるでインディに長く参戦するベテランのようなドライビングを披露しました。エンジントラブルでリタイヤになってしまいましたが、トラブルがなければ優勝していたかもしれない好走を見せました。
今年限りでF1を引退するアロンソは残るインディ500に照準を合わせているはずです。アロンソの今後から目が離せません。