第49回明治神宮野球大会開催 出場大学総括
WATCH第49回明治神宮野球大会開催 出場大学総括
11月9日から6日間、神宮球場にて第49回明治神宮野球大会が開催されました。大学の部には、秋季リーグを勝ち抜いた11の代表チームが、高校の部には秋季大会の優勝チーム10校が出場し、熱戦を繰り広げました。
今回は第49回明治神宮野球大会に出場した大学野球にスポットを当て、大会の模様をお伝えします。
出場チーム紹介
大学の部
東京六大学代表
法政大学
東都大学野球代表
立正大学
関東五連盟第一代表
創価大学(東京新大学野球連盟)
同第二代表 筑波大学(首都大学野球連盟)
関西五連盟第一代表
近畿大学(関西学生野球連盟)
同第二代表
関西国際大学(阪神大学野球連盟)
中国・四国三連盟代表
環太平洋大学(中国地区大学野球連盟)
九州三連盟代表
九州共立大学(福岡六大学野球連盟)
北海道二連盟代表
函館大学(北海道学生野球連盟)
東北三連盟代表
東日本国際大学(南東北大学野球連盟)
北陸・東海三連盟代表
中部学院大学(東海地区大学野球連盟)
計11チーム
高校の部
北信越地区代表・石川県
星稜高校
中国地区代表・広島県
広陵高校
四国地区代表・香川県
高松商業高校
東北地区・青森県
八戸学院光星高校
東海地区代表・愛知県
東邦高校
北海道地区代表・北海道
札幌大谷高校
近畿地区代表・京都府
龍谷大平安
東京地区代表・東京都
国士舘高校
関東地区代表・神奈川県
桐蔭学園高校
九州地区代表・福岡県
筑陽学園
計10チーム
大学の部は立正大が優勝
準決勝で立正大は、関西国際大と対戦しました。積極的に走り(6盗塁)、足を絡めた攻撃で主導権を握り12‐1と6回コールドで一気に試合を決めました。
これに対して、環太平洋大は、準決勝で近畿大と対戦しました。7‐0と8回コールドで勝った環太平洋大はチーム力の高さを感じる試合展開でした。
試合は、シーソーゲームとなりました。1‐1で迎えた6回に立正大のミスに乗じて、3点を奪うとこのまま逃げ切るかに思えましたが、7回に立正大が1点返すと8回には3番の小郷裕哉選手(4年関西)のタイムリーヒットが、そして4番伊藤裕季也選手(4年日大三)の勝ち越し2点本塁打がレフトスタンドへライナーで飛び込むなど、一気に4点を得て勝ち越しました。このまま試合は終わり、6‐4で立正大が2009年以来2度目の優勝を果たしました。
決勝戦終盤での立正大の勢いは、凄まじいものがあり力を見せつけましたが、環太平洋大も互角のチーム力があったといえます。立正大の粘りがなければ、環太平洋大に軍配が上がっていたかもしれません。
また、伊藤裕季也選手は、DeNAベイスターズにドラフト2位で、小郷裕哉選手は、東北楽天イーグルスに7位で指名されており、来季はもっと上でプレーするんだという意気込みがあっての逆転劇だったといえます。
近畿大、関西国際大は健闘
関西五連盟第一代表として出場した近畿大は、過去2度の優勝経験があります。今年は準決勝まで勝ち上がりましたが、環太平洋大の前に決勝進出を阻まれました。今大会の近畿大は、打線に勢いがなかったことが敗因としてあげられます。2回戦の東日本国際大戦でも得点は、初回の1点のみ。安打数も5本に終わりました。
環太平洋大戦では、9安打するも打線は繋がりませんでした。小寺兼功投手(4年岡山理大附)のほか伊波友和投手(4年美里工)、村西良太投手(3年津名)といった秋季リーグでも活躍した投手はいたのですが、投打が充分に噛み合わなかったところが痛いところです。
関西国際大は4度目の出場ですが、準決勝まで勝ち上がったのは今回が初めてです。森國広太投手(4年岩国商)と武次春哉投手(2年西脇工)の二枚看板の存在が大きいといえます。
立正大の前に、力の差を見せつけられたような感じがありましたが、今年の春秋のリーグ戦を通して、全国でも勝てるチームにとレベルは上がってきています。決勝進出は逃しましたが、今回の神宮大会ベスト4は躍進だといっても過言ではありません。来季のリーグ戦が楽しみなチームです。
高校の部は、札幌大谷高が初出場で初優勝
高校の部は、神宮大会初出場の北海道地区代表の札幌大谷が優勝しました。甲子園への出場経験もありませんが、1回戦では近畿地区代表の龍谷大平安を、2回戦では国士館を破り、決勝では北信越地区代表の星稜に投手戦の末逆転勝ちで初出場にして初めての優勝を果たしました。
札幌大谷は、準決勝で筑陽学園と対戦しました。この試合で札幌大谷は背番号17を付けた控えの太田流星投手(2年)が先発。筑陽学園の打者は太田投手を全く捉えることができず、太田投手は8回まで四死球4つの走者を許すのみでした。あとアウト3つでノーヒットノーラン達成かと思われましたが、9回に3連続安打で2点を失いました。しかし、最後まで自分のピッチングを失うことなく5‐2で決勝進出を決めました。
決勝の星稜‐札幌大谷で、札幌大谷はエースの西原健太投手(2年)が先発しました。5回に失策が絡み1点を失うものの7回に打線が一気に2点を返し逆転に成功。このまま試合は終わり、札幌大谷は初出場で初優勝を果たしました。西原は1安打ピッチングでエースに相応しい内容でした。
秋季大会の成績が、来春の選抜大会の出場校が選考されますが、優勝した札幌大谷の北海道地区には神宮枠が与えられます。