独立リーグ開幕情報2023 ヤマエグループ九州アジアリーグ・四国アイランドリーグplus編
WATCH独立リーグ開幕情報2023 ヤマエグループ九州アジアリーグ・四国アイランドリーグplus編
WBCの日本優勝で野球界が盛り上がりを見せた3月に、独立リーグが開幕しました。18日には熊本市と宮崎県都城市でヤマエグループ九州アジアリーグが、翌週には徳島市で四国アイランドリーグplusが開幕しました。今回は、この両リーグを紹介します。
ヤマエグループ九州アジアリーグ
公式サイト
>>https://bfk.or.jp/
3月18日、熊本市リブワーク藤崎台球場でヤマエグループ九州アジアリーグの開幕戦火の国サラマンダーズと大分Bリングスの試合が行われました。桜が開花しはじめた熊本城公園では、「春のくまもとお城まつり」が開催されるなど行楽シーズンと重なり、球場のある熊本城周辺は多くの人で賑わいをみせていました。
開幕シリーズは、球場の入場ゲートで球団マスコットのさら丸がお出迎え。18日はお馴染みの熊本ご当地キャラクターくまモンも登場し、さら丸と共演、翌19日の試合にはタレントで一昨年に球場MCを務めた、ばってん荒川Jrさんが国家独唱を行うなど球場は盛り上がりました。今季は鳴り物や声出し応援も解禁となり、球場に日常が戻ってきたかのような雰囲気に包まれました。開幕戦は731人、19日は591人と、多くの来場者があり球場は歓声で沸きました。そして、19日の試合終了後にはグラウンドで選手とファンが触れ合える催しが行われ、コロナ禍では困難だった選手との交流を多くのファンが楽しむ姿が見られました。
4月8日の試合開催にあたって火の国サラマンダーズは、「とかげの祭典」と銘打ってのイベントも行い、3455人もの来場者を集め、球団が地域に根付いている様子がうかがえました。
選手との交流を楽しむファン
火の国サラマンダーズは痛い連敗
好天に恵まれた18日の開幕戦は、火の国サラマンダーズは下川智隆投手、大分B-リングスは猿渡大輝投手の先発で始まりました。初回に火の国サラマンダーズが2点を先制し、その後に仲村来唯也選手やサンチェス選手の本塁打が飛び出すなど合計8点を奪いますが投手陣が不調。大分B-リングスが2回に小田啓介選手のソロ本塁打が出ると3回には一気に6得点で逆転。更には7回に内川聖一選手の、さすが元NPB選手だという本塁打も飛び出し8‐12で大分B-リングスが、昨季独立リーグ日本一の火の国サラマンダーズ相手に開幕戦を勝利で飾りました。
開幕戦を見る限りは両先発投手ともに打ち込まれ、内容的にも十分とは言い難いものがありました。火の国サラマンダーズ2番手の菅原誠也投手は、内川選手に初球をレフトスタンドへ放り込まれる文句なしの3点本塁打を打たれるなどしましたが、6イニングよく投げ抜いたといった感があり、今後に期待したい選手です。ラストイニングに元広島カープの山口投手が登板、負けパターンだったものの見事なピッチングを披露しました。
内川聖一選手
翌19日の同カード第2戦は、投手戦となり火の国サラマンダーズは先発松江優作投手が8回まで8奪三振と好投。9回から宮澤怜士投手が登板し1-1の同点のまま延長戦に入りました。宮澤投手はストレート中心で140キロ台後半の球速をマークしましたが、タイブレイクとなった10回に自身のワイルドピッチで1点を失い、これが決勝点となって1-2と敗戦。昨季の王者、火の国サラマンダーズは開幕から痛い連敗になりました。この2試合で積極的に足を使った攻撃も見せてくれたのが特徴的、投打が嚙み合ってくれば面白い試合をしてくれそうです。
これから続く熱い戦い
一方の都城市では新球団、宮崎サンシャインズが北九州下関フェニックスを迎えての2連戦があり、こちらは北九州下関フェニックスが2連勝で好スタートを切っています。
開幕から1か月近くたった4月10日時点での順位は北九州下関フェニックスが5勝2敗で首位、続いて大分B-リングスが6勝3敗で2位、そして火の国サラマンダーズが3勝で3位、宮崎サンシャインズが1勝で4位となっています。しかし、シーズンはまだまだ始まったばかり、火の国サラマンダーズは選手層も厚く実力はありますので、今後巻き返し、北九州下関フェニックスと首位争いを繰り広げるかもしれません。
四国アイランドリーグplus
公式サイト
>>https://www.iblj.co.jp/
糸井嘉男さん
四国でも3月25日に徳島市蔵本にある、むつみスタジアムで四国アイランドリーグplusが開幕し、徳島インディゴソックスと高知ファイティングドックスの試合が開催されました。
この日は暖かく天候にも恵まれ、阪神タイガースなどで活躍し昨季限りで現役引退した糸井嘉男さんがゲストに訪れるとあって、スタンドは976人もの来場者で賑わいました。そして、四国アイランドリーグplusでも鳴り物や声出し応援が可能となり、試合中はスタンドへ飛び込むファールボールを追いかける大勢の子供たちの元気な姿も見られました。
開幕戦の勝利は徳島インディゴソックスに
白川恵翔投手
3月25日の開幕試合はナイトゲーム、徳島インディゴソックスの先発は白川恵翔投手、高知ファイティングドックスの先発は釜谷竜哉投手で18時02分に開始されました。白川投手は5回を投げて10の三振を奪い、与えた安打がわずか2本。これに対して釜谷投手は3回に先頭の柏木寿志選手から本塁打を浴びると一気に6失点。終盤に反撃するも3得点にとどまり、6-3で徳島インディゴソックスに軍配が上がりました。
開幕投手を任された徳島インディゴソックスの白川投手は、変化球をうまく使い分け打者を打ち取っていきました。また、今季新入団のチャン・ヒョンジン選手は韓国出身の19歳。7番DHで出場し4打数4安打と打撃センスの良さを見せてくれました。3、4番を打つ井上絢登、古本幸希両選手も怖い存在だけに、首位争いをリードしていきそうな勢いです。
これからの首位争いの行方は
4月10日現在、首位は徳島インディゴソックスが5勝3敗、愛媛マンダリンパイレーツ、香川オリーブガイナーズと続き、昨季総合優勝の高知ファイティングドックスが1勝にとどまっています。
このまま徳島インディゴソックスが開幕ダッシュで独走態勢に突入するのか、または高知ファイティングドックスが巻き返しを図るのか、それとも香川オリーブガイナーズや愛媛マンダリンパイレーツが首位争いに加わるのか、これからの見どころになりそうです。
ここ数年は野球を観戦するにも制約がありましたが、今年は観戦や応援に関する制限がなくなりつつあります。メジャーでの日本人選手の活躍が日々伝えられていますが、身近な球場でのんびりと野球観戦も楽しいかもしれませんね。