【連載】フリーライター遠藤由次郎が行く ブラジルW杯現地観戦チャレンジ 【W杯現地レポート】世界のサッカーファンから見た 日本対コートジボワール
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「特に印象に残った選手はいなかったね」
そう語るのはコートジボワールから来た男性だ。対戦したばかりなのだから、もうちょっと相手チームに興味を持ってくれてもいいのに……。
「おい、香川はブラジルまで何をしにきたんだ?」
試合開始前に「KAGAWAコール」をしてくれたルーニー大好きの3人組イギリス人も、香川真司の本当の力を知っているからこそ、帰り際には香川のプレーに疑問を訴えていた。
6月15日。日本はブラジルワールドカップの初戦をレシフェの地で戦った。逆転負けという結果に、肩を落とす者、日本らしさがなかったことに対して不満を口にする者、深夜に及ぶ観戦に疲れ果て魂が抜けたような状態の人など、日本人はみな一様に冷静さを欠いていた。
そんな日本人もどこ吹く風、外国人サポーターたちは冷静にこの試合を分析していた。
カメルーン系フランス人が語った日本の良い所、悪い所
予定のスタジアム行きバスが一向にやって来ず焦りを覚えていると、「一緒にタクシーに乗る?」と声をかけてくれたのがカメルーン系フランス人の男性だ。試合終了後、彼に日本について聞いてみる。
「日本はどうしてシュートを打たないんだ。まともなシュートは数本しかなかったよね。でも、後から入ってきた7番(遠藤)はいい選手だったね。良い技術を持っていた。あと、本田はよかったね。何と言っても1点決めた。ほとんどの日本人選手がミスを恐れる中で、彼だけが果敢にチャレンジしていたと思うよ」
交代出場してきた大久保嘉人については。
「正直なところ、覚えてないよ。日本のフォワードは交代したのかい?」
大久保の交代については他国のサッカーファンからも面白い意見があった。
「交代のタイミングが悪いよね。流れを変えたい交代なら、会場が落ち着いている時にしないといけない。観客の気が散っている時に交代しても、試合の雰囲気は変わらないから」
つまり、大久保の交代出場が悪いわけではない。だけど、交代するタイミングが悪かった。あと1分でも後に交代すれば少し違ったのかもしれないというのだ。ドログバの交代を見れば一目瞭然。もちろん彼が世界的なスターということもあるけれど、それを差し引いても交代のタイミングはコートジボワールのほうが一枚上だったようだ。
ブラジル人が語る日本のGL突破の可能性
どのブラジル人に聞いても、日本はGL突破できると語る。コートジボワールに負けたにもかかわらずだ。その内の一人に日本がGL突破できると言う理由、そしてギリシャ戦について聞いてみた。
「ギリシャなんて問題ないね。本田、香川、長友…いい選手がいっぱいいるじゃないか」
じゃあコロンビアは?
「コロンビアはちょっと難しいね。手強い相手だよ」
では、なぜGL突破できると言うのだろうか。開幕戦でブラジルにPKを献上してあげたから?
「あ、あれは間違いなくフレッジのダイブだよ。審判は騙されたね。日本人? そういえば、開幕戦は日本人が審判だったね。ありがとうアミーゴ! だけど日本は勝ち上がると思うよ。コロンビア以外が1勝2敗。あとは得失点。コロンビアは消化試合になる3試合目は、日本からそんなに点を奪わないはずだよ」
勝ち点3でGL突破、そんな勝ちあがり方もあるのか。私の聞いている範囲では日本人の口からそんな意見はなかったが、どうやらそれは大半のブラジル人の意見でもあるようだ。目の肥えたサッカーフリークの期待通り、ギリシャ戦で勝ち点3を取って第3戦に望みを繋げてほしい。