【連載】フリーライター遠藤由次郎が行く ブラジルW杯現地観戦チャレンジ 自宅を貸し出すWEBサービス『Airbnb』でブラジル人の家に泊まってみた
WATCH【連載】フリーライター遠藤由次郎が行く ブラジルW杯現地観戦チャレンジ 自宅を貸し出すWEBサービス『Airbnb』でブラジル人の家に泊まってみた
ワールドカップを観戦しようと計画を練っていて困ったのが“宿泊代”だ。ブラジルではただでさえインフレで物価が高騰しているところに、ワールドカップ需要で一気に宿泊代が上がった。
試合会場となる地方都市では、ごく一般的なビジネスホテルに2、3万円の値段がつくことも。特に日本が第3戦を戦ったクイアバは深刻。ただでさえ宿泊施設の少ない街に、コロンビアサポーターと日本人サポーターが集結するのだ。
「クイアバでの第3戦は諦めました。ちょっとホテル代が高すぎですよね」
このセリフ、レシフェやナタールで何度耳にしただろうか。そして、この問題は今大会に限った話ではない。2016年リオデジャネイロ五輪や2018年ワールドカップロシア大会、2022年ワールドカップカタール大会でも同じような状況が予想されるのだ。
地元民の家に泊まって旅費を節約
「暮らすように旅しよう」というテーマを掲げたインターネットサービスAirbnb(エアービーエヌビー)というものがある。これは世界中に空き部屋やカウチソファなどを持つホストが、宿泊場所を探すゲストを繋ぐプラットフォームだ。これを使えば、比較的安価に宿泊することができ、さらにはホテル泊では体験できない現地のホストと交流を持つことができる。
欧州ではかなり利用されているようだが、日本ではまだまだ認知度が低いこのサービスを使って、ブラジル・クイアバの街に滞在してみた。
使用感としては、概ね「また利用してみたい」と思えるものであった。自分一人では味わえなかった現地ブラジル人との交流、さらには好立地にもかかわらず安価な宿泊料金、キッチンやシャワー、洗濯機を気兼ねなく使うことができた。
もちろんホストによってこれらの使用感は変わってくるだろうが、宿泊条件はきちんとネット上に公開されているので安心していいと思う。
2020年東京五輪でホストになる
利点は何と言っても現地人が持つ情報を存分に活用することができることだ。今回で言えば試合会場への行き方、美味しいレストランの場所、ナイトスポットへのアテンド、そして次の会場への移動の助言に至るまでかなりお世話になった。特にワールドカップのような開催都市間の移動が必要な場合は、とても有効的なサービスだと感じた。
その反面、欠点もある。ホテルではないので「ゲスト=お客様」ではないということ。例えば今回、電球の一つが切れていて直して欲しいという要望を出した。ホストは「直すよ」と言ってくれたけど、とうとうチェックアウトまで直ることはなかった(ブラジル人の性格を考えれば致し方ないと納得できるが…)。
また、ホストとの性格が合わないとストレスを感じることだろう。今回利用したホストは、陽気で常にハイテンションな人だったので、一人で静かに過ごしたい人は不満を感じたはずだ。ただこの点についても、ネット上に公開されている情報を読めば、ホストの人となりがわかるようになっているので、ある程度は予防が利くと思う。
ゲスト=利用者としてこのサービスを利用するのはもちろん、ホスト=提供者としても登録出来る。2020年東京五輪で海外から来た旅行者に部屋を貸しても楽しい時間が過ごせることだろう。ぜひ一度このサービスを使って、世界規模のスポーツの祭典に参加してみることをオススメしたい。