【連載】フリーライター遠藤由次郎が行く ブラジルW杯現地観戦チャレンジ 【W杯後日談】ワールドカップで見た海外サッカー「ダフ屋」事情

【W杯後日談】ワールドカップで見た海外サッカー「ダフ屋」事情 WATCH

【連載】フリーライター遠藤由次郎が行く ブラジルW杯現地観戦チャレンジ 【W杯後日談】ワールドカップで見た海外サッカー「ダフ屋」事情

スポーティ

「ワールドカップは、現地に行けば観戦チケットが手に入る」ということをこちらで書かせていただいた。しかし、実際にリオデジャネイロのマラカナンスタジアム周辺でダフ屋行為を取材したところ、やはり「オススメできない」という結論になったのでお知らせしたい。

私が訪れたのは、ラウンド16「コロンビア対ウルグアイ」が開催されたリオデジャネイロにあるマラカナンスタジアムのほど近く。南米対決とあって、ブラジルでは大いに盛り上がり、現地でチケットを手に入れようとする各国のサポーターが多数いた(前日には世界的に有名なリオのコパカバーナで、「チケット持っていないんだろ? 1800ドルでどうだ」と声を掛けられたこともあった)。

警察が登場する場面も

警察が登場する場面も


本来、ダフ屋行為は禁止されているので、チケットが買いたい人も売りたい人も、おおっぴらには行動しないのだが、1人だけ堂々と「チケットが欲しい」とアピールする白人男性がいた。大アピールのおかげで何とか手にしたチケットを片手に、マラカナンスタジアムへ向かう彼を追うことにした。

すると彼は警備員の女性に止められ、チケットを渡すように命じられると即刻チケットを破り捨てられてしまったではないか。これには白人男性も、顔面蒼白に。どうやら偽物を掴まされたようなのだ(それでも彼はめげずに本物のチケットを手に入れようと再挑戦していたが……)。

チケットが破かれる瞬間

チケットが破かれる瞬間


何とも衝撃的なシーンを見たあとには、チケット売買の瞬間を目撃した。チケットを買いたい初老のコロンビア人男性と白人男性のやりとりは、“取引き”が目立たないよう至近距離で行われた。さらに、チケットの表側が購入者に見えないように渡していたのが気になった。コロンビア人男性は、彼に感謝してハグまでしていたが……。

チケット売買の瞬間

チケット売買の瞬間


さらに警察が登場する場面を眺めていると、1人の日本人男性に遭遇した。なんと彼はダフ屋から買ったチケットが偽物だったために、入場できなかったらしい。そのチケットは600ドル+200レアル(=約7万円)で買ったという。しかし入場口でチケットが偽物だと判明し、スタジアムを追い出される形となり相当ショックを受けていた。そのチケットを売った人物から、お金を取り戻すことは当然できなかった。

その他、前々回のドイツ大会で2度も偽物チケットを買わされた人とも話す機会があった。準々決勝「イングランド×ポルトガル」と準決勝「ドイツ×イタリア」でどちらも約800ユーロも払ったという。合計で20万円超……。

これが日本人サポーターが買わされたフェイクチケット

これが日本人サポーターが買わされたフェイクチケット


ダフ屋から現地でチケットが手に入ることもあるかもしれない。だけどそれは相当リスクがあるし、そもそもルール違反でもある。海外サッカーを観戦するときダフ屋からチケットを買うのは、はっきり言ってオススメできない。

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