岡崎慎司が所属するレスター・シティ 歴史・スタジアム・選手をチェック

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スポーティ

2000年の歴史が刻まれた街、レスター

長年プレミアリーグを見ている方や、岡崎慎司選手の熱心なファンでも、「レスター・シティってどこにあるの?」と聞かれると、返答に困る方が多いのではないでしょうか。

ロンドンの北、イギリス第2の都市バーミンガムのすぐ東に位置するレスターシャ州のこの街は、人口30万人弱とイーストミッドランズ最大の都市。日本で同規模の街といえば、盛岡、福島、津など地方の県庁所在地となります。

2000年以上にも及ぶ歴史がある古都の中心部には、考古学に実績があるレスター大学や古代ローマ遺跡を窺えるジュリー・ウォール考古博物館などがあり、岡崎慎司選手が所属するレスター・シティの本拠地キングパワー・スタジアムは、市の中心から1.5キロほど南。駅から歩いて30分かからないぐらいで訪れることができます。

以前はウォーカースタジアムと呼ばれていた本拠地は、2009年にタイの旅行関連企業、キングパワーインターナショナルグループがクラブを買収した後、2011年にネーミングライツにより現在の名前となりました。先頃のラグビーワールドカップの会場にもなった32000人収容のスタジアムは、客席とピッチが近いプレミアリーグらしいスタジアムです。

2004年にチャンピオンシップ(2部相当)に降格してしまったレスターは、2014-15シーズンに10年がかりでプレミアリーグに返り咲いたばかり。

最初のシーズンは、クリスマスを過ぎても最下位と苦しい戦いを強いられていたものの、残り10試合で突如エンジンがかかり、7勝1分2敗という素晴らしい追い込みで14位にジャンプアップしました。

プレミアリーグ残留を果たしたチームの立役者のひとりが、現在大ブレイク中のエース、ジェイミー・ヴァーディです。

攻撃が魅力のチームは、プレミアリーグ3位と大健闘!

この夏、岡崎慎司選手が加入したレスターは、前シーズン最後の好調をそのまま持ち込んだようなロケットスタート。11月17日現在、7勝4分1敗とリーグ最少の負け数で走っており、マンチェスター・ユナイテッドやトッテナム、リヴァプール、チェルシーをしのぐ3位につけています。

強さの理由は攻撃力。トップのマンチェスター・シティと1点しか違わない総ゴール数25に対して、失点が20もあるレスターは、0-2とされた3試合を1勝2分とすべて追いついており、最後まで運動量が落ちない粘り強さがチームの強みです。

最前線で走り回る快速ヴァーディが12試合で12ゴールと、ただいまリーグ得点王。右サイドからドリブルで仕掛けるアルジェリア人リヤド・マフレズが7ゴールを挙げており、前にいる2人でゴールの大半を決めているチームなのです。

昨シーズン、初めてプレミアリーグでプレイした遅咲きの28歳・ヴァーディは、イングランド代表に選ばれるまでに急成長 (PHOTO by /Pioeb)

昨シーズン、初めてプレミアリーグでプレイした遅咲きの28歳・ヴァーディは、イングランド代表に選ばれるまでに急成長
(PHOTO by /Pioeb)

このほかの注目選手は、父親がマンチェスター・ユナイテッドの名キーパーで、自らもゴールを守るカスパー・シュマイケル、スイス代表でキャプテンを務めたMFインレル、今季からチームに加入し、前線の選手に素晴らしいパスを配球しているMFカンテです。

もうひとり、中盤にドリンクウォーターという珍しい名前の選手がおり、試合が止まった時間に彼がピッチの脇で水を飲むと、翌日の新聞に「ドリンクウォーターが水を飲んだ」と写真付きで紹介されたりします。

守備は心もとないものの、攻撃陣にいい選手が多く、攻めて勝つのがレスターのスタイル。64歳のベテラン指揮官、クラウディオ・ラニエリ監督率いるチームは、観ていて楽しいサッカーで地元ファンを湧かせています。

未だ1ゴール!岡崎がゴールを決められない理由

さて、岡崎慎司選手です。開幕2戦めのウェストハム戦で、自ら放ったシュートをGKに止められた後、浮いたボールをヘッドで押し込む泥臭いゴールで幸先いいスタートを切った岡崎は、その後ゴールが決められず、最近は途中出場・途中交代が増えています。

ゴールを決められないのは、チームメイトが「岡崎のトリセツ」を理解していないからでしょう。

彼の魅力は、DFの裏側に飛び出したり、狭いスペースに入ってシュートするプレイですが、レスターでは岡崎よりも前にヴァーディがいるので裏には出られず、シュートが打てそうなスペースに走ってもパスがもらえず、頭を抱えるシーンが目立ちます。

ヴァーディとマフレズといった、パスを出すよりもドリブルで持ち込んで自分で打つ選手が好調なのも、岡崎がシュートを打てない理由のひとつでしょう。

周囲からパスが出てくるようになれば、プレミアリーグでも岡崎らしい体を張ったゴールが見られるはず(PHOTO by TwoWings)

周囲からパスが出てくるようになれば、プレミアリーグでも岡崎らしい体を張ったゴールが見られるはず(PHOTO by TwoWings)

ゴールという結果がなかなか出せない岡崎ですが、

「彼が前線で走り回って守備をするので、後ろの選手の負担が減っている」

「うまくボールをつないでチャンスを作っている」

と、チームへの貢献が高く評価されています。

シーズンは長いので、好調な選手たちが研究されてシュートを打てなくなったとき、岡崎が頼られる場面は増えてくるでしょう。

プレミアリーグで上位に食い込んでいるチームで、リーグの全試合に出場している日本代表選手がいるのは素晴らしいことです。CSにて、岡崎慎司選手の全試合を中継しているので、興味がある方はチェックしてみてください。相手が強豪クラブでも、ひるむことなく攻撃を仕掛けるレスターの魅力的な戦いぶりに、引き続き注目してまいります。

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