競泳パンパシ・アジア大会 代表選手を応援しよう!競泳観戦の楽しみ方

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競泳パンパシ・アジア大会 代表選手を応援しよう!競泳観戦の楽しみ方

スポーティ

夏が始まり、いよいよ競泳のシーズンもスタートしました。今年の8月9〜12日は東京辰巳国際水泳場で、仮想東京オリンピックとも呼ばれているパンパシフィック水泳選手権大会が、そして8月18〜24日にはジャカルタでアジア大会が開催されます。

4月に行われた日本選手権と5月に行われたJAPAN OPENで代表選手が選出され、萩野公介選手や瀬戸大也選手、池江璃花子選手らが出場することが決定しています。

この2つの大会以外にも、国内では8月にインターハイが、9月にはインカレや国体が開催され、多くの選手の活躍が期待されます。

今回は競泳のシーズン前ということで、この夏に行われる大会を目一杯楽しむために競泳を観戦する際の楽しみ方やレースの注目ポイントなどを紹介していこうと思います。

スピード感を楽しむ

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競泳は、誰が一番速く泳げるのかを競う競技なので、速い人の泳ぎを見ているだけで楽しめます。泳ぎの力強さや迫力には驚かされてしまいます。事前にその種目では、どの選手とどの選手が争い合うか、記録を狙えそうかということも調べておくとより楽しむことができます。

特に、日本記録や世界記録に期待がかかる選手の場合は、レース前から見ている私たちもドキドキしてしまいます。レースそのものも楽しめますが、記録にも注目がかかります。現在は、池江選手が日本連発をものすごい勢いで連発しています。この夏の大会でも日本記録に期待がかかります。

レース後のインタビューに注目

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競泳では、レースが終わった後に選手のインタビューが行われることがあります。

インタビューでは、そのレースを選手自身がどのように感じたか、良かった点や反省点はどこか、このレースに向けてどのような練習を積んできたのか、ということが聞かれます。

1、2分程の短い時間ではありますが、これまでに選手が何を思って練習に取り組み、レースを泳いだ感触はどうだったのか、レース中は何を考えていたのかという、外からは見えないことを知ることができる貴重な時間です。

こうしたインタビューを聞いていると、アスリートの意識の高さを思い知らされ、自分もこのままではいけないな、自分も何かを成し遂げたいな、とも思うようになります。私たちに何か原動力のようなものを与えてくれる機会でもあるので聞き逃せません。

泳ぐ前も実は見所!

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決勝レースでは、選手は一人一人名前を紹介され、プールへ入場し、コースの前に立ちます。その間カメラが周り、スクリーンには選手の表情が映し出されます。この入場から泳ぎ始めるまでの選手のパフォーマンスも見所の一つです。

カメラや会場に向かって手を振る選手もいれば、自分の世界に入り込み表情を変えずに、準備を始める選手や所属するチームをアピールする選手、お辞儀や敬礼をする選手など、様々なパフォーマンスでレース前からワクワクさせられます。

スポーツ選手の多くは、自分の出番になる前に必ず行うルーティーンのようなものを持っている人が多いですが、競泳の場合も同じです。レース前の準備運動だったりキャップやゴーグルを準備するタイミングやスタート台には右足から乗る、ジャージは上から脱ぐ、といったことなど決めていることは多いでしょう。そんなところにも注目するとより一層楽しむことができます。

それぞれの選手の泳ぎを分析する

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スポーツを科学的に捉えるのが好きな方なら、選手の泳ぎ方を分析してみるという楽しみ方があります。速い選手は共通して強い部分もありますが、それぞれの選手によって強みとしている部分が違う場合もあります。

例えば、ある選手は、後半にタイムを落とさないことを強みとしていれば、前半から積極的なレースを展開するのが得意な選手もいます。このように、それぞれの選手の特徴を把握しておくと、レース展開や駆け引きを楽しむこともできます。今回のパンパシに出場する選手の中では、自由形の江原選手は前半から積極的なレースを展開します。一方背泳ぎの入江選手は美しいフォームで無駄な力を使わず、後半に強い選手です。

さらにマニアックな楽しみ方としては、ラップタイムやストローク数、水中でのキックの回数等を数えて選手ごとに比較してみるという楽しみ方もあります。日本水泳連盟のホームページには主要大会ごとに出場選手の10m毎のラップタイムやストローク長(1ストロークあたりに進む距離)、ストローク数、泳速などを分析した結果が掲載されています。こうした情報を見ながら選手の特徴を掴み、レースを楽しむという方法もあります。

こうしたデータを基にし、練習やレースプランを考えることもあります。ラップタイムとしては、100mのレースでは主に15m、25m、45m、50m、65m、75m、95m、100m通過時の時間を測定します。レースを終えてトップの選手と自分のデータとを比較し、泳速はそれほど変わっていないが、50mから65mの通過時間が大きく違うとなるとターンやターン後の水中動作を改善することでタイムを縮めることができる、ということが分かります。また、15m通過時のタイムが速ければスタートを得意としているので、その理由を明らかにしてさらに高める練習を組むことができないか考えられます。

ストローク数やストローク長からも様々な情報が得られます。200mのレースで、50m毎のストローク長を見てみると大抵後半になるにつれて短くなりますが、その幅が極端に大きいと後半の泳ぎ方に問題があることが考えられます。ある速度で泳いでいる時はストローク長とストロークレート(1ストロークにかかる時間)は、反比例の関係にあります。なので色々な試合のデータを見て、最後まで速度を保つために最適なピッチを見つけ出すのにもこうした情報が有益となります。

また、大きな大会では予選が行われた翌日に準決勝、決勝が行われます。予選の泳ぎを、自分がベストを出した泳ぎと比較して改善点を見つけて準決勝、決勝に臨むためにもデータは活用されます。タイムは同じくらいでもストロークが1回多いと泳ぎが小さくなっていたということが分かるので、アップの段階から大きな泳ぎを意識することで、決勝で泳ぎを改善することができます。

リレーが一番盛り上がる!

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競泳の種目の中で最も盛り上がるのは、やはりリレーではないでしょうか。リレーは所属しているチームからトップの4人が競い合うのでハイレベルな争いを見ることができます。

特に世界大会ではチームが一つとなっている様子を見ることができます。実際に泳ぐのは代表に選ばれた4人ですが、その4人をチームのメンバーが全力でサポートし、応援する様子には感動させられます。競泳は個人競技ではなく団体競技だ、と実感できる瞬間です。

リレーは4人の選手が交代で泳ぐので、このまま逃げ切れるか、ここから相手を追い越すことができるか、といったように感情を動かされ、応援に熱が入ります。

会場では競泳ならではの独特な空気が味わえる

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会場で最も競泳独特の雰囲気を味わうことができる瞬間は、何といってもスタート直前です。選手は、ピストルの音と同時に飛び出し、泳ぎます。少しでも速く反応するために音を聞き逃すことは許されません。そのためスタート前になったら応援の声は止み、静寂に包まれます。選手が味わっている緊張感が伝わってくるような空気は競泳独特のものでしょう。

また、決勝レースでは選手紹介と共に選手が一人一人ゲートから入場してきます。この時の演出はテレビでも楽しむことができますが、会場ではより臨場感を味わうことができますし、レース前の選手の緊張感も感じることができます。

テレビの前でもそうした雰囲気を感じ取ることができるので、会場の空気感にも是非注目して応援してみてください。