競泳パンパシ&アジア大会代表選手決定!今年の出場選手を一挙紹介!-前編-

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競泳パンパシ&アジア大会代表選手決定!今年の出場選手を一挙紹介!-前編-

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4/3〜4/8に、東京辰巳国際水泳場で、競泳日本選手権が開かれました。この大会ではこの夏に行われる、仮想東京オリンピックとも言われているパンパシフィック水泳選手権や、アジア大会の代表選手の選考会も兼ねて行われました。

今回は、これらの大会の代表に内定した選手の中から、特に注目すべき選手を紹介していきたいと思います。
本記事では、萩野公介選手、入江陵介選手、池江璃花子選手、瀬戸大也選手を取り上げます。

世界でもトップクラスの選手 萩野公介選手

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リオオリンピックでは、400m個人メドレーで金メダル、200m個人メドレーでは銀メダルを獲得した萩野選手。個人メドレーだけでなく200m、400m自由形でも日本新記録を保持する有力な選手です。本大会では400m自由形、200m自由形、400m個人メドレー、200m個人メドレーにエントリーしました。

萩野選手は、この冬に体調を崩し、1ヶ月程練習できない期間があり、不安が残る状態で大会に臨みました。萩野選手の最初の決勝レースは、大会初日の400m自由形。自身が日本記録を持つ種目でしたが、前半から積極的に攻める江原に2秒差で負け2位でフィニッシュ。派遣標準記録も上回ることができず、大会前の不安が的中した形となった初日となりました。

翌日は、200m自由形のレースがありましたが、萩野選手が最も得意とする個人メドレーのレースに狙いを定めるために200m自由形を棄権。
迎えた大会4日目の200m個人メドレー決勝レースで、ライバルの瀬戸大也選手と0.48秒差をつけて1位でフィニッシュをし、代表内定を獲得しました。この勢いそのままに、大会最終日の400m個人メドレーも優勝。こちらも代表内定を獲得しました。しかし、レース終盤では疲れが見え、自身の記録から4秒以上落としたタイムとなりました。

体調を崩してしまい、泳ぎの感覚が戻らない中でのレースということもあったと思うので、夏には、完全に復活した萩野選手の活躍が見られることを期待します。

世界一美しい背泳ぎ 入江陵介選手

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100m背泳ぎ、200m背泳ぎで代表内定を獲得した入江選手。
ロンドンオリンピックでは100m背泳ぎで3位、200m背泳ぎで2位と好成績でした。その後は成績が伸び悩んでいましたが、2017年にアメリカに拠点を移し、トレーニングを積んできました。

入江選手の武器と言えば、やはり世界一美しいとも言われているそのフォームです。入江選手の泳ぎは、とにかく体が常に水面に浮いているのが特徴です。さらに、体の軸が一切ブレることがありません。そのため水の抵抗がかなり少なく、グイグイと大きく進むことができるのです。また、抵抗が少ないということは無駄な力を使わず、楽に泳げるということです。そのため入江選手はレース後半での強さが際立っています。

どのレースでも、入江選手は、前半は他の選手と並んで、あるいは少し遅れて折り返しますが、後半で一気に他の選手を取り残して前に出て行きます。これは美しいフォームで泳ぐ入江選手だからこそなせる技なのです。

アメリカでは、スプリント組に入り前半のタイムを伸ばす練習をしてきたと語っていました。今年の入江選手はいつもの後半の追い上げも見所ですが、前半の入りも見所になるでしょう。

4つの日本記録更新! 池江璃花子選手

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今大会のMVPと言っても過言ではないでしょう。50m、100mバタフライ、50m、100m自由形の4種目で日本新記録を更新しての優勝を果たしました。年々順調に記録を縮めてきています。

池江選手の最大の特徴は、リーチが長いことです。リーチとは、両手を横に伸ばした時の端から端までの長さのことを指しますが、身長170cmの池江選手のリーチは184cmと、身長に対して108%もあります。リーチが長いことで有名な選手には、100m、200mバタフライで世界新記録を持つマイケル・フェルプス選手が挙げられますが、彼の身長に対するリーチの比は105%です。こうして比べてみると池江選手のリーチの長さは圧倒的だということが分かります。

短距離の種目だとどうしても焦ってストロークが速くなりがちですが、池江選手はこのリーチの長さを活かして、大きな泳ぎで確実に水を捉えて進んでいます。この大きな泳ぎが水の抵抗を少なくし、効率的に前に進む泳ぎを生み出しています。

また、肩の柔軟性の高さもバタフライにおける大きな泳ぎを生み出す要因となっています。バタフライのリカバリー(水中をかいた手を前に戻す局面)ではできるだけ最短で、肩の負担が少ない水面ギリギリを通り、手を戻すのが一般的ですが、池江選手の場合は柔らかい肩を大きく回しキャッチ(リカバリー後水中に手を入れ、水を掴む局面)へと繋げています。こうすることでより多くの水を掴むことができるようになり、大きな泳ぎを可能にしているのです。リーチの長さを最大限に活かした泳ぎ方と言えるでしょう。

鋼のメンタル 瀬戸大也

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大会前は少し不安そうな様子を見せた瀬戸選手でしたが、持ち前の勝負強さを発揮し、200m、400m個人メドレー、200mバタフライで代表内定を獲得しました。

瀬戸選手はジュニア時代には個人メドレー、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形と全ての種目で全国大会優勝経験を持つという、驚異の成績を納めています。全ての泳ぎが得意といっても過言ではありません。中でも短水路200mの日本記録を保持しているバタフライは強みとなっています。

個人メドレーはバタフライから始まるため、最初からレースを引っ張るような形で先頭に立つことが多いです。瀬戸選手のバタフライの強さは、キャッチの部分にあります。瀬戸選手のキャッチは他の選手と比べると水を捉えるタイミングが早く、そのため長く水をかくことができ、より大きく加速することができるのです。また、メンタルの強さも瀬戸選手の強みの一つです。自身でも心技体の内「心」が80%を占めていると言うほど、メンタルの強さには定評があります。

夏に行われる国際大会に向けてさらにタイムを上げて、萩野選手とワン・ツーフィニッシュが見られるのが楽しみです。

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